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私の信条を変えたBUMP OF CHICKEN

たくさん聴くミュージシャンの中のひと組だったBUMP OF CHICKENが私の中で飛び抜けたのは2023年の半ばのことでした。

新曲ではなくそこそこ前の「RAY」に収録されている『(please)forgive』を初めて聴いた瞬間ビビビッときたのです(古いねビビビ)
ということはアルバムを熱心に聴くほどのリスナーじゃなかったということです。その私が古い曲にある時突然触れる機会ができたのはサブスクのおかげ。

「サブスクよりCDを」昔に遡れば「CDよりレコードを」という声はありますが、知らないものに触れる機会を簡単に持てるのはやはり現代のサブスクではないですか?望むと望まざるとに関わらず関連やおすすめで流れてくるんですもの。自ら手を伸ばさなかった曲が自動で耳に入ってくるのって新しいものに触れるチャンスですよね。CDやレコードは興味本位だけで現物を手にするには手元の資金が潤沢でないとできなかったことですから。現代のサブスクだとちょっと聴いて好みの曲調などからどんどん深みにハマることも可能ですもんね。

さてその『(please)forgive』
空港でいろんな場所へ旅立っていく人々を見て発想した曲だと藤原さんが言ってた(書いてた)のをどこかで見ました。
私自身はどこかに旅立つこともなく日々過ごしていたわけですが、当時の自分の環境・心情を当てはめて嗚咽するほど泣いたのです。私の大切な人が亡くなって二度と会えない状況になって2年以上過ぎてなお心の奥に重い石を詰めた感覚から脱せなかったのですが、『(please)forgive』を聴いて「あの人がどこかで穏やかに幸せであってほしい」と思うようになりスッと楽になれたのです。

あなたを乗せた飛行機が 私の行けない場所まで
せめて空は泣かないで 優しく晴れますように

BUMP OF CHICKEN『(please)forgive』歌詞

そしてこんなに心を軽くしてくれた曲をライブ環境で聴きたいと思うようになりました。
時はbe thereツアーを終えたばかり。次に発表されたホームシック衛星2024はコンセプチュアルなツアーであるため「RAY」からの選曲は見込めない状況ではありましたが、行かずにはいれませんでした。

幸い私が手にしたのは地元・大阪城ホールとファイナル・有明アリーナのチケットです。
この行動がタイトルにある【私の信条を変えた】というのに当てはまります。
それまでの私は夢中になったミュージシャンはいくつもありましたが、誰かと決めたわけではない自分の中での決め事がありました。
・行くのは地元の(日帰りできる)公演だけ
そのたった一つのルールです。
1ツアーで地元であれば複数回行くことはあっても所謂宿泊を伴う遠征はしないルールでした。その遠征費をチケット代に当てたかったから。

城ホールに行った後に有明を手にしたのか、城ホールに行く前にすでに有明が決まっていたのかの記憶は定かではありません。でも同じツアーなのに喉の乾きに耐えられず水を求めるように自然に有明に向かった私は確実にBUMP OF CHICKENに夢中でした。

自分の中の信条を簡単に覆すことになったのはBUMP OF CHICKENの力なのか、それとも「残酷な程の自由」を手にしたからなのか。どちらにしても彼らの影響です。

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