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孤独にしない映画
Hype!
『ナイト・オン・ザ・プラネット』という映画を観た。
この中で「Hype!(イケてる)」と言う場面があるんだけど、それのおかけでクリープハイプなんて名前ができたと聞いてから、ずっと観ようと思ってたのに、なかなか観られていなかった。
hypeは本当は“ハイになる”的なネットスラングらしい。
古い映画だし、ジム・ジャームッシュの作品も『デッド・ドント・ダイ』を最近観たくらいだしなぁと思って、観ようとなっていなかった。
でも、ジム・ジャームッシュ特集で連続放映してたから発起して観に行った。
初めて観て、正直とても眠くなった。
時計に始まり、どこかの世界の誰かの人生が動き出す。
劇的ではないが、確実に変化はしている。
でも、その変化があまりにもドラマティックでないために、刺激としてはない。
本当に人生という感じ。
そんなに全員に全員、劇的なことなんて起きないもんね。
それでも、何かしら変化しながら、そのささやかな変化に一喜一憂する。
凄く人生だ。
人間って“死ぬ”のに生きてる。
この世の中で最大級の矛盾らしい。
どうせその“結果”が見えているのなら、今すぐ居なくなっていいはずである。
でも、何故か人間はその“結果”を無視して生きてる。
だから、人間は存在してるだけで矛盾だらけ。
「お前、矛盾してるな」
という言葉自体の矛盾。
矛盾している存在が矛盾を指摘する。
とてもファニーな存在である。
そうやって生きているこの世のどこかにいる名前も知らない誰かのお話。
誰かの人生を覗き見る。
自分が孤独であっても、この世のどこかには自分と同じ孤独がある。
この映画を、尾崎さんは高校生くらいの時に観たらしい。
お正月、友人はみんな家に帰っていて会うことができなくて、自分は夜中独りでつまらないなと思いながらゲオで借りて観た映画。
自分は孤独だと思っていたけど、独りじゃないと思えたんだって。
孤独を感じるのは、誰かといたことを覚えているからなんだろうな。
ずっと孤独なら孤独が日常だから、何も感じない。
そうじゃない人はどうにかして孤独の穴を埋めようとするんだろうな。
そこに収まるのがきっとこの映画。
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