隠された世界を覗いてみる【Slow Post vol.002】
価値観を疑うきっかけを仕込む方法。
尼ヶ崎彬さんの「いきと風流」を読みたくてkindle版を探したが無かった。検索していたら「舞踊学」という学会誌に掲載された「変身と新生一演ずる身体」という論考を見つたので、読んでみた。
面白かったのが中で語られている「演じられた身体」に対して「さらす身体」という概念 。
そもそも演じるということはその場で共有された評価基準に照らし合わせて、評価されるであろう姿を提示する行為。それに対して素の自分をさらす(=評価基準に即していない姿)を鑑賞者に投げかけることは、当たり前だと思い込んでいる基準自体を問いなおすような効果を生む。
日常生活を振りかえってみる。(僕のちっぽけな日常と同じレベルで語るのはおこがましいが)僕は料理について感想を言うのが苦手だ。何か食べに行っても、無意識に相手の感想を待ってたりするし、ハラハラしながら一口目を食べる。それは自分の思うことに自信がないからだけど、つまり無意識のうちにその場の価値基準とすり合わせて、正しいことを言おうとしているから喋りづらいと言うことなんだろう。そんな時に「スガキヤの味噌煮込みがうまい」みたいなことを力説している友人を見ると、すごく眩しく感じる。(実際おいしい)
僕たちは自分達でも気づかないうちに、当たり前という評価基準に自分を照らし合わせて行動している。その上その基準に乗っ取っている自分こそ本当の姿であると思う傾向にある。一方で基準に合わない自分も自分の中には含まれている。この自分も自分であると、認めてあげることは実は結構難しい。そもそも居ることすら忘れてることが多いのだから。
自分でも気づいていない自分を受容してあげることはきっとすごく難しくて、すごく幸福なことだ。さらす身体はそのきっかけをくれるものかも知れない。今日は味噌煮込みでも食べようか。
地下に隠されたロマン
大豊建設株式会社さんの特設サイト。都市型水害から人々を守る、地下貯水施設へ水を流す地下30mにある川をアンダー・リバーとして紹介している。
地下に隠された生活を支える巨大インフラなんてめちゃくちゃロマン感じます。技術的に込み入った話を、上手く落とし込んでるなぁ。コピーの技ですね。導入のサイト下部から上がる仕掛けとか、今日の降水量とか、引き込むために色々な仕掛けもすごい。
思ったのは誰向けに作られたものなんでしょう?リクルートには効いてきそうな気がします。クライアント向けだとすると、流入にはならない気がするので本体サイトの方から見たりするような動線なんでしょうか?
不思議。個人的には都市の地下を妄想してワクワクしました。
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