#毎週ショートショートnote
リベンジトリートメント【毎週ショートショートnote】
「それでは、鏡の前に座ってください。復讐したいのは、彼氏でしたね。顔を思い浮かべてください。鏡の向こうにいるとしましょう。」
「にらんで、にらんで。負けないで。涙はこらえて。」
「いい表情です。十分怒りがたまったら、一言言ってやりましょう。」
「しょうまのバカーーーーーー。」
「いいですねー、さらに一言。」
「この浮気性。最低人間。別れてせいせいしたわ。バカーーーー。」
「よい顔つきになりました
海のピ【毎週ショートショートnote】
「もう帰ろうよ。」香織は、恋人の俊哉に何度も言っていた。
「海に行きたいって言ったのは、お前だぜ。」
「そうだけど、、、」
「ほら、海の音、海の風。気持ちいいじゃない。」
「でも、今日は特別な日だから。なんだか海がこわいわ。」
「気にするなよ。あんなの言い伝えさ。」
そう笑っていた俊哉の顔がひきつった。
まわりをたくさんの人たちに囲まれていたのだ。
海のにおいがきつい。この人らのせいか。
発砲通報プロ【毎週ショートショートnote】
この町は、2つのギャングに支配されていた。
パンッ、パンッ。
パンッ、パンッ。
乾いた銃声が響く。
銃声が聞こえたとたん、警察署のアラームが光った。
「G地区で、発砲を確認。緊急出動!」
パトカーがサイレンを鳴らしながら、急行する。
ギャングたちは一網打尽だ。
市民にまぎれた、発砲通報のプロがこの町には潜んでいるのだ。
その活躍もあって、2つのギャングは壊滅し、ボスたちは逮捕された。
パン
一方通行風呂【毎週ショートショートnote】
2030年、お風呂は全自動になった。
高齢化が進み、介護の人出が不足しているため、オートメイション化されたのだ。
服を脱いで、お風呂場に立てば、ブラシが体と頭をこすり、ボディシャンプーとシャンプーをかけて泡だらけにし、適温のお湯でそれらを流す。
風呂場から出て、着替えれば、お風呂上がりの完成である。
2035年、お風呂の全自動化の技術は、大衆浴場や温泉にまで行きわたった。あたらな技術として、ベル
一方通行風呂【毎週ショートショートnote】
「お兄さん、いらっしゃいませ。2分で脱いでくださいね。かごと札の番号を確かめてください。着衣所まで運びますからね。タオルは忘れずに持って行きますよ。さあ、こちらへ。」
「ここで、かけ湯をします。5回流します。湯加減はどうですか。かけますよ、それ。次は、鏡の前に行きましょう。」
「お背中を流します。ゆっくりこすりますね。気持ちいいですか。お兄さん、スポーツか何かをしていたんですか。それでは、流します
隔週警察【毎週ショートショートnote】
「きゃあーーーー。」夜の街に女の声が響く。
「やめろーーーーー。」男の声も響く、
「誰か助けてーーーーー。」
「じゃまをするなーーー。」
バタバタバタバタ。走り去る足音。
「バッグを盗られたわ。警察に通報しなくちゃ。今週は来てくれるの?」
隔週法という法律が制定された。・・・働き方改革を推進する法律である。警察や消防、市役所などは、隔週で休みと業務を交互に行うことになった。
「よかった。今
隔週警察【毎週ショートショートnote】
「きゃあーーーー」夜の町に女の声が響く。
「やめろーーーー。」男の声。
「助けてーーーー。強盗よーーーーー。」
「その手を放しやがれ。」
バタバタバタバタ。走り去る足音。
「警察に通報、、、、、、。あ、今日は第2週かーーーーー。」
隔週法・・・働き方改革を推進する法律が制定された。警察や消防署、市役所などは隔週で長期の休みをとるようになった。今週は警察が休みの週なのだ。
「大丈夫か。けががな
復習Tシャツ【毎週ショートショートnote】
やばい、この夏の試験を乗り越えなくては。留年が決まってしまう。
追い詰められたおれは、カンニングを実行することにした。
少し前にチャリティ番組で、不思議なアートが紹介されていたのを思い出す。写真をたくさん並べて、一つの絵をつくるというものだった。なるほど、その手法を使えば、書かれた文字も絵のように見えるはずだ。
試験官の目をごまかすことができるだろう。
おれは必死になってカンニングの道具を何
粒状の総料理長【毎週ショートショートnote】
気が付くと、夕方の海辺にたどり着いていた。
「もうお終いだ。」
そうつぶやいたとき、男が、そばに立っていた。
真っ青なエプロンに、白いコック帽、白い口ひげ。瞳は海の色。
「何か困りごとかね。」
おれは、王様に今日の夕食を作ること、気に入らなければ死刑になってしまうことを話した。
「私が手伝ってやろう。」
おれは、その男を連れて、お城の台所に向かった。
必死になって、考えていたレシピを完
友情の総重量【毎週ショートショートnote】
体が重い。重い足取りでとりあえず前に進む。
どうしてしまったんだろう。
よく思い出せない。
そう言えば、車が突っ込んできて、、、。
人の気配を感じて、見上げると、閻魔大王が目の前に座っていた。
「お前は、もうすぐ死ぬだろう。だから、ここに来たのだ。」
これから天国行きか地獄行かの裁きが始まるのだろう。
それにしても、体が重い。
地面がやわらかいのか、足がめりこみ始めた。あっと言う間に、ひざ
てるてる坊主のラブレター【毎週ショートショート】
お日様へ
どうか、どうか、明日は「晴れ」にしてください。
わたしをつくってくれた絵美ちゃんの運動会なんです。
今日まで一生懸命にダンスの練習をしてきたんです。
はじめは、ステップが上手にできなくて、泣いていたんです。泣いても練習をやめずにがんばっていたんです。お友達の萌香ちゃんが一緒にれんしゅうしてくれました。
絵美ちゃんだけじゃなくて、たくさんのお友達も応援してくれました。
少しずつ少しずつ上
洞窟の奥はお子様ランチ【毎週ショートショート】
おれたちは、楽園を目指す!仲間とともに!
まずは、洞窟を進む。雑草をかき分けて行く。吹き付ける強風にも負けることはない。雑草をつかみながら前に進んだ。どんな困難も仲間がいれば、超えていける。
だが、そう簡単にはいかないものだ。
次は、谷が待っていた。どこまでも続く谷。底が見えない。途中、二手に分かれる道があったが、こっちで正解だった。ゆっくりと降りていく。向こうに行ったら、細い道に枝分かれし
行列のできるリモコン【毎週ショートショートnote】
「田中のやつ、また来てる。吉田もいるぞ。」
「向こうには、安藤もいる。」
「みんな早いなあ。ちょっと出遅れたな。」
おれと白河は、足を急がせた。
ここは最近できた大型家電ショップ「ワイダデンキ」だ。
はじめに見つけたのは、斉藤だった。
「知ってるか、ワイダデンキのテレビコーナーのこと。リモコンを操作すれば、好きなアイドルがすべてのテレビに立体で映し出されるんだぜ。」
「つまりは、推しにかかかか囲