隔週警察【毎週ショートショートnote】
「きゃあーーーー。」夜の街に女の声が響く。
「やめろーーーーー。」男の声も響く、
「誰か助けてーーーーー。」
「じゃまをするなーーー。」
バタバタバタバタ。走り去る足音。
「バッグを盗られたわ。警察に通報しなくちゃ。今週は来てくれるの?」
隔週法という法律が制定された。・・・働き方改革を推進する法律である。警察や消防、市役所などは、隔週で休みと業務を交互に行うことになった。
「よかった。今週は警察署は開いてるわ。」
「・・・だから、強盗も出たんだな。」
隔週法は、厳しい罰則が定められていた。
『警察が休みのときに犯罪を犯した者は、死刑。』
この法律のお陰で、犯罪は減少傾向にある。
犯罪者も死刑になるのはいやなので、警察が開いているときに犯罪を犯すようになった。警察が開いているから、すぐに捕まる。検挙率も、以前より高くなった。
警察が開いているときは、気を付けて。犯罪に巻き込まれるから。
「警察と犯罪は同一日」
これが新常識だ。