Kindle出版の印税と、確定申告の話
Kindle作家として成長を感じるとともに、悩みのタネでもある確定申告。
たまたま質問をいただく機会があったので、お答えしていきます。
ここからは、2024年提出分の確定申告…つまり、
「2023年1月~12月に発生した収支を、2024年2月16日~3月15日に提出する分」
を例として解説していきます。
まず前提として、
「2023年に発生した収支は、2024年提出分にしっかり反映させなければならない」
という考え方があります。
この説明として、会計ソフトで有名な「弥生株式会社」にわかりやすい文章があったので引用します。
Kindle出版で得られる印税も、「実現主義」による計上が必要です。
したがって、比較的ラクな
「③入金されたときに記帳する」
という方法は「現金主義」にあたり、残念ながら望ましくないと考えられます。
もっと言うと、Kindle出版の印税は約2ヶ月遅れで振り込まれます。
したがって、2023年12月分の印税は、2024年2月に入ってくる…
「③入金されたとき」という基準で記帳してしまうと、大前提である
「2023年に発生した収支は、2024年提出分にしっかり反映させなければならない」
という基準が崩れてしまうことになります。
では、話は少し変わり、Kindle出版で言う
「商品を相手先に引き渡した日」
とはいつでしょうか。
大きく分けて、3つのパターンが考えられます。
A:Kindle本が有料購入されたとき。
B:Kindle本が読み放題で読まれたとき。
C:オールスターボーナス。
Aのパターン(有料購入)はわかりやすいですね。
KDPのレポート(Kindle作家が、ほぼリアルタイムで売上を確認できるサイト)でも
「この日は〇冊売れた」
という結果をを確認することができます。
一方、Bのパターン(読み放題)はどうか。
実はKDPのレポートでは、
「読み放題で読まれたページ数のカウント」
は完全にリアルタイムではありません。
詳しく調べたわけではなく私の体感になりますが、12~13時間ほど遅れて反映されているものと思われます。
さらに、「読み放題による印税」は、別の理由でどうしても確定に時間がかかります。
その理由とは、
「1ページあたりの単価は、翌月15日前後にならないとわからない」
からです。
2023年10月に「Kindle Unlimited」で読まれた分は、1ページ何円の収入になるのか。
その答えは、2023年11月15日前後、Amazonからの通知を待つまで知る術がないのです。
さらに、Cパターンとして「オールスターボーナス」というものがあります。
これは、「人気作品に対して、ボーナスがもらえる」というものです。
KDPのページでは
と書かれています。
これはもう、私も貰える基準すらわかりません。
Amazonから選定基準や算出式が公表されていないので、
・そもそも、今月は貰えるのか?
・貰える場合、いくらなのか?
と予測することもできません。
まとめると、
A:有料購入
→(計算しようと思えば)日次でわかる。
B:読み放題による収入
→ページ数はほぼ日次でわかるが、印税額は翌月まで不明。
C:オールスターボーナス
→翌月まで、金額の予測すらできない
となります。
ここから、「印税額を正確に日次で算出する」ことは、どう考えても不可能です。
したがって、厳密な意味での
「①売上が発生したとき」
の計上は現実的ではないでしょう。
なので、私が取っている方法は
「②入金額が確定したとき」
です。
詳しく言うと、
「入金額が確定したときに、前月末基準で会計ソフトに入力する」
というルールにしています。
例えば、2023年10月分の印税であれば、11月15日前後に確定します。
その金額を確認できたら、
「2023年10月31日に発生したもの」
として会計ソフトに入力しているのです。
つまり、
・1月分は2/15
・2月分は3/15
…
・12月分は翌年1/15
と、年12回売上が発生し会計ソフトに入力するイメージです。
(実際は毎月律儀に入力しておらず、数ヶ月に1回まとめて入力していますが…)
この方法であれば「実現主義」のルールにほぼ合致します。
(ちなみにKindle出版の印税を日次で正確に把握する術がない以上、超厳密な「実現主義」での記帳は不可能だと思われます)
さらに、この方法であれば、
「12月分の売上が年度内に反映されない…」
という、いわゆる”期ずれ”の問題も発生しません。
ただ、税理士に相談した内容でもないので、あくまでも
「このやり方なら会計ルールにも抵触しておらず、問題ないだろう」
というレベルでしかありません。
税務の話は専門家に相談しない限り確証も得られず、私も難しいところだと感じています…
個人のやり方にはなりますが、少しでも参考になれば幸いです!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?