初恋の人に会いに。
https://note.com/you_i_/n/n546c82d81925
以前、映画館にジブリを見に行った記事を書いてから、
今度は別の作品を一人で見に行った。
『もののけ姫』
公開されたのは、まだ私が1歳くらいの時だ。
自宅のビデオにも確かに存在していて、幼稚園生のころ、
友達が遊びに来た時に見ていた記憶がある。
冒頭から、子供にはショッキングなシーンがあるので
あまり良い印象はなく、そのまま私は大人になった。
映画の予告が終わり、館内が暗くなる。
いよいよ本編が始まる時、胸が高鳴った。
これは例えるなら、
「初恋の人に会いに行くようなワクワク感」だと思った。
実際に初恋の人に会いに行ったこともないし、
一体だれが初恋の人なのかも定かではないが、
直感的にそう閃き、ドキドキしながら映画は始まった。
少なくとも一度は見ている映画なのに、
やはりストーリーは覚えておらず、
断片的な記憶が、少しだけよみがえるようだった。
祟り神となった もののけのいかめしい描写と対比して、
キラキラと光る蝶が舞う美しい自然も描かれていて、
そのシーンが強く印象に残った。
ビーズやおもちゃの宝石、アクセサリーなどのキラキラしたものが好きだった子供時代にも、きっと目が釘付けになっていたのではないかと思う。
覚えてはいないけれど、
このシーンも子供時代に見ていたのだな、と思うと感慨深かった。
そして唯一、はっきりと覚えていた終盤のシーンがある。
サンとアシタカが戦いの末に草むらで寄り添っているシーンだ。
自分の幼い記憶の中では壮大なワンシーンだったのだが、
今見てみると、
思いのほか、あっけないほんのワンカットで、
危うく見逃してしまうところだった。
このシーンを見て、
子どもながらに、「アシタカってかっこいいな。」
「強くて守ってくれる男の人って素敵だな。」
と思った記憶がある。
「もしかしたら、私の初恋の相手はアシタカだったのかもしれない」
そんなことを考えながら、エンドロールを眺めた。
初恋の人に会いに行ける、他にはないドキドキな映画体験でした。
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