見出し画像

いつか思い出せなくなるその前に

2019年1月4日
新年が始まってまだ間もない一日。
2018年はほとんどの期間をこの一日のために費やした。
たぶん、いろいろなものを犠牲にして。

それでも、
今までにないぐらい夢中になって作った一日。
大切な誰かに届けたかった一日。
大好きで信頼できる仲間たちと一緒に作った一日。
そんな風に今の自分の全てをかけた一日から、あっという間に2ヶ月がたった。

2019年3月4日
タイはバンコクにてTABIPPO2019スタッフ最後の打ち上げ。
約1年間に及んだ活動もこの日でついに終わりを告げた。
ちょっと目を離した隙に数百件とたまるLINEの通知がピタリと止む。
解放されて嬉しいはずなのに、どこか寂しい。
この一年を振り返るなら今だな。そう思った。


時は遡り一年前、2018年3月
ベトナムはダナンのホテルにて親友からあるネット記事を見せてもらう。
記事のタイトルは『TABIPPO学生スタッフ募集開始!「若者が旅する文化」を一緒に作ってくれる学生を募集します』
どうやらTABIPPOという会社が一緒に活動する学生スタッフを募集しているらしい。
記事や募集内容は、なんとなく「今の学生生活、このままでいいのかなぁ」と思っていた僕にピッタリな気がした。
そしてなによりTABIPPOという会社が掲げる「旅で世界を、もっと素敵に」
その言葉に、そのビジョンに、どうしようもなく惹かれてしまった。
気づいたら学生スタッフ募集の応募フォームを提出していた。

2018年5月
いよいよ、TABIPPO名古屋支部としての活動が始まった。
知ってる人は誰もいなかった。
全国にあるTABIPPO学生支部の中でも今年の名古屋支部は少し特殊で、
支部を率いる代表副代表含めてほぼ全員が一年目の新しく入ったスタッフ。
みんなで手探りの中、何が正解かも分からず、気がついたら前半戦が終わっていた。

2018年9月
全国のTABIPPO学生スタッフが東京に集まっての旅祭、全都市合宿。
自分の中でこのイベントが一年の中でのターニングポイントだった。

全国から集まった300人ほどの学生スタッフで行なった全都市合宿、
そんな合宿を中心になって動かしていた女の子二人。
SNS上で見て自分より年上だと思っていたその二人は二人とも自分よりも年下だった。

勝手にすごいなって尊敬してた大阪の統括の女の子もDREAMというコンテストのリーダーの男の子も年上かと思ったら、同い年だった。

高松支部と広島支部は同い年の子が立派に支部の代表を務めていた。

年齢なんて関係ないと思いながらも、やっぱりどこか意識してしまう。
ネガティヴな意味じゃなくて、負けたくない!俺ももっと頑張ろう!と思える。

同じ志を持って頑張ってる仲間が全国にいることを知って嬉しくなった。

そして、
2018年9月4日
全都市合宿終わり、
キックオフから9月までを総括する前半戦最後のミーティング。
いまだに、2018年で一番忘れられない日。

前半戦、なかなか結果が出なかった名古屋支部。
その責任を代表と副代表が一身に背負って泣いていた。
誰よりも名古屋支部のことをずっと考えて、頑張ってくれていた。
みんなが認めていたと思う。
だからこそ、そんな二人に責任を感じさせて、涙を流させてしまっていることが悔しくて仕方がなかった。

活動が終わった時にこの二人に涙を流させない。
あの日、自分の中の目標を再設定した。

2018年10月
TABIPPO学生支部後半戦がスタート。
だけど、この1ヶ月がこの1年間で一番辛い1ヶ月だった。

自分が所属している大学祭実行委員としての活動が本格的に始まるのもこの時期だった。
どっちの団体の活動も頑張りたい気持ちとは裏腹にどっちの活動も中途半端になっていった。

大学祭実行委員会は、自分の大学生活を変えてくれた、自分の大学生活の全てと言ってもいいぐらいの存在だった。
そんな大学祭実行委員としての活動も3年生の今年が最後だった。

3年間の最後を中途半端に終わらせるわけにはいかなくて、11月の頭に大学祭実行委員の活動が終わるまで、その活動に専念させてもらうことにした。

この時期、
TABIPPOでの活動は世界一周コンテストDREAMの運営で一番忙しい時期。

毎日のメール対応に面接シフトの管理、面接官の確保に、実際の審査。

自分が大学祭実行委員としての活動を楽しんでいる間に、睡眠時間やバイト、
遊びの予定を削って一生懸命頑張ってくれている人たちがいた。
罪悪感でいっぱいになって押し潰れそうになった。

「大学祭実行委員としての活動やりきってこいよ!」大変なはずなのに、
そう言って送り出してくれたみんなの為にも、
TABIPPO学生スタッフとしての活動に復帰する11月からは全力で駆けぬけようと思った。

2018年11月、12月
TABIPPO学生スタッフに復帰してからのイベントまでの2ヶ月は怒涛の勢いであっという間にすぎていった。

基本的に仲が良い名古屋支部だけれど、意見がぶつかり合うことやイメージのズレが起きてしまうことも少なくなかった。

その度に納得するまでなんどもなんども話し合いを繰り返した。

時には少し感情的になってしまうこともあったけれど、大事なことはみんなの全ての意見が「1月4日のBackpackFESTAをより良いものにしたい」という共通の想いから生まれているということ。

より良いイベントにするための話し合いや準備は大変なことも多かったけれど、
それ以上に充実していて、楽しかった。


そして、来たる
2019年1月4日

イベント当日は本当にたくさんのお客さんが来てくれた。
たくさんの友達が来てくれた。
久しぶりに会った友達も多かった。
ロビーは軽く同窓会状態。

そして半年以上かけて作ってきたイベント当日は
驚くぐらいあっという間に終わってしまった。
あんなに長い時間をかけて準備してきたのに、
あまりにあっという間に全部終わってしまった。
あまりにあっという間だったから、
終わったあとも寂しさよりも無事に終わった安心感の方が大きかった。
そして、やりきったんだ、という達成感が何より大きかった。

BackpackFESTAというイベントを通して、
その友達たちに、来てくれたお客さんに
何がどんな風に伝わっていたのかは分からない
ただ、あの日がきっかけで、
人生を変えるような大きなものじゃなくても、
いつもの日常から1歩踏み出すきっかけになっていたら嬉しい

BackpackFESTAが無事終了し、当日夜の打ち上げ
朝まで借りていた打ち上げ会場でみんなが寝しずまったあと、
今年の名古屋支部代表と二人で話しをした。

薄々気づいていたけれど、今年の名古屋支部代表と自分はとても似ている。
考え方とか行動とか、人間としてかなり近いタイプだ。

だからこそ、このひとについていきたいと思ったし、
この人が名古屋支部の代表だったからこの一年頑張ってこれたと思う。


そして
2019年3月4日
あの日からあっという間に2ヶ月がたって、
タイはバンコクでの打ち上げを最後にTABIPPO学生スタッフとしての1年の活動が終わった。

TABIPPO学生スタッフとしての活動は正直楽しいことばかりじゃなくて、辛くて大変なことの方がたくさんあった。
毎日鬼のように溜まるLINEやMessengerの通知。
イベントが近づくにつれて増える電話会議。

そして、なにより辛かったのは、
今まで仲の良かった友達たちに活動を理解してもらえないこと。

「TABIPPOってなに?宗教でもはいったん?」
「なにっぽ?やりっぽ?笑」
「なんか最近変わっちゃたね」

そんなセリフは聞き飽きてしまった。バカにされることにも慣れてしまった。
うまく言い返せない自分にも腹がたった。

でも、TABIPPOに入ったことを後悔したことなんてたった一回もなかった。
TABIPPOに入ってなかったら出会えなかった素敵な人たちにたくさん出会えたから。TABIPPOに入ってなかったら絶対にできないようなことをたくさん経験できたから。
同年代で、年下で、高校生で、同じように頑張っている人達、尊敬できる人たち、かっこいい大人、そんな人たちが日本全国にたくさんいることを知った。

「本気は人を動かす。」
TABIPPOスタッフとしての活動を通して、学んだことの1つ。
ほんとに本気でやってれば、伝わるものがある。
何か感じてもらえるものがきっとある。

1月4日のBackpackFESTAが終わってから、
イベントに来てくれた友達のうち何人かが
「海外に行ってみたくなった!」「私も何か頑張ってみようって思った!」って言ってくれたのが本当に嬉しかった。

辛くて大変なことも多かった1年だったけど、
1年を振り返ってまず思い出すのは楽しかった思い出ばかり。

毎回のミーティングの後、みんなお金が無いから決まってサイゼリアでご飯を食べたこと

初めての合宿で砂の造形を作ったこと、テーマを決めて劇をしたこと

花火大会にいったこと

コテージを借りてバーベキューをしたこと、川遊びではしゃいだこと、線香花火をしたこと、
一緒に写真立てを作ったこと

タイに行ってカオサン通りで乾杯したこと

ラオスに行って象使いの免許を取ったこと

鍋パをしたこと、タコパをしたこと

打ち上げで乾杯をしたこと

振り返ってみた思い出の中にはいつも名古屋支部のみんながいた。

全都市が集まる行事には中々顔を出さないし、出しても結局名古屋支部でかたまってばかり。
「名古屋支部は鎖国だ!」なんて言われることもしばしば。

どうやってイベント成功させたの!?ってレベルでみんなパソコン使えない。

きっと名古屋のこと良く思ってない人もいるだろうなあ、って正直思うけど、
やっぱり誰がなんと言おうと僕は名古屋支部のみんなが大好きです。

あったかくて優しい人ばかり。みんなを誇りに思います。

悔しかったり、嬉しかったり、楽しかったり、寂しかったり。
感情は理屈じゃないけれど、必ず理由があって。
抱く感情の理由は名古屋支部のみんなにありました。

みんなに出会えて本当に良かった。いつもありがとう。
これからもどうかよろしくね。


一年前、TABIPPOの存在を知らなかったら、今頃休学なんてしてないし、世界一周しようだなんて絶対に思ってなかった。

この一年、たくさんの出会いがあって、たくさん学んで、たくさん刺激を受けて
一年前はできなかった決断ができるようになった。

21年間、夢なんて一度も持ったことがなかったけど、
まずは世界一周する、という夢ができた。

世界一周ではどこに行こうか、誰とどんな景色を見ようか。
考え出したらワクワクが止まらなくって眠れなくなる。

世界一周から帰ってきたら今度は何をしようか。
このワクワクをたくさんの人に伝える活動がしたいな。

そして、将来は憧れのあの人みたいな大人になる。

改めて、「TABIPPO」に出会えてよかった。
1年間たくさんありがとうございました。
いつの日か、また一緒に心躍るような楽しいことをやりましょう。

TABIPPO2019 名古屋支部 運営統括 山下 陽

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?