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UI/UXデザイナーに必要な共創スキルとは
前回の「UXデザインプロジェクトを円滑に進めるコツ」では、常にクライアントと共通認識を醸成しながら進めることが大事!そのために必要なのはコミュニケーションスキルだけではないよ、と締めくくりました。
では何が必要なのか。今回は、私がこれまでにご一緒させていただいた、クライアントとのパートナーシップに長けたステキデザイナーさんたちが共通して持っている4つのスキルについて書いていこうと思います。
コミュニケーションスキル
これだけじゃない、と言いましたが、やはりこれは必須です。
・読解力、理解力
RFPなどの資料から、あるいはMTGの場で、クライアントが伝えたいことを汲み取り、正しく把握するスキルです。
・言語化、表現力
UI/UXデザインでは、機能面/情緒面、両方の設計をします。
情緒的価値などの言語化しづらい内容もわかりやすく納得感のある言葉で表現するスキルが求められます。
・説得力、自己主張力
UXデザインでは、ユーザー視点でクライアントに意見を言わねばならない場面があります。
適切なタイミングで、こちらの意見や考えを受け入れてもらえるような表現で伝えられるスキルは大事です。
・共感力
私たちはユーザー視点を持ってサービスの設計をしますが、同時にサービスのオーナーであるクライアントの立場でも考えることができなければ、クライアントが納得する提案はできません。
・関係調整スキル
時にUI/UXデザインはビジネスサイドとエンジニアリングサイドを繋ぐようなポジションになることがあります。
様々な意見や視点を持つ人たちの間に立って人間関係を良好な状態に調整するスキルはプロジェクトを円滑に進めることができるステキすぎるスキルです。
資料化スキル
UI/UXデザインでは、UXリサーチの結果、課題と改善案のとりまとめ、デザインコンセプトなど、情報量が多かったり、要点が多岐にわたったり複雑だったり、整理したり言語化することが難しい情報を取り扱うことが多々あります。
言葉や図や表を駆使して、いかにクライアントにわかりやすく資料にまとめることができるかが共通認識の醸成とスムーズな合意形成の鍵になります。
提案資料や定例資料は、クライアントとの合意した証跡にもなる大切なものです。
ファシリテーションスキル
会議の場では、こちらが準備してきたことを粛々と説明しがちですが、それだと一方通行のコミュニケーションになってしまいます。
適宜質問を投げかけてクライアントからのフィードバックを引き出し、それに基づいて議論を進める、アイデアや意見が出た場合はその場でホワイトボードアプリなどを用いて可視化するなど、会議に参加しているメンバーで活発な双方向コミュニケーションとなるように働きかけることで、共通認識が取りやすくなります。
ホスピタリティ
ホスピタリティは、クライアントとの信頼関係構築のために重要な要素です。
クライアントのニーズや期待を理解し、一歩先回りした対応や提案をする
状況やクライアントの要求に応じて柔軟に対応する
適切なタイミングで適切な報連相を行う
クライアントが対応してくれたことへの感謝を忘れない
素早いレスポンス
信頼関係がしっかり作れれば、コミュニケーションも円滑になり、共通認識が醸成しやすい環境ができます。
まとめ
クライアントと共通認識を醸成するために必要なスキルとして、4つ挙げましたが、個人スキルとして全てを高次元で持っている人は稀なのではないかと思います。
ですが、コミュニケーションスキルとホスピタリティは、クライアントとのコミュニケーション方針をチーム内で共有すること、一人ではなく複数名で対応することで補うことができます。
ファシリテーションスキルは、メインで進行をする人と、状況を見つつ口を挟む人という役割分担をすることもできます。
資料化スキルは過去の資料を社内で共有したり、資料や図表をテンプレート化することでスキルの底上げと効率化が図れます。
一朝一夕で身につかないスキルは、チーム力で解決!
みんなで力を合わせてがんばっていきましょう。