過換気症候群の判断について

過換気症候群はこんな病気

過換気症候群とは、不安や緊張などの精神的ストレスが原因で、
息を何回も激しく吸ったり吐いたりする状態(過呼吸状態)になることで生じるさまざまな症状をいいます。

ヒトの肺は酸素を体内に取り込み、
体内で作られた二酸化炭素を体外に排出しており、
酸素・二酸化炭素のバランス、血液中の酸・アルカリの
バランスを保っています。

過換気症候群では、過呼吸状態により血液中の二酸化炭素濃度が減少してしまい、体内がアルカリに傾きます。それによって血管が収縮したり、
血液中のカルシウム濃度が低下したりして、さまざまな症状が出現します。

若者に多く、女性は男性の2倍多くみられます。一般に予後(発症後の経過)は良好で、数時間以内に症状は改善・消失します。

過換気症候群の症状

呼吸困難、手足の指先や口のまわりのしびれ、テタニー症状、頭痛めまい動悸、胸部圧迫感、吐き気失神などがみられます。テタニーとは、筋肉の持続的な硬直・けいれんのことで、手指がこわばったり、顔が引きつったりします。痛みを伴うこともあります。

実際に低酸素血症(血液中の酸素が不足している状態)になることはありませんが、「うまく呼吸ができない」「酸素が足りない」などの空気飢餓感を訴える人が多く、ほとんどの場合、強い不安を伴っています。

過換気症候群の検査・診断

過換気症候群の診断に確立した基準はありません。
過換気症候群に適合した症状があること、
過呼吸状態の改善で症状が速やかに消失すること、

動脈血ガス検査で血液中の二酸化炭素濃度が減少して
アルカリに傾いていることなどから診断します。

また、過換気症候群のほかにも、似たような症状を示す病気はたくさんあります。気管支喘息肺血栓塞栓症気胸大動脈解離などです。それらの病気がないか、診察や血液検査、画像検査の結果などから判断します。

過換気症候群の治療法

過換気症候群の人は強い不安を感じていることが多く、
症状がさらに悪くなってしまう悪循環に陥っています。

医師から診断を受けたとしても、過換気症候群で
亡くなってしまうことはありませんので、まずは安心してください。

不安を感じすぎないことが重要です。
リラックスすることで症状は改善します。

横隔膜を使った腹式呼吸で、ゆっくりと
息を吐くようにすると改善しやすくなります。
それでも改善しない場合は、
抗不安薬の内服や点滴を行なう場合があります。


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