覚えてる?初めてのラブ・レター
今まで、ラブレターを送ったことは何度かあった。
しかし、もらったことは一度もなかった。
以前は、仕事で海外に行った時に、その都市のポストカードを買って、
ホテルのフロントから、日本にいる彼氏にエアメールを送ったこともあったし、誕生日プレゼントにはとびきり気合を入れた手紙を添えたこともあった。
喜んではくれたけれど、返事をもらったことはなかった。
だからラブレターをもらうことには、実はずっと憧れを抱いていた。
今年の誕生日、初めて恋人から手紙をもらった。
男性から手紙をもらったことは一度もなかったし、
彼氏から手紙をもらったのは生まれて初めての事だったので、
これが正真正銘、初めてもらったラブレターだ。
この手紙は、彼からもらった一番の宝物だ。
仕事で遠くに行くときには肌身離さず必ず持っていく、お守りのような存在だ。
落ち込んだ時には、ふと読み返すと前向きになれる。
もう何回読み返しただろう。
プレゼントのリクエストを聞かれた時、
お手紙があると嬉しいなあ、とさりげなく言ったところ、
きちんと手紙を書いてくれた。
しかも思ったより長い文章で、
真っ新なメッセージカードが埋め尽くされるほどの
しっかりとしたボリュームに少し驚いた。
きちんと下書きをして構成を考えてくれたのだろうと感じられる、
丁寧な文章だった。
彼の書く文字は少し踊っていて、滲むような筆跡が愛おしかった。
名前の横に書かれた、ぶきっちょなスマイルマークがなんとも言えずお気に入りだ。
昔の彼にあげたラブレターは今どうなっているだろうか。
別れてから、ラブレターは捨てられてしまったのかと少し気になるけれど、
もうそれを知る方法もないのが切ない。
大体、どんな内容を書いたのかもよく覚えていない。
自分のことだから、その当時彼を大好きだった気持ちを全力で伝えていただろうと思うととても恥ずかしい。
LINEやメールと手紙との大きな違いの中に、
自分の送った履歴を辿れないという点があると気がついた。
一度送ってしまえば自分の手元には残らないからこそ、
普段はできない思い切った表現もできるのかもしれない。
私が初めてもらったラブレター、
彼は何を書いたのかどれくらい覚えているのだろう。
次の彼の誕生日にはお返事を書いてみよう。
最後までお読みいただきありがとうございました☺
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