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Photo by
bamio0408
北風と太陽【短編】
みんなのフォトギャラリーから生まれた物語。
太陽に負けた北風は、リベンジの時をじっと待っていました。
すると、向こうから一人の旅人が歩いてきます。
「あの旅人の服を、全て脱がせた方を勝ちとしよう」
北風は、太陽にもう一度勝負を申し込みました。
「服を全て?」
「そう、全て」北風が念を押しました。
前回勝った太陽は先攻、負けた北風は後攻です。
まず、太陽の番です。太陽は以前と同様に、燦燦と輝きました。
「今日も暑いなあ。異常気象だね、これは。地球温暖化もひどいもんだね」
旅人はそう言いながら、足早に自宅に帰って、クーラーをつけました。
旅人は上着を脱ぎました。
下着は脱ぎませんでした。
旅人は、下着のまま、冷蔵庫からアイスクリームを取り出すと、おいしそうに食べました。
「次はワタシの番だ」北風は言いました。
北風は、太陽が燦燦と輝いている間に、従弟の偏西風を呼んできました。
偏西風は、従妹の台風を連れてきました。
台風はあっと言う間に、強い雨と強い風を巻き起こしました。
旅人の家は停電になってしまいました。
「暑い、暑い、冷房が使えないなんて」
旅人は、すぐに汗だくになりました。
旅人は、下着を脱いで、水風呂に入りました。
「ああ、さっぱりした」
「これで、ワタシたちの勝ちだね」北風が言いました。
「1対多数なんて卑怯じゃないか」太陽が言いました。
「何を言ってるんだい。今はチームの時代だよ。いろいろな人脈と個性が必要なのさ」
太陽は、それから友達をたくさんつくり始めました。
うーん、もうひとひねり🧐
前回までは、こちら。
おひまなら、こちらもどうぞ。