経済政策と社会政策の二兎を追う
ここでも何度か取り上げてますが、D.アトキンソン氏の主張をよくメディアで見るようになりました。
卵が先か鶏が先かの議論になりそうですが、日本は個人消費が結構な割合を占める市場ですから、個人所得を上げることは消費拡大に直結するんですよね。
でも個人所得を上げるための雇用者報酬を上げるためには、企業が稼げるようにしなきゃいけなくて、人口減少下に稼げるようにすることは結構大変だと思います。
氏の主張される、最低賃金を強制的に上げて、残れる企業だけを残す、という意見については、個人的には賛成するところですが、それを最低賃金を上げるということだけして、あとは市場に任せておく、というのも無責任かなぁとも思ったりします。
でも、人件費を人的投資や、貴重な経営資源として認識したり、当たり前と思う経営者が増えることはいいことだと思うので(今はいない、ということではなくもっと増えればいい、ということ)、そういう観点から言えば氏のいう最低賃金の引き上げという外部環境変化(ショック?)を与えることはいいインパクトになるんじゃないかなぁ、と思います。社会の在り方を変える可能性を占めるショックにはなるのかな、と。
都道府県・市町村レベルの経済政策は、純粋な経済政策ではなく、社会政策的な要素も含有することになるので、いろいろと難しいなぁ、と最近よく思います。