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✳︎堕天使 ニース✳︎(20)

✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎

20ページ✳︎
ニースが病室に戻り、スヤスヤと眠っているルイの足元で倒れ込むように眠りについたあと、朝日が枕元に差し込みルイが先に目覚めた。

ニースがルイを助ける術を探している事など知らないルイは、ぐっすりというより、ぐったりと眠りについているニースの姿を見て、違う世界に来て疲れているのだろうと、出会って間もないということを忘れるくらい、心が開けるニースの羽を静かに優しく撫でていた。

この日は検査のため朝の配膳は無く、眠っているニースを後に、早い時間から検査の為に病室を出た。

ルイが検査で病室を出た事に気がつかないまま眠っていたニースは、目覚めてルイがいない事で慌てて飛び起き、「ルイ!ルイッ!」と、大きな声でルイを呼びながら廊下に飛び出た。

右を見ても、左を見てもルイの姿はなく、ニースはルイの気を探して集中した。

ベッドの上で横たわるルイの周りを、医師や看護師が取り囲んでいる姿が脳裏に映し出され、ニースはグッと意識を集中し、ルイを感じる場所の方へ向かった。

が…、
動揺が意識の集中を妨げる

自分が眠っていた間に何があったのか?
もし、緊急手術になったのだったら…
ルイを助ける手がかりを何一つ探せていないことを悔いながら、ルイの居場所を必死に探した。

ルイの気配を近くに感じとったニースは、「ルイ!!」と、大きな声で呼び続けた。

検査室のベッドの上で、ニースの呼び声に気がついたルイは、どうしようかと困ったが、ニースの声は自分にしか聞こえていない事を思い出すと、心配して探しているニースの声がいたたまれず、心の中で(ニース、ここだよ!心配しないで!)と、何度も心の中で応え続けていると、壁をすり抜けてニースが飛び込むように入ってきた。

「わぁーっ!」驚いたルイの声が漏れた。

近くにいた医者や看護師達はその声に驚き、どうしたのかと、顔を覗き込んで聞いてきた。
冷静に「ごめんなさい。何でもありません」
と答えるルイを不思議そうに見直し、「そうか?」と、首を傾げ作業の続きに戻った。

ニースは、血相を変えたままルイに聞いた。
「急に具合が悪くなったのか?」
周りに気付かれないように首を横に振り、少し嬉しそうに目を細めるルイ。
「そっか!良かった!」
ニースは安心すると、部屋の隅にいき様子を見ていた。

その日の検査が終わると、ルイは担当の看護師と検査室を出てすぐ
「部屋には一人で戻れます」
と看護師に言い、ニースをチラッと見て歩き出した。

「検査はもう終わったのか?」
ニースの問いかけに、うん、うん、と、前を向いたまま首を縦に振って答え、部屋に着いてやっとニースの顔を見て笑った。

「驚かせないでよ、ニース。君が壁から飛び込んできた時はビックリしたよ!」
「お前こそ!心配で探し回ったんだぞ!」
「ぐっすり眠っていたからさ。起こさないように静かに部屋を出たんだ。ごめんね。心配させちゃったみたいだね」

こんな会話が嬉しくて、ルイは今の気分の良さに、病気の事や、検査の結果がどうだろう等の心配も忘れていた。

「ニース、昨日の話の続きを教えておくれよ!」

笑顔で言うルイに、さっきまでの焦っていた思いは揺るぎ、「ああ!」
そう言い、悪魔図書館を探す事が頭の中から離れないまま、その事は伏せて、ティモシーと別れ、帰ってくるところまで話し終えた時、二人は何かの気配を感じ窓の外を見た。

(20ページ)
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✳︎ここまでお読み頂きありがとうございます✳︎
堕天使ニースは、2014年頃に執筆をしたものです^^。

Kindleでも出版しているのですが、読者はほぼいません💦
なので誰かに読んで頂きたくてnoteで読みやすいように、
少しづつ校正を加えながら、
アップしていこうと思っています。

。。。。。。。。。。。
✳︎もし、読んで頂けているのなら、
スキ頂けると続きのアップに向けて励みになります^^✳︎
✳︎宜しくお願いします(*^^*)
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