【エッセー】汚れててもいいもの。
東京都知事選?まあ、そうカリカリせずに・・・
僕はここ数年、よくコーヒーを飲むようになった。お茶も好きだが最近は”効率良く”コーヒーを飲むようになった。最初はダイエット(脂肪燃焼)に効くと聞いたので仕事の前や出掛ける前に飲んだりしたところから始まり、昼寝の前に飲んだらスッキリ起きれてまた活動的になれたりすることにも気付いた。コーヒー考えた人、天才!
数年前に友人の結婚式の引き出物カタログから、コーヒーメーカーをチョイスし今でも愛用している。特にプレミアムな型でもなく、水を淹れ、粉を入れ、スイッチを押したらゴボゴボ、ポトポトとコーヒーができてゆくごくごく原始的なもの。
そのコーヒーが溜まるガラス容器。目盛りが書いてあるようなアレ。
毎回洗っていてもやっぱり下の方は黒ずんでくるし、そろそろ漂白でもしようかなと思ったけどやっぱりやめた。
以前、フランス人と一緒に住んでいた時があって、アンティークの、同じくごく原始的なコーヒーメーカーを使っていたけど、そのコーヒーメーカーがもちろん外側はよく手入れされていて綺麗になっていたけど、どこかコーヒーの黒さが残っていて、それはつまり”香り”が残っていた。
たまにスイッチオフにするのを忘れて空焚きしてしまい(自動オフ装置などもない古いものだった)、ガラス容器の底を真っ黒に焦げてしまうことがあった。あーあ、やっちゃった、と思いながら、『そういう時は水とお酢を入れて沸騰させるとこびりつきが取れるよ』と、また別の昔一緒に住んでいたドイツ人が言っていたのを思い出した。やってみたら一発で綺麗になった。けどその綺麗な容器を見て、コーヒーの香りの蓄積がまた「一から」となったのは少し残念にも感じた。
あんまりにも真っ黒なのもいやだけど、あんまりにも綺麗すぎるのも味がないなあと。
昔、コーヒーメーカーを飲まなかった時なんか、友達の家なんか行った時にコーヒーメーカーがあって、しかもちゃんと『使っている感』があると「あー、この人ちゃんとコーヒーを淹れて飲んでるなんて大人だなぁ」と思ったりもした。インスタントでもなく、トリップコーヒーバッグでもなく。
なんでもかんでも漂白するのはいいのか。やっぱりやめた。
コーヒーメーカーってのは、スイッチが付いてないときも少しコーヒーの香り残ってるのが、粋でいい。