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timeleszオーディションは超逆算的に作られている

こんにちは!
広告代理店でクリエイティブプランナーをしている望月です。

10月から、日本のアイドル市場をテーマにアイドルをビジネス目線で考察した記事を更新しています。

不定期でできる限り多くのトピックに触れていきたいと思いますので、ぜひ興味がある方は読んでみてください!

本日のトピック

本日取り上げるのは、9月13日(金)からスタートしたtimelesz 新メンバーオーディション【timelesz project -AUDITION-】(以下、タイプロ)

『SexyZone』から『timelesz』に改名する2024年4月1日のタイミングで、新メンバー追加オーディションであるタイプロが発表されました。

2022年末にマリウス葉さん、2024年3月末に中島健人さんがグループを旅立ち、SexyZoneが5人から3人となった『timelesz』に加入するメンバーを選ぶためのオーディションです。

前提として、私はジャニーズファンだったという訳ではないため、今回のタイプロを見てから、歴史やストーリーを色々と見て知りました。

そのため、少し違えてしまっている解釈がある可能性があることをご理解頂けるとありがたいです。

このnoteでは、何かSexyZoneの歴史やtimelesz、タイプロのすごさを語るというよりも、アイドルオーディション番組との比較や、自身でも学生時代に4年間アイドルコーピーダンス部のオーディションを企画〜実行する側や、インターンで人事をしていたので、そういった採用をする側の視点から、timeleszのオーディションを考察していきたいともいます。

異例ずくめのオーディション番組

まず、最近のオーディション番組は、大きく2つの形に別れていると考えます。

①プロデューサー(事務所)が新しいグループのメンバーを選ぶもの
NiziUを輩出した「Nizi Project」
BE:FIRSTを輩出した「THE FIRST」
ILLITを輩出した「R U Next?」
など

②視聴者が新しいグループのメンバーを投票で選ぶもの
JO1、INI、ME:Iを排出した「produce 101 JAPAN」
Kep1erを輩出した「Girls Planet 999」
など

しかし、タイプロはこの2つのどちらにも属さないことが大きな特徴です。

タイプロは
③現役のメンバーが自分たちで追加メンバーを選ぶもの
になります。

この点でタイプロは、大きくこれまでのオーディション番組と異なっており、もっとリアルでフラットな「仲間集め」のようなスタンスを感じました。

しかも、10年以上芸能の最前で活躍してきたアイドルグループの追加メンバーなので、選考に当たって重要視している点が違うように思います。

それは、実力よりもtimeleszへの想いがどれだけ実直で、鮮明かを見ているということです。

実際に印象的だったのは以下のシーンでした。

審査中の質疑応答で、現役メンバーの佐藤勝利さんから応募理由を聞かれた候補生がいました。

その方は「timeleszがまだ掴めていない“本物の景色”を掴みにきました」といった回答したのですが、菊池風磨さんが「あなたがメンバーに加わることで見える“本物の景色”と、自分たちがこれまで見てきた景色の違いはなにか?」と聞くと候補生は徐々に何も答えられなくなっていきます。

これから見られる景色が“本物の景色”だとしたら、これまで見てきた景色はなんだったんだろうっていうのが、僕らだけじゃなくファンにもそういう気持ちにさせてしまう」「言葉1つが命取りになるってことを覚えておいてほしい」と菊池風磨さんが話しており、その指摘の鋭さと、いかに夢物語で話して欲しい訳では無いのかがグッと伝わってきました。

このように、番組内の数々のシーンで、timeleszの仕事に対する考え方や姿勢、プロとしてのアイドル像がクリアに伝わってきて、ただ何となく憧れのアイドルになりたい人たちから原石を見つけるのではなく、本当にtimeleszになる気持ちがあるのか、その想いや努力をしてきているのかをシビアに、素直に見ていると感じました。

また個人的には、今回のタイプロは、放送間隔が長いことにも注目しています

視聴者の盛り上がりを持続させるためには、少なくとも1週間毎に1話放送してくれた方が、話題も途切れにくく、配信プラットフォームからは良しとされると思いますが、恐らく敢えてそうしてないと私は考えています。

これはできるだけ選考のリアルタイムを見せることで、候補生当事者たちにもしっかり番組を見てもらい、現役3人の想いをしっかり受け止めてほしいこと、

さらに、ファンからの実直な声もしっかり受け止め、覚悟をもってオーディションに望んでほしいことを、候補生が理解する時間も込みで放送しているように感じます。


それでも新メンバーを入れることのメリット

オーディション発表直後に、ファンからの痛烈な批判が起こりました。

それに対して、菊池風磨さんがInstagramのストーリー機能で声を集めて、丁寧に回答することで誠実な姿勢を見せる、といった動きがありました。

回答したのは25件でしたが、実際には数千、数万を超える相当数のコメントが送られてきていたと思います。

このように一貫した想いで対応したところには、精神面はとても心配でありつつも、多かれ少なかれ、これによってファンの気持ちの現在地が測れたのは、今後のtimeleszにとって大きな意味があるだろうなと感じます。

そして、私が印象的だったのはこちらのコメントです。

この「可能性」という言い方に着目しました。

何故可能性が上がるのでしょうか。

私も規模感は全く違いますが、学生時代に自分でアイドルサークルを作った時に、大会で優勝するために初期メンバーで卒業までやりきるか、メンバー加入をするか話し合った時期があり、結果として後者を選んだことで全国優勝出来たという背景があるので、その点から考えてみると、少しだけ共通点があると思います。


1つは、露出機会が圧倒的に増えやすく、結果としてファンを増やしやすいということです。

これは冷静にパターンを分けて考えてみると分かりやすいのですが、チーム全員で仕事の他に、チームの知名度をあげるための個人での仕事があるとします。

3人の場合は、
・グループの仕事(3人)
・個人の仕事(1人)
となり、スケジュールの都合は合いやすいのですが、1人あたりの負担が大きい割に、合計人数が少ないために、現実的に露出の多さがそこまで期待できません。

しかし、例えば7人になると
・グループの仕事(7人)
・個人の仕事(1人)
に加えて、
・ユニットでの仕事(2,3人程度)
などパターンも増えつつ、もちろん人数も増えているので、1人あたりの負担を軽減しても、全体で見ると露出数が増えているという現象を作ることができます。

新生timelesz場合でいけば、現役ユニット(3名)と新メンバーユニット(3~4名と予想)それぞれでのインタビューやテレビの仕事、現役1名+新メンバー1名の2人でのラジオや雑誌の仕事などの先輩後輩ユニットでの仕事も増えることが想定出来ます。

実際に私も増員前は月2回のステージが限度、グループ全体としても、同じく月2回程度だったイベント露出も、メンバーの増員のおかけで、休みの時期があってもグループの誰かが毎週のようにイベントに出ている、といった状態を作ることが出来、活動の活発さを印象づけられたりや、チームのファンを獲得することに大きく寄与できたと感じます。

また、timeleszは過去メンバーが休業してきた歴史もあるので、3人のままだと誰か1人でもかけたら、さらに活動が厳しくなってくることも実体験として想定していると思います。

もちろん誰もかけて欲しくはないけど、体調や精神はどうしてもコントロールしきれないものでもあるので、その可能性にはしっかり向き合っていかなければならないことの一つです。

こういった理由から、既に3人には知名度と人気が十分にあるとしても、これからの新メンバーの伸び代やオーディションを行うことによる話題性も考えたとき、3人だけで活動を続けるよりは、メンバーを増やす方が「ファンを増やして、五大ドームチケット完売見込みを担保する」という可能性に置いて、確実に五大ドームの夢に向けた実現可能性が高くなると思います。

そもそも、「五大ドーム制覇」とtimeleszとしての目標を今回明確に公言していることは、timeleszというチームが、逆算的にものごとを考えている証拠とも考えられます。

例えば、五大ドームを達成するために必要なファンクラブの人数や、Spotifyの登録者数、CDなどの売り上げなど目標値を定めて、そのために何をするべきか考えていると思っており、それを達成するための手段が「追加メンバーオーディション」だったということです。


他にも、「可能性をあげるための理由」として、実力があって、怖気付かない後輩が入ってくることは現役にとっての刺激になるなど、色々あるかと思いますがこちらは、まさにエピソード3で触れられたところですので、是非見てみてください。


長年活動していると、どうしても自分も周りも含めてパフォーマンスに対して安定感が出てきます。もちろんそれでも既に完成はしているので全く足りないことは無いのですが、そこに、既存メンバーにはない実力、努力ができる人達、先輩にいい意味で怖気付かない人達が入ったときは、「負けたくない」という気持ちとプライドが素直に芽生え、お互い良い刺激を与えあってさらに自分が想像できないような、次元が異なるステージに向け、大きな成長があると思います


Netflixだから演出がある

今回のタイプロは、Netflixの配信の他、YouTubeでも配信を行っています。

2つで配信をする理由は、Netflix会員でなくても見られる、だから親切、という捉え方も出来ますが、私はそれだけではないように思いました。

YouTube ver.も比較のため視聴して見たところ、いわゆる「菊池風磨構文」と呼ばれているような、候補生に愛のある厳しいフィードバックを投げかけるシーンはかなりカットされて、ほとんど映されていないのです。

YouTubeにあったシーン
Netflixの歌詞を忘れた候補生に対して「菊池風磨構文」

恐らく、そもそもこういったテロップになるような言葉は、Netflixで配信する上の演出として、菊池風磨さん自身も強く意識している部分なんだろうなと思います。

そもそも、こういった「愛がありつつも、厳しい言葉使い」というのは、アイドルという好感度が命の人達が話すことは本当はリスクがありすぎるため、その人柄を傷つけずに、敵を作りすぎずに、ちょうど良い塩梅のセリフを投げかけるのは相当な技術を要します。

本来なら、表舞台に立たない人たちが請け負う役柄であり、わざわざファンに見せないところとも言えます。

それでもこういった言葉の数々を流しているのは、今回のオーディションの視聴回数や、視聴維持率が高かった場合に得られるメリットがとてつもなく大きいからでしょう。

予想としては、「timeleszとしての冠番組をNetflixで行う」ことや、「タイプロからドームツアーに向けた新メンバー視点のドキュメンタリー番組制作をNetflixで行う」ことが想定できます。
これらは実際、可能性として今回の盛り上がり具合からみてもあり得るラインだなと思っており、全世界配信できる圧倒的な配信プラットフォームのNetflixでその権利を得られることは、本人たちが夢としている「五大ドームツアー」「国立」の大きな足がかりとなるので、かなり数字はシビアに捉えていると考えられます。(特に菊池風磨さん)

もちろん、菊池風磨構文など、全てを事前に用意していた言葉ではないと思いますが、配信媒体に出資してもらって放送する以上、視聴者が見たくなるポイントを作り、視聴維持をしてもらうことをマストとして、メンバーもスタッフも、Netflix側も意識して撮影、編集をしていると思います。

だから白紙の履歴書を出した人や、SNSの身辺調査をしてグレーなところがあった人は、少なくとも撮れ高はある or 0.01%位の確率で逸材かもくらいで、その枠で2次審査には呼んでいたのだと思いました。


以上、今回はNetflixにて配信中のtimelesz 新メンバーオーディション【timelesz project -AUDITION-】について考察してみました。

お読みいただきありがとうございます!

ただ、もちろん全て1個人の意見ですので、「う〜ん、これはちょっと違うかもな〜」ということも全然あるかと思います。

その際はDMでも、気軽に教えていただけたらとっても勉強になりますし、
とってもありがたく思います!

今後どんなグループになるのか、どんな審査になるのかも含め楽しみに放送を追いたいと思います。


読んでいただいてありがとうございました!

それでは、また〜!

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