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『Refind Self: 性格診断ゲーム』ゲーム感想

わたしは人に見られながらなにかをするのが苦手だ。子どもの頃、視線を感じると絵が描けなかった。失敗したらごまかせないことを恐れ、もっとこうした方がいいと言われると自分の意思で行動することができなくなる。今もあの頃とたいして変わらないと思う。ただただ自分に自信がない。

もともと人目を過剰に気にする性格上、自分のゲームプレイを見られるのも恥ずかしくて仕方がない。そう思っていたのだが、去年BitSummitにはじめて参加したことをきっかけにみずからすすんで試遊できるようになったのである。
なんならプレイするだけじゃ飽き足らず、なにかの役に立てればいいなという想いから操作の面でわかりにくかったり疑問に思ったことはブースのスタッフに声をかけて質問までした。自分は極度の上がり症でコミュ障なのだが、自分で言うのもアレだが変に真面目で不器用なので手が抜けないのだと思う。

今回プレイしたのはまさに自分自身の性格を見つめ直すきっかけになるような作品、『Refind Self: 性格診断ゲーム』だ。


Refind Self: 性格診断ゲーム

  • 開発元:Lizardry

  • パブリッシャー:PLAYISM

■遊んだ時期

  • 2024年8月(Steam)

■プレイ時間

2.7時間

■ゲーム概要

自身のプレイスタイルから性格診断を行う探索アドベンチャー型の診断ゲーム。性格のタイプは全部で23種類。自分の診断結果を他の人と比較することも可能。

■プレイした理由

グラフィックの雰囲気に一目惚れした。
自分の行動にたいして診断してくれるってとこが面白そうだと思った。

■プレイスキル

特に必要ない。
むしろ診断ゲームなのでありのままのプレイスタイルが好まれる。


■所感

「ゲームって性格でるよね?」をテーマに作られた本作品。

3周遊ぶことでエンディングを迎える設計。1周目のプレイ結果で自分を最も象徴する性格タイプと補足する性格2種がわかり、2周目で秘められた性格、3周目で最も遠い性格がわかるようになっている。

このゲームで一番うまいなと思ったのが行動するたび蓄積され、100%に達すると診断が終了するハートゲージのシステムだ。このハートゲージ、ほんとちょっとしたことですぐいっぱいになってしまうので、プレイヤーによってなにを重視しコスト運用するか違うし、周回プレイすると1度目は調べたのに2度目はスルーするなど同じ人間でもスタイルも変わる。

憶測だけど1周目はなにもかもが新鮮で自分が気になったものを純粋に調べたりするけど、周回プレイになるとあえて思ったことと違うことをしてみたり、それでも絶対やらないことや逆に必ずやることなど行動が変化することで自分の物事のとらえ方を測られている気がする。

選択肢には他プレイヤーがどれを選択したかのパーセンテージまで出るので、次はあえて違うものを選ぼうかなと思わされる。

さらに良くできているなと感じるのが「物語」の存在だ。

どうやらこの診断ゲームは意図があり行われていることが明かされていく。普通に自分のスタイルでプレイするだけでは望まれるゴールに達することができなさそうだ。となると、あえて統計の少ない選択肢を選んだり面倒くさそうな手伝いも引き受けてみるか、という気持ちにさせられる。
そんなトライ&エラーを繰り返すことが最終局面での行動の変化にもつながったりと意味を成すので、周回プレイもさほど苦ではない。

色数の制限された画作りは、大切なものを失った物足りなさのある世界観にマッチしている。配色が秋っぽいところにも哀愁を感じてグッとくる。


ちなみにわたしを一番象徴する性格タイプは「裁判官」だった。
感情や利益よりもルールや秩序を優先し、理不尽なことも受け入れる性格だそうだ。ほんまかな…?

補足タイプは「聖職者」と「旅人」。
聖職者は自分に利益がなくても思いやりの心で迷わず誰かのために動ける優しさを持つ性格。
旅人は変化を好み柔軟性のある性格でこだわりは捨てることができて環境適応能力が高い。

秘められた性格は「武闘家」。
武闘家はシンプルイズザベストで周囲からはみ出さず無難な選択を探し協調性があって安定を好む。

そして一番遠いのが「道化師」だった。
道化師は複雑な機能を持つ道具を使いこなしたり、みんながしないことをしてみる好奇心旺盛さがあって、価値観は寛容ですべて受け入れられる性格。

これらを総合して考えてみると、自分は自分の気持ちや考えよりも世間体や一般常識を念頭において行動していて、困ってる人を助けるのも優しさよりも印象のためかもしれない。そして長いものには巻かれろって感じでクソだなと思っても逆らって目立つよりも我慢して受け入れて荒波は立てないタイプ。価値観はガチガチで、それを逸脱するものは受け入れられないのかも。
自分で解釈してみるとしっくりくる気がする。

ぜひ3周プレイして自分の性格と向き合ってみてほしい。


おまけ

「Refind Self: 性格診断ゲーム」は去年の東京ゲームショウのPLAYISMさんのブースで夫が試遊した。

探索して診断するだけのゲームだと思ってたので診断結果を読み込むロード画面で待たされるのが気になったとか書いちゃったけど、物語の情報が加わることで感じ方がめっちゃ変わった。

試遊は空きのタイミングとかもあり、このときは自分がプレイすることは叶わなかったが、これからもイベントで気になるタイトル見つけたら積極的にプレイしていきたい。


実は自分も過去に診断系のゲームを作ったことがある。

質問に答えて性格タイプを出す遊びと、入力した解答を使って物語を展開する大喜利遊びを合わせたゲームだ。
当時はまだツクールでLive2Dのキャラを動かすのが珍しかったので許されたが、今見るとモーションのへっぽこさが目立つのは御愛嬌ということで…。

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