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『Recolit』ゲーム感想

今月8月23日から渋谷PARCOでインディーゲームレーベル「ヨカゼ」初の展覧会「『ヨカゼの公園』Indie Game Label “Yokaze” Exhibition」が開催される。

自分も展覧会に行く予定で、すでにチケットも購入してある。ということで買ったのにまだ未プレイだったヨカゼ作品を遊んでいこうと思う。


Recolit

開発元:Image Labo、Marudice

■ゲーム概要

宇宙船が不時着して真夜中の町にやってきた宇宙服姿の主人公が、明かりを頼りにしながら謎解きをして物語を進めていくアドベンチャーゲーム。

■プレイスキル

謎解きの難易度はかなり易しめ。ヒントもあるので詰むことはなさそう。エンディングも分岐は終盤の1箇所で、チャプター使えばすぐ回収できそう。

■プレイした理由

ヨカゼの作品だしメインビジュアルが気になったから。


■プレイ記録

  • プラットフォーム:Steam

  • プレイ時期:2024年8月

  • プレイ時間:2.4時間

  • 実績:7/14個アンロック(50%)

■所感

自分がこの作品に感じたコンセプトは「夜の散歩」。素晴らしいアートで彩られた世界で謎解きをし、報酬として物語の断片を得る。それらがこの世界を歩き回る動機でありメインの体験となっている。

ひとけのない真夜中の町を歩き回るなんてそれだけでドキドキしちゃう。そんな非日常を感じる舞台なのに、お金をチャージして改札を通ったり、植木鉢にホースで水やりをしたり、コップにお湯とお茶パックを入れてレンジでチンしてお茶を作ったりと日常的な体験をするギャップがアンバランスで面白く感じる。

ものを持ったり置いたり調べたりできるのが明かりの範囲内のみという縛りが、説明がなくても次になにをすればいいか自然とわかるので良かった。

持てるものには意味のなさそうなものもあったけど、とりあえず手にしたくなる。

ストーリーは語り手の女の子から少しずつ明かされていく感じ。いちおう考察する材料は各所に散りばめられているが、明確な答えはなくてプレイヤーの想像力に委ねられる終わり方なので、他の人の感想を調べてみるのも楽しいかも。

光による心理効果もしっかりデザインされているように感じた。序盤で暗い海と赤いランプに緊張感、女の子の灯す火と花火の光に安心感を抱いた。明るくなるほど視野が広がり心が落ち着くはずなのに、それと同じくらい暗い部分に対して恐怖が募る。自分の心理状態を意図的にコントロールされているようでそわそわした。

全体的に謎解きは易しく、なんとなくギミックを楽しんでいるうちにクリアできるので物語を覚えているうちにいっきに遊べるのはとても助かった。


■おまけ

ここからは完全に私の妄想。主人公が宇宙服を着て歩き回るのは子供時代の世界だけ。宇宙飛行士の夢が叶わなかった主人公にとって過去を思い出すことはツラいことで、宇宙服を着ていないと息ができないのかもしれない。「わたしたちは止まってるだけ」というヒロインの言葉通り、過去のしがらみに囚われて動けなくなってしまっているのかな。だから実家からわざわざ持ってきてた思い出のものを整理して過去を清算していたのだろうか。その清算はプレイヤーに委ねられるので、結果によっては主人公はこれからも苦しむかもしれないし、過去から抜け出すことができるのかもしれない。なんてね。


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