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Cheesy Science Magic

昨今、写真を撮る為だけの行動が多い。
それじゃあ、全部写真に収めて終わりではないか。
実際それ以降が大切なのに。
だからこそ、撮影禁止の場所に行ってみたいと私は思う。
カウンター・カルチャー。
そして、写真に残せないからこそ、それを五感に焼き付けて、自分の考えを巡らそうと思う。


初、見世物小屋。


見世物小屋とは、

珍奇さや禍々しさ、猥雑さを売りにして、日常では見られない品や芸、獣や人間を見せる小屋掛けの興行である。
引用:Wikipedia


3年くらい前からずっと行きたかった。
しかし、なかなか見世物小屋というのは廃れてしまい、あまり見られない。
『少女椿』はそれを描いたもので凄く興味深い。




それは、二の酉の前夜祭。
冬空が広がる新宿は花園神社である。

門をくぐり、人混みのなかを進んでいくと、ちょっと道外れの奥に見世物小屋はあった。

ガヤガヤと音がして、呼び込む男の前で人々が興味深そうに建物を眺めている。

男は
「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!
さあ、これから始まるは世にも奇妙な演目だよ!入って見なけりゃわからない!
さあ!入った!入った!」
ダミ声と、ハゲた頭に少しだけ残った髪の毛をサイドで二つ結びにして口上を叫んでいた。

間抜けそうに建物を見る人たちをかき分け一目散に入っていった。

すると、中はすり鉢状に板が敷いてあり、その上に立ちっぱなしで見るものになっていた。
目に入ってくる色という色がレトロで安っぽくて、なぜか心地良いものであった。
料金は後払いである。

一番後ろのほうに陣取り見ていると、
軽快な音楽とともにかっぱの格好をした、女の人が5人出てきた。

音楽は上の方に変な格好をしたバンド隊がいて、真面目に途切れることなく演奏していた。

女の人たちは、安っぽい衣装で孫ついた揃わないダンスを踊ったり、種が明らかにわかるマジックをしたりした。

凄く安っぽくて、でも、頑張ったんだろうなと思った。
みんな失敗しても笑顔!
司会もフォローしまくる!
助け合いが凄くて、微笑んじゃうよ。

その後、『うたう首だけ少女』と表して、鏡貼りのなかに女の人がいて、首だけに見せるという科学的マジックの演目が披露された。
誰にもでわかるし、誰も騙されないようなこと。

次に『火を噴く女』と表して、火のついたロウソクを呑み込み、火を噴く女の人が出てきた。
これはたまげたよ。
一切熱がる素振りを見せない。
これも科学マジックでできるけどね。


それ以外もなんかあったかな。
忘れてしまったよ。
あまりインパクトに残らなかったのかな。

演目ごとに退出を促されるため、ずっと居てもよかったが、2周目が終わったあたりで出た。


料金は大人800円。
それほどの価値があったかはわからないけど、私はなんとなくこの雰囲気が好きだと思った。

正直言って目当てのものや、期待していたほどの感動はなかった。

生きた蛇を食べる女とか、生きた虫を食べる女とか、頭が二つの美青年とか。

調べていた昔のものは無かったし、抗議があって無くなったらしい。


でも、みんなで協力して笑顔で観客を楽しませようとする姿はとても輝いているように見えた。

安っぽいけど、どことなく安心感があって、レトロな雰囲気も色味も素敵で、最後のほうは手拍子までしていた。


理屈の通った人間がこれを見て楽しむかどうかは謎だけど、気持ちだけは伝わってきたから、また行きたいと思った。

今度は本当に衝撃的な場面を目撃したいと思うけどね。


#行ったことない場所 #撮影禁止 #見世物小屋 #新宿 #花園神社 #酉の市 #人生 #エッセイ

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