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一方通行風呂【毎週ショートショートnote】
2030年、お風呂は全自動になった。
高齢化が進み、介護の人出が不足しているため、オートメイション化されたのだ。
服を脱いで、お風呂場に立てば、ブラシが体と頭をこすり、ボディシャンプーとシャンプーをかけて泡だらけにし、適温のお湯でそれらを流す。
風呂場から出て、着替えれば、お風呂上がりの完成である。
2035年、お風呂の全自動化の技術は、大衆浴場や温泉にまで行きわたった。あたらな技術として、ベルトコンベア式が取り入れられた。
脱衣所で服を脱ぐ。ベルトコンベアのゴンドラに入る。
ゴンドラに入ったまま、移動する。まずは、かけ湯。
そして、体を洗う。髪を洗う。前のゴンドラにも後ろのゴンドラにもお客さんが乗っている。次は、湯船に浸かる。ヒノキ風呂、打たせ湯、露天風呂、サウナと移動する。
前にも後ろにもお客さんがいるので、引き返すことはできない。
一方通行だが、動かなくていいのがよい。
最後には、旨いビールも運ばれてくる。