WISCⅣのこと

時系列は前後するが、姫は中学生のときに心理検査を受けた。

おそらくはADHDであろうことには、小学3年あたりで気づいていたが、わたしの方針として

本人が困ったら受診する

ことにしていた。保護者の希望で受けさせても、本人が嫌がるケースもある。また、生徒本人が希望しても保護者が拒否反応を示すこともある。心理検査を受けるかどうかはタイミングが難しい。さいわい姫の小学校の先生は勧めてくることはなく、心理検査を受けていなくても合理的配慮をしてくれた。


中学生になり、本人の特性もあるが、周りの子たちもたいがいだったので対人トラブルが増えた。姫本人がとうとう参ったというので、心理検査を受けてみるか、と聞いてみたら、受けたいとのことで受けることにした。

ここでまた一つ問題が発生する。地区は違えど、わたしも同じ県の中学校に勤めている。学校でWISCは受けられるのだ。
だから、担任に電話で問い合わせたところ、受けれないの一点張り。
県の巡回相談もありますよね?と言っても話にならないので、もういいわと電話を切った。

病院は予約がとりにくいことで有名であるが、わたしには裏技があった。別件(モラハラとのアレ)でわたしはそっち系の病院にすでに通っている身だったのだ。そこで自分の受診時に、病院のスタッフさんに相談したところすんなり予約がとれたのであった。ありがたや。

そしてWISCを受けた。

フィードバックの日がやってきた。
驚くべきことに、結果はほとんどの項目が軒並み60点台だったのだ!何人ものフィードバックを一緒に受けてきたので、わたしはWISCの見方を知っている…。うそだろ…?頭に浮かぶあの子やあの子より、姫の方がよっぽどなんでもできるのに…?

などと考えているのが、フィードバックの先生に読み取られたのか、

お母さん、娘さんの結果はまったく点数が当てになりません!フィードバックの文章の方と合わせて説明しますね!

とのことであった。姫、こんなところでも予想の斜め上をやってくれるとは。

大きく4つの項目も、それぞれさらに紙上に現れない細分化された項目がある。その各項目の得点がでっこぼこらしいのだ。それで数値としては軒並み60台であるのは、得意不得意のアンバランスさのためだということだった。

結局どういうことかというと、姫は

集団授業に全く向いていない人だ。

とのことだった。特に、ワーキングメモリと処理速度の低さはガチなので、板書を写す、という行為(マルチタスク。読む、覚える、書くの同時作業)が姫にとってはすごく難しいらしい。さらには、情報の中で、どの情報が大切なのかの判断ができないらしい。わたしたちが普通に行っている、優先順位をつけて情報を整理する、という作業が姫にとってはかなり難しいらしいのだ。

先生から、
ノート取るの大変なんじゃない?
と聞かれた姫は、

中学でノート書いたことないwww書こうと思ったことがない。

とのこと。プリントで進めてるのだと思ってたよ、こっちは…。

そして、姫は1(先生)対多数(姫を含むみんな)で話をされているとき、自分が言われていると思わないので、一斉指示が聞けないとのこと。
しかし、1対1のときは話がきちんと聞けるのだ。

言語面では、語彙をたくさん持っているが、それを適切に使うことができない、と。
だから人とのトラブルが続くのね〜。
逆に、言われていることはよくわかるらしい。
そのため、人の話の矛盾点を指摘するのはうまい。そして、人の話に整合性がないと納得いかない。だから、感情で指導するタイプの先生とは度々ぶつかる、腹を立てる、学校に行かないと悪循環に陥っていた。


ということで、姫にとっては、
・なるべく目に入る刺激が少ない座席にすること
・話や指示はシンプルに
・視写はほんとにガチで能力的に難しい
・感情コントロールができないときは1人にする

という手立てが有効である。(学校においては)というのとがわかった。この結果をもって中学校に行ったが、あんまりわかってもらえなかった。

こともあろうに、フィードバック後の席替えで、姫は1番後ろの端っこの席になっていた。(本人は喜んでいた)

結局、部活の顧問の先生が特支の担任だったので、この結果をもって姫を特学に在籍させてみようということになった。
目的としては、
1つは姫の居場所をつくるため。
もう1つの目的は、合理的配慮に理解を示さない教員にわからせるため。特支の子、というレッテルを貼らないと配慮ができない教員がこの地域にはまだいるんですわ!(同じ県内にそんな教員がまだいることに対する腹立たしさと言ったら!だいたいこの地域はわたしの勤務している地域と10年差があると言われている。県統一テストも受けてない。)
わたしの勤務地域ではそんなことないけど。絶対この地区で働きたくないと思ったね!

かくして約1年間特支に在籍する運びとなったわけだが、中学校編はまた改めて今度…。

姫のこのような特性を確認しておくと、この後の小学校編の高学年編がわかりやすいかと。

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