何を言う。
父親が、今更になって「顔を見せに来い」だの「連絡しろ」だの母親伝いに言ってくる。
正直に言って、面倒臭い。
そもそも、この時勢に「顔を見せに来い」というのはどうなのか――幾ら自転車で20分程度の距離とはいえ、不要不急な外出と移動は避けたい――と思うし、連絡しろという言葉すら母親を通して伝えてくる人に話すことは何も無い。
子供3人とイラつく母親を長年ほったらかしにしたくせに、今頃になって構おうとする。埋め合わせという名の罪滅ぼしか。
そういうことを何故、必要な時にきちんとしなかった?
社会人になった現在ならば、ほったらかしにした事情も多少は理解するけれど、土日に寝転がったままの姿で家事を手伝え・勉強しろと言う父親を誰が慕うと思うか?
更年期でイラつく母親の八つ当たりを子供の代わりに受けるとか、夫として体調を気遣うとか、そういったことも一切しなかった。
子供達が裏で「昼寝と趣味に逃げやがって。」とぼやいていたのも知らないだろう。
積もりに積もった苦々しい思い出がフラッシュバックして嫌な気持ちになる。
それに、此方の話を全て否定して自分の物差しで躾けようとする人には関わりたくない。
「もう一人でどうにか暮らしていけてるし、話すことも無いから放っといてほしい」
「何を言っても否定するばかりの人とは話したくない」
「貴方だって、実家を出て寄り付かなくなったクチでしょうが」
等々、拒絶反応がこれでもかと出てきてしまう。
親を赦して大事にしろ、後悔することになるから大人しく会いに行け――そういったアドバイスも沢山見聞きして重々理解しているし、出来るならばそうしたい。
しかし、親子という血縁関係を抜きにしても、関わりたいとは思えない。歳を重ねて更に頑固になったオジサンと、誰が好き好んで話したいだろうか。
最近は母親からのショートメールの着信音が鳴る度に、動悸と胃痛と発汗が伴うようになった。これ以上、悪化させたくない。
母に捨てられないように、家事の一つくらい覚える努力をしたらどうですか?
私は、もう幼い子供ではないので助けは要りません。
もし寂しいならば、母と会話してください。母親の八つ当たりの大半は貴方が原因なので。
いつか、喉元で抑えられずにぶちまけてしまいそうで怖い。