製氷機
久しぶりに製氷機を開けた。
毎日開け閉めしている冷蔵庫なのに製氷機の利用頻度はとても低い。
そもそも夏場でも温かい飲み物を飲むことが多いので氷を欲することは少ない。
ましてや冬である。
触るだけでもブルっと震えそうな氷だ。
冬の料理は「冷やす」必要のあるものも少なく、前回いつ開けたのかすら記憶を辿れない。
そんな製氷機を必要があって開けたわけだが。
氷が凍っていた。
はい?
何を当たり前なことを?
個々の氷が一塊となって凍っていた。
2つ3つ取るためにアイスピックで軽く突くとその塊はゴロっと崩れた。
あぁ、そうだ。
1年前までは毎日開けられていた製氷機。
個々の氷が一塊になることなどなかった。
毎日の晩酌で氷を入れたものを飲んでいた夫がいたから、
冬場でもお茶を飲むときは氷を入れていた夫がいたから、
氷はいつも作られていた。
使われずに一塊になることなどありえなかった。
こんなことすら、胸を締め付けることになるとは。