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自分の話。(珈琲編)

Y.O.U.といいます。

作編曲家、ベーシスト、自家焙煎珈琲屋。
いろんな現場にいろんな肩書きで現れます。

今回は、自家焙煎珈琲屋としての自己紹介を。

そもそもあまり人前でコーヒーを飲んでいないので、私のことを昔からよく知っている人ほど、

「なんでこいついきなりコーヒー作り出したの?」

と思っているはずです。
人前では紅茶ばっかり飲んでますから、致し方ない。


私、外でコーヒー飲めないんです


意味わからないですよね。苦笑

まず知っていてほしいのは、

焙煎した珈琲豆は酸化する

ということ。
とは言え、珈琲豆の酸化って何ぞや、という話になるので、

この辺りの記事を参照してみてください。
へぇーって思える話が書いてあると思います。

で。
私、酸化している豆で淹れたコーヒーを飲むと、具合が悪くなるんです
体質です。
具体的には、吐き気がして、心拍数が上がります。
もう、打ち合わせなんて、話の9割聞き逃すレベルです。
そんなもんだから、外での打ち合わせの際、クライアントさんに
「コーヒーで良いですか?」
と聞かれても、ほぼ確実に、
「いえ、紅茶でお願いします」
と答える私です。

さて、チェーン店の珈琲豆。
これほぼ100%酸化しています。(体感調べ)
お洒落な内装でカウンターにガラス瓶に入った珈琲豆を陳列しているカフェ。
これもほぼ100%酸化しています。(体感調べ)
自家焙煎珈琲豆を使用しています、と記載のあるカフェ。(馴染みの焙煎所から豆を買い付けているタイプ)
これは70%くらい酸化しています。(体感調べ)
焙煎機が設置してあってめっちゃ良い匂いを漂わせてる珈琲店。
ようやく酸化率は10%くらいになります。(それでもダメなところはある)

こんな感じなので、まず滅多に外出先でコーヒーは飲めません。
旅先だと、検索して自家焙煎珈琲店を探し、もはやそこが目的地、とばかりに訪店したりしますけれど。(田舎ほど当たりが多い)

さて、じゃあ自宅で飲む場合は、と言うと、注文焙煎(電話などで注文を受けてから焙煎を始める)のお店で豆を買ってくる必要がありました。
自宅近くにも奇跡的に1件存在していたのですが、どうもイマイチ味が好みじゃない。(たぶん店主さんとの好みの不一致です)
気に入った珈琲豆屋は、車で1時間ほどかかるのです。
とは言え前述のように、買い置きしておいても酸化してしまう。

私、とっても面倒くさくなりました。(にっこり)

自分で作ってしまえば良いのでは?
と悪魔が囁いたのは、こんなタイミングだったのです。

発想に飛躍が見られるかも知れないのですが、私の行動基準はずっとこれでして。
出来ないことがあれば他人を頼ります。
しかし、それが満足のいくクオリティでなかった場合、自分でやろうとする傾向にあるのです。
自分のニーズに特化出来ていれば良いわけですから、トータルのクオリティは甘くとも、納得がいくものは出来上がる。
そんなこんなで器用貧乏、いろいろなことを広く浅く手掛けられる私の誕生です。(お、自己紹介っぽい)

そういうわけですから、まぁ自分が飲むわけだし、美味しくなくても仕方ない、趣味として地道に努力してみよう、なんて気持ちで、ダメ元で器具を買い揃え、生豆を発注して、いざ焙煎。
ここで失敗していれば、商売にしようなどとは思わなかったわけですが。

めっちゃ美味しかったんですよね、出来上がったブレンド。

ここで我ながら頭がおかしいな、と思うのは、最初からブレンド志向だったことです。
みなさん、ブレンドって「安いコーヒー」っていう印象ないですか?
実際、多くのお店でブレンドというと一番安いコーヒーで、よく聞く「モカ」とか「キリマンジャロ」とか「ブルーマウンテン」とか、そういう「豆の名前」が全面に出ているのは高い、という傾向が見られます。
このように豆の名前が全面に出ているのは「ストレート」。
近年流行っているのは「シングル」または「シングルオリジン」と言って、豆の産地や品種、栽培農園の名前や乾燥方法、焙煎度合いといった色々な情報を開示して、「なんかすごそう」な感じを演出しています。
ほとんどの人にとっては「なんかよくわからんけど高級なヤツ」という雰囲気を演出するためのブラフです。
いや、実際にはブラフでもなんでもなくて、ちゃんと「自分の好みの味かどうか」を見極める重要な情報ではあるのですが。
でも、自家焙煎珈琲豆屋を始めた今、私は思うのです。

みんな、そんなの全然知らない

ベーシストが使用木材による鳴りの違いを熱弁するようなもんです。
ギタリストがピックアップの種類による音の違いを熱弁しているようなもんです。
キーボーディストがメーカによるストリングスの個性の違いを熱弁するようなもんです。
ドラマーが以下略。

そんなの、普通の人は気にもしていない。
出来上がったもののクオリティが高ければ、カスタマはみんな満足するのです。

おお、話が大きく脱線している。
閑話休題。

ブレンドの話でした。
普通に考えて、最初はシングルだと思うんですよね、挑戦するの。
あ、いや、もちろん焙煎自体はシングルで始めました。
うーん、説明が難しい。

ブレンドの作り方に関しては、他人様の力をお借りしちゃいましょう。

さて、この記事内にも出てくるのですが、私は主に、アフターミックスというブレンド方法を採用しています。
などという込み入った話は別の機会に回すとして(もう十二分に混迷を極めているので。。。)、なぜブレンドを作りたかったか。
という話をしましょう。

私には、勝手に師匠と思っている人物がおりまして。
那須に。
訳あって毎週のように仙台と東京を往復しているのですが(この辺も別の機会に掘ります)、何年か前にフラリと寄ったその珈琲豆屋さんは、焙煎が終わるまでの時間、ハンドドリップ講座を(ほぼ強制的に)開いてくれるお店だったのです。
その時はまさか自分で焙煎しようなどとも思っていなかった私でしたが、(聞いてもいないのに)ご自身の焙煎に対する想い、いかにブレンドが大切か、お店の看板なんだからブレンドを一番大事にしなければならない、というような話を熱く熱く語られ、私はうっかり感銘を受けてしまいました。

数年後、思い立って自分で焙煎を始めようと思った時に、真っ先に頭の中に浮かんだのがこの考えでした。
ブレンドはお店の顔。
どうせ作るからには、自分の味を作りたい。

ちなみに。
「もうずっと勉強されてたんですか?」
とか、
「準備に何年かかりましたか?」
なんて聞かれるのですが。

自分で焙煎しようと思ってから勉強始めましたし、そこからショップ開店まで3ヶ月くらいです

本当は1年後に形になれば優秀かな、くらいに考えていたのですが、勉強始めたら楽しくて止まらなくなり、食品衛生管理者の資格も取ってしまったので、ダラダラしてても仕方ないかな、と思い切りました。

とまぁ、膨らませれば永遠に膨らんでいきそうな風船なので、ここらで口を止めるといたしましょう。

あ、珈琲の焙煎は趣味です。
販売は、趣味のお裾分けです。

これだけ長文書いておいて、説得力の欠片もありませんが。
いや、趣味だからこそ、ここまで語ってしまうのか。

そんな私の珈琲豆屋さん。
常時5種類のレギュラーラインナップと、限定が2〜3種。
結構バリエーション豊かにお届けしてます。
のぞいてみてね。


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