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旅を広める学生団体の代表を経験して学んだ7つのこと

こんにちは、山下 陽と申します。
現在は愛知の大学の4年生をしています。

僕は、去年1年間(2019年5月から2020年3月まで)株式会社TABIPPOというちょっと変わった旅行系ベンチャー企業でインターンシップをしていました。

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インターンといっても、いわゆる企業のオフィスに出向いて社員さんの業務をお手伝いするというような形ではなく、全国9都市に点在する学生支部の代表(僕の場合は名古屋)を務めていました。

どのようなことをしていたかと言うと、「若者が旅する文化を創る」という目的のために全国で1万人を動員するイベントを学生だけで0から作ったり、世界一周航空券をかけたプレゼンコンテストを運営していました。

実は僕は去年だけでなく、一昨年も学生支部のスタッフとして活動をしていて、一昨年も一スタッフという視点からたくさんのことを学んだのですが、代表を務めた昨年はただのスタッフをやっていた時とは全く違った経験や学びがたくさんあったので、自分の中でちゃんと整理して忘れないためにも、今回は代表を務めるという経験をしたからこそ生まれた学びを紹介していきたいと思います。

何かの学生団体に所属している人、これから代表を務める予定の人はぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。


1.自分の理想を妥協しない

後期キックオフ

まず、大前提として代表やリーダーとして組織を率いる以上、自分の理想を作る、掲げる必要があります。企業で言うと企業理念などに当てはまるものです。

「僕らのチームはこんな結果を目指す。こんな組織を目指す。」

このような理想をまずは、しっかり掲げること。
理想の内容に良いも悪いも無いと思うので、内容はなんでもいいと思います。

ただ、ここで大事なのはどんなことがあっても絶対に自分で掲げた理想から妥協しないということです。

活動をしていく中で、うまくいかないことや思うような結果が出ない時、また想定外の出来事が起こることが多々あります。

そんな時、どうしても目先の結果を求めてしまったり、十分頑張ったしこれくらいでいいや。という気持ちになってしまいがちです。

ですが、自分の理想をしっかりと持っておくことで自分の中の一つの判断の軸ができます。

迷った時こそ自分が最初に掲げた理想を思い返して、今の行動や組織はその理想に迎えているのか?と問いかけその後の行動を判断していくことが大切です。

妥協することはいつだって簡単にできます。
けど、一度それをしてしまったら、もう最初に掲げた理想の状態には到達できない可能性が高いです。

それに、一番先頭に立つリーダーがブレていたら、それについていくメンバーはきっと不安になるはずです。
苦しい時こそ理想を思い出してブレずに妥協せず進みましょう。

2.常に長期的な視点を持つ

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結果が出た時、イベントが成功した時、メンバーが辞めてしまった時、大きな失敗をしてしまった時。

そんな時、どうしても目の前のことに一喜一憂してしまいそうになります。

もちろん嬉しいことがあったときに仲間たちと一緒に喜びを分かち合うことはとても大切なことです。辛いことがあったら気持ちが沈む夜もあるでしょう。

けれど、リーダーであるならば長期的な視点を常にもつことが大事です。

ただ「良かった」「悲しかった。」ではなく、今の成功や失敗は遠くにある最終目標や理想から逆算すると、どんな意味を持つのか、どのように生かしていけるのか。

成功したように見えても、なにか改善の余地は絶対にあったはずだし、
失敗したように見えても、なにか次に繋がる学びがあったはずです。

目の前の結果に一喜一憂して終わるのではなく、常に先を見据えて行動や思考することが大切です。

3.徹底的に結果と向き合い、  最後の責任から絶対に逃げない

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「過程」と「結果」どちらがより大事だと思いますか?

一スタッフとして活動していた2年前は
「結果より過程が大事でしょ!結果がでなくても、そこに向けてみんなで頑張ったという過程があることが大事!」と思っていました。

もちろん、結果に向かって努力するという過程は大事な要素の1つです。

けれど、極論「結果さえ出れば、過程なんてなんでもいい。」と思います。

リーダーや代表に求められるのは絶対的に結果であり、
リーダーや代表の唯一の仕事が結果(成果)をだすことだからです。

組織のメンバーの仲が良かろうが悪かろうが、ミーティングへの出席率が高かろうが低かろうが、最終的なリーダーや代表の評価は結果で判断されるし、結局のところ結果が全てだと思います。

そして、結果がでなかった時、その責任の全てを背負うのは代表である僕(あなた)です。

結果がでなかった原因がスタッフのミスであれ、不測の自体であれ、最後の責任は全てリーダーにあります。逆に言うと、なにがあってもスタッフや他人のせいにしてはいけません。

イベントが失敗すれば、そこに向けて頑張ってきた自分を含む組織のメンバーの努力もかけた費用や時間も無駄になってしまいます。
もちろん、一スタッフの時とは比べものにならないほどの重圧やプレッシャー、責任がまとわりつき、押しつぶされそうになります。

だからこそ、最後の最後まで結果を追い求めることに徹底的に向き合い、そしてどのような結果であれ、最後の責任から絶対に逃げないことが大事です。

自分の中で、一スタッフと代表どちらも経験して一番意識が変わったのはこの部分です。

4.柔軟さと頑固さのバランスが大事

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柔軟さは素直さとも言えるかもしれません。

相手が、
全く違う現場で活躍する人でも、自分より経験のある人でも、
反対に自分より経験のない人でも、最近入ったばかりの新しいメンバーでも、年上でも、年下でも、

自分が良い!と思った意見は柔軟に取り入れる、素直に吸収する姿勢が大事です。
もっと言うと、自分より経験のない人でも、最近入ったばかりの新しい年下のメンバーでも、良い意見をしっかり良いと思える素直さが大事です。

リーダーや代表になると、どうしても自分が偉くなった気がして、自分より下の立場(上とか下とかいう表現はあまり好きではありませんが)にいる人間の意見に素直に耳を傾けられなくなりがちです。

けど、③でも書いたようにリーダーに求められるものは最高の結果(成果)をだすことだけです。手段はなんでも良くて、むしろどんな手段を使ってでも結果を出すことに執着すべき。

リーダーに必要なのは偉ぶることでも、プライドやメンツを気にすることでもなく、相手がどんな立場の人間であったとしても、成果に繋がりそうだなと思ったら、素直に受け入れて吸収していくことが大事です。

一方で頑固さとは①に書いたように自分の中で絶対にブレない芯を持つことです。

リーダーが絶対にやってはいけないことは重要な意思決定であればあるほど、メンバーの多数決だけで意見をきめたり、メンバーやスタッフが喜びそうな意思決定をすることです。

これも③で書いたように最後の責任を追うのは全て代表である自分であり、組織の活動はメンバーのために行われているものではありません。

もちろん、メンバーの意見は参考にしますが、最終的に決めるのは自分です。

その意思決定は時には多数派の意見やメンバーの多くが望んでいるであろう判断とは異なっているかもしれません。

それでも、自分の信念や直感、理想を頑固に曲げないことも大切な要素です。

柔軟さと頑固さ。正反対のように思えるこの2つの要素ですが、大事なのはその2つの要素のバランスです。
どちらか1つではなく、どちらも持ち続けることが大切です。

どんな意見も積極的に取り入れる柔軟さと、どんな意見があっても自分の芯を絶対にぶらさない頑固さ、このバランスが重要です。

5.リーダーは孤独である

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いくらメンバーと仲良くなろうが、距離が近くなろうが、どこまでいってもリーダーや代表は孤独です。

自分からメンバーと距離置いていたことなどなく、むしろできるだけ親しみやすい、メンバーとの距離の近い代表であろうとしつづけましたが、

メンバーを含む、周りの人からは良くも悪くも「代表の〇〇さん」という色眼鏡で見られます。

何気ない発言も周りのメンバーからしたら「代表の発言」になるわけです。

さらに、③でも書いたように組織の成果に対する最終的な責任は全て代表にあります。これはどれだけ、メンバーとの相互理解が深まろうが、仲良くなろうが、変わることはありません。組織の中に代表やリーダーという立場は自分しかいないからです。本質的に自分の背負う重圧や責任の重さを理解してもらうということは絶対に不可能だと思います。

一スタッフとして活動していた2年前、できるだけ代表と同じ視座を持って寄り添おうとしていたのですが、いざ自分が代表になってみると、見える景色も負う責任もまったく違っていることに気づきました。

これはメンバーや自分が悪いということではなく、しょうがないことです。

大事なのは孤独であることを受け入れることです。
リーダーや代表は孤独である、そういうものだ。と割り切ることが大切です

ただ、僕の場合は全国に点在する他の学生支部の代表たちがいました。

彼らは支部や地域は違えど、同じ代表という立場で、同じものを目指して、同じ活動をしている仲間だったので、唯一心を許せるというか、同じ苦悩を共有できる仲間でした。
彼らの存在は常に自分のモチベーションになっていたし、悩みを相談しあったり、喜びを共有したり。
だからこそ、数ヶ月に一度ある全国の支部が一同に会する合宿では他の支部の代表たちに会えるのが本当に嬉しくて、会う前は毎回ニヤニヤしていたと思います。

彼らに出会えたことは、僕の人生の大きな財産です。

本音を言うと、責任や成果を追い求める重圧から逃れて 、メンバーとももっと仲良くなりたかったなあと思います。すぐにいっぱいいっぱいにならずに僕にもっと実力があれば、もっともっと深い関係になれたんだろうな。

もし、もう一度初めから出会うことができるなら代表とメンバーという関係ではなく、もっとフラットな関係で出会いたいなと思います。

6.エンゲージメントの高い組織が一番強い

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組織におけるエンゲージメントという言葉の意味はなかなか広く、そして曖昧で、はっきりと定義することが難しいですが、

ここでは
「組織に対する愛着心や思い入れ、帰属意識の高さ。また、組織に対する貢献意欲の高さ」をエンゲージメントの定義とします。

要は、組織の中の人間がどれくらい組織に所属している意識とその意義を感じているのか。どれくらい組織に対して自発的に貢献しようという意識があるのか。どれくらい組織自体や組織に所属する他のメンバーに対する思い入れや好意があるのか。ということです。

そして、そのエンゲージメントが高ければ高いほど、良い組織である。と僕は思います。

学生団体の難しいところは企業とは違い、メンバーが全員学生であるため、団体の活動以外にも大学に通ったりアルバイトをしたり、テスト期間があったりと学生団体以外にもたくさんの活動があるというところです。

そのため、なかなか毎週のミーティングにも人が揃わなかったり、そのせいで活動への理解や共有事項の浸透、さらにはやる気や実力などに差がでてきてしまいます。

ですが、組織に所属している意識が高く、その意義を感じていれば。
また、組織自体や組織に所属する他のメンバーに対する思い入れや愛着があれば自ずとミーティングへの出席率も上がり、組織は良い方向に進むはずです。

僕はできるだけミーティングを楽しく、ミーティングに来ること自体が楽しみになるような仕掛けをすることにこだわっていました。

活動の終盤では県外に住むリモートのスタッフもいるのに関わらず、毎回ほぼ100パーセントの出席率を維持できたのはすごくよかったです。

エンゲージメントの高さはミーティングの出席率だけでなく、より大きなことを成し遂げようとする時こそ、真に力を発揮します。

去年の僕の支部では、誰か組織のメンバーが苦しんでいる時、自然と助け合う文化が生まれていて、メンバーのそんな姿を見るたびになんて素敵なんだろうと感心していました。
(ただ、性格が良すぎるメンバーが多かっただけかもしれませんが。笑)

活動後半の苦しい時期から最後のイベントが終わるまでメンバーが誰一人欠けなかったこと。1年の活動の集大成である大きなイベントには関わり方の大きさの差はあれど、所属するメンバー全員が関わっていたこと。そしてその大きなイベントが終わったあとに舞台上で撮った最後の集合写真も誰一人欠けずに全員写っていたこと。

当たり前のようで、実はすごく難しいことだと思うので、自分の理想の組織が実現できた気がしてすごくうれしかったです。

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この写真は僕の宝です。

7.必要なのは自信や実力ではなく、覚悟

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さて、ここまで「こんなことが重要です。」とか偉そうに書いてきましたが、あくまで代表という立場を1年経験して学んだことです。

僕が代表に就任した時からわかっていたことではないし、自分が上に書いたようなことをしっかり実践できていたのか、と聞かれるとわかりません。

ただ、最後にひとつ伝えいのは、

「代表やリーダーに本当に必要なのは自信や実力ではなく、覚悟である。」

ということです。

代表やリーダーになった経緯は人それぞれだと思います。

自分でその立場を追い求めてなった人、人から推薦されて、または人に任命されてなった人、迷っていたけど背中を押してもらってなった人。

背景も違うし、最初から実力があってリーダーになる人もいれば、そうでない人もいる。成功させる自信に満ち溢れている人もいれば、リーダーになったはいいものの正直成功させる自信なんて無いという人。

リーダーの数だけリーダーの種類があると思うので、本当にいろんな人がいると思います。

僕も代表に就任した当初は前任の代表を超えられるのかというプレッシャーもあり不安だらけだったし、実力なんて全くありませんでした。

けれど、
代表やリーダーに本当に必要なのは自信や実力ではなく、覚悟です。

自信や実力なんて最初はなくてもいいです。
ましてや初めてリーダーを経験する人なら分からないことだらけで当然だし、自信なんてなくて当然だと思います。

自信や実力はなくてもいいかもしれない。
けれど、「自分がこの組織を率いて絶対に成功させるんだ!」という強い覚悟は持っておくべきです。

どんなことがあっても前を向く覚悟。
どんなことがあっても最後まで走りきる覚悟。
どんな結果になろうともその全ての責任を背負う覚悟。
代表やリーダーを任せてくれた誰かや、自分に期待してくれている人たちの期待に応えるという覚悟。
そして、何より、自分についてきてくれるメンバーたちの大切な時間と費用と労力と想いを全て背負うという覚悟。

この覚悟こそが代表になる人が一番持っておくべきものだと思います。
逆にいえば、この覚悟以外はなくてもきっと大丈夫です。

最後に

ここまで、本当に偉そうに書いてきましたが代表を務めていた時に自分が全てしっかり実践できていたわけではありません。

至らない部分もたくさんあったし、もっとできたなとか、もっとこうすればよかったなんて思うところは山ほどあります。

メンバーに対しても同じで自分にもっと実力があれば、もっとこうしてあげられたな、なんて思うことは本当にたくさんあります。

けれど、後悔は全くありません。

その時その時で当時の自分ができることを必死に考えて、
自分なりの後悔しない選択をしてきました。

集大成の位置付けの最後のイベントでも、最高の景色を見ることができました。

だから、後悔は全くありません。
ここまで清々しく活動を、代表の任期を終えることができたことを嬉しく思います。

支えてくれた人、応援してくれた人、期待していてくれた人、
イベント当日見にきてくれた人、2年前の名古屋支部の仲間たち、
同じ立場で高め合った代表陣、TABIPPOという会社とその社員さん、
そしてついてきてくれたメンバー。

関わってくれた全ての人に感謝です。

この1年で経験したこと、学んだこと、出会った人は僕の一生の財産です。

一年間ありがとうございました。

このnoteがこれを読んでくれているあなたに少しでも参考になれば幸いです。

TABIPPO2020 名古屋支部 代表 山下 陽


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