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Photo by
mika_yn_
ウルトラマンとともに【フォトギャラリー短編】
「大丈夫?落ち着いた?」
男は、ウルトラマンに優しく尋ねた。
「気持ちはわかるけどさ。なぐったらだめだよ。あの人、顔にあざができてたよ。いくら『われわれはバルタン星人だ。地球を支配してやる!』と言われても、殴ったらだめでしょ。」
「そう言えば、この前はレッドキングをいじめていたんだって。怪獣愛護協会から苦情が来てるみたいよ。裁判起こすみたいな感じになってるって聞いたけど。何事もやりすぎはよくないよ。ちょっと署で話を聞くから。おとなしくついてきて。」
ウルトラマン。彼はエム78星雲から来た異星人だ。
地球のために、宇宙人と戦っている。怪獣たちと戦っている。
いや、正確に言えば戦っていた。今は戦ってはいけない時代なのだ。暴力の時代は終わりにしなければならない。何事も話し合わなければ。まずは、宇宙人語を覚えて、説得だ。それがだめなら、遺憾に思い、さらに説得する。
怪獣は可愛がらなければならない。命あるものだから、傷つけないように捕獲できれば、プレートを付けて放してあげるのだ。そうしないと、市民団体からの苦情が市役所にたくさん寄せられることになる。
毎年、新しいタイプのウルトラマンが地球に現れていたが、地球に来る数が減っていると聞いた。地球ではもう活躍できないからだろう。
(お礼)mika_ynさん、素敵な写真をありがとうございました。ウルトラマンが大好きです。「戦え、ウルトラマン」とは言いにくい時代になってきています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。スキやコメントをいただけると、スペシウム光線を出します。