余力のあるうちに、逃げよう
突然ですが、余力はありますか?
余力があるなら、逃げませんか?
少しでも気になった方は3分で完結するので、読み進めてください。
数年前、僕はいわゆる「ブラック企業」に勤めていました。
飲食業が母体の会社です。
当時は勤務時間・拘束時間共に毎日14hほど。
社員の意識はとても高く、熱くなりすぎて罵声が飛び交うことは日常茶飯事です。
休むことは「悪」のような、そんな風潮の会社でした。
そして、冒頭でお伝えした「余力」は僕には残っていませんでした。
倒産というより、実質倒産のような感じ、とお伝えした方が正しいかもです。
えーと、社員が一気にみんな逃げちゃいました。。
10店舗ほどあったお店は一気に閉店。
会社は継続できなくなり、実質倒産。あっという間です。
この船に掴まっていたら、いつの間にか素晴らしい世界に漂着すると本気で思っていたけど、あっという間でした。
もうみんな精神状態がギリギリだったんですね。
いつかこの辛い時期を乗り越えたら、素晴らしい世界が待っているとみんな信じていました。
でも、そんな僕らの思考停止が会社の倒産を招いたことに気づいたのは、店舗が更地になった後。
居抜きで次の店舗が入ることもなく、更地になった土地を見て実感が湧き、無力さに涙しました。
会社は守ってくれませんし、自分一人で会社を守れる力もありません。
そして、それを会社の責任にはできません。
会社を選んだのは自分だから。
「余力はありますか?」
「余力があるなら、逃げませんか?」
これは、数年前の僕に言いたい言葉。
そして、この記事を読んでいただいた方に最もお伝えしたい言葉。
当時の僕は、「逃げる」ことがかっこ悪いと思っていました。
まぁ、かっこ悪いはかっこ悪いか。
とにかく、
社長を裏切れない。
会社を裏切れない。
働いている従業員を裏切れない。
お客様を裏切れない。
建前ではそんなことを言ってましたね。
でも正直、人のことを考える余力なんてありません。
毎日毎日毎日毎日、惰性で生きる日々。
起きて出勤して帰って寝て、起きて出勤して帰って寝て。。
なんかもう、いろいろ考える気力がなくなっていくんですね。
そして、余力はどんどん削られます。
逃げましょう。
もう、あなたには会社を守ることも自分を守ることもできません。
新しい場所、新しい考え方、新しい何か、が逃げた先に見つかります。
かっこ良く言えば「逃げる」は「挑戦」だということにしましょう。
だから、
「余力があるなら、逃げよう」
「まだ知らない世界がごまんとあるよ」
「辛いこともあるかもだけど、自分の意思で行動を起こそう」
「そしてダメならまた逃げよう」
「逃げることも挑戦、かっこ悪くない」
「辞めたらまた別のこと始めよう」
って伝えたい。
でも、伝わらないんだろうな。
当時の僕に助け舟を出していた人もいたはずですからね。
僕は運よく逃げられた。
余力があるなら、逃げよう。
逃げられなかった人の分も生きよう。