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PolkadotのParachain、CLVについて知ろう

こんにちは、you425です。

今回はParachain紹介シリーズ第十六回、CLV(旧Clover)について書きたいと思います。

Polkadotって何?という方はこちらをどうぞ。

※個人の解釈や感想が強めに出ますのでお気をつけください。DYOR!


1.CLVとはどんなプロジェクトか?

Polkadotでの名称:CLV($CLV)
Kusamaでの名称:Sakura($SKU)

KusamaはPolkadotのカナリアチェーンとして作られているため、Polkadotに実装前の機能を先行して実装していきます。
その為、各Parachainもそれに対応したり自分たちも実験的な機能を実装するためにKusama用にParachainを用意することが多いです。

これからPolakdotのPLOに参加するという方は、Kusama用のチェーンがどのようになっているかをチェックするといいでしょう。

※但し、今回のCLVの場合Kusama側のSakuraとほぼ同時にParachainになったため、あまり参考にならない可能性があります。

CLVは、PolkadotにEVM環境を持ってくるParachainです。WASMもやるようなことは書かれていますが、詳しい情報はまだありません。
また、その他に独自でブリッジを開発し、それに伴いエクスプローラーも専用の物を持っています。
更に、クロスチェーンウォレットもリリースしているため、インフラ周りを自身でかなり用意している印象です。
ガス代周りでも工夫しているのが面白いプロジェクトです。

大きめのVCや取引所から新規調達を行っており、11Mドルほど集めています。
W3FからGrantを受け取っていたのですが、盗用疑惑が出たためにこちらは取り消しとなっています。

パートナー数もそれなりにあり、Polkadot周り以外にも複数のプロトコルとのパートナーシップを結んでいます。

2.SPV chain simulation Technology

https://clv.org/whitepaper.pdf

CLVの大きな特徴として、SPV chain simulation Technology(以下SPV)があります。因みになんの略かは不明です。

自身でブリッジを用意するチェーンはL2を除くと意外と少なく、HarmonyやNear、後付けで旧BSCやAvalancheくらいでしょうか。最初から相互運用を目的としているチェーンであれば、最初からブリッジに必要な機能を持たせることでトラストレスに動かすことが出来るのですが、後付けだとトラストやセキュリティに問題が出やすいので、CLVの様に最初から想定していると拡張性は低いもののベターな選択だと思います。

CLVの場合は、ブリッジ時にブリッジ先の該当トランザクションとブロックヘッダーのみをブリッジのスマートコントラクト内に保存し、チェーン全体を検証することなく必要な部分のみを直接検証することを可能としています。

この検証には誰でも参加可能で、CLVをロックして検証に対する報酬を得ることが出来ます。

クロスチェーンの技術をネイティブで提供しているため、専用のエクスプローラーも用意されています。


3.独自のガス代設計

CLVでは、Substrateの柔軟な設計を活かしてガス代周りを特殊な設計にしています。

A.ガス料金の再分配

コレーター(バリデーター)とスマートコントラクト開発者との間でガス代を分配します。これにより、開発者に対してのインセンティブが発生します。

B.ガス代の柔軟さ

ガス代は、例えばEthereumにおけるETHの様に基軸通貨に依存する必要がありません。取引に使ったトークンから自動でガス代分が差し引かれるようになるため、わざわざガス代用にCLVを用意しなくてもいいため、UXが向上します。

C.アクティビティに応じたガス代の減少

CLVでは、ユーザーのオンチェーンアクティビティに応じて自動でガス代に割引がかかるようになっています。
※計算式が公表されていないので、どの程度になる物かは不明


4.CLV Wallet

CLVは独自のウォレットを提供しています。
このウォレットの特徴として、機能に上記のSPVを利用したブリッジが入っている(現状はParachain↔Ethereum/BNBのみ)ことです。

Polkadot等のSubstrate系、Ethereum等のEVM系、Solanaと対応チェーンは拡張機能としては多いでしょう。

拡張機能以外にも、スマホアプリやWEBウォレットもリリースされているため、様々な環境に対応しています。

クロスチェーンウォレットにありがちの難点としては、シードフレーズが独自の物となっているため既存の他ウォレットからインポートすることが出来ない点です。
秘密鍵からのインポートも不可なので、他ウォレットユーザーからすると移行はし辛くなっています。

ただ、ソーシャルログインを導入することでシードフレーズや秘密鍵の管理が不要になるため、この点はユーザーフレンドリーと言えます。


5.クラウドローンの情報

残念ながら、CLVは既にPLOで勝利済み(第1バッチの第5オークション)なので備忘録的に記載します。

https://docs.clv.org/use-clv-chain/economics/tokenomics

総供給:10億CLV
クラウドローンアロケーション:20%(ボーナスとの内訳は不明)
基本報酬:貢献量に応じで山分け
貢献上限:50,000,000DOT
ボーナス:
・NFTのランダム配布 詳細は未発表
リファーラルBOT 招待人数で順位ごとにエアドロ
配布:
・28%即時、23カ月で72%を月々に分割ロック解除
・Binance/Huobi経由の場合30%即時、23カ月で70%を月々に分割ロック解除
備考:DOTと同量のcDOTを獲得して運用可能(公式から参加のみ)

クラウドローンとは別件ですが、Coinlistのセールでアロケーションのうち15%(約39Mドル)を販売しています。
クラウドローン参加者や、投資を検討する場合はこの件に関して留意した方がいいでしょう。
※尚、トークンの配布は遅延しています


6.まとめ

ということで、今回はCLVについての紹介でした。
何故か、昔のMediumの記事が全消去されていたので情報収集がし辛かったです…どうしてそんなひどいことを!

詳しい情報が無かったので省きましたが、実はCLVはデュアルチェイン構造になっていまして、WASMとEVMとで別々にチェーンを持っています。
WASMのスマートコントラクト機能を開放するかはわかりませんが、現状ではAvalancheのP-ChainとC-Chainみたいになってます。

WASMも対応するかでまた評価が変わってきますが…チェーンとして別れるなら特にCLVでやる理由もないので、インフラ含めてどのような戦略で来るかが焦点となりそうです。

また、CLVとSakuraがほぼ同時にPLOで勝利したため、開発はかなり大変になってると思います。ここら辺、どうするんでしょうね…。
基本的に、Kusama側で先に開発してからPolkadot側に落とし込まないとParachainを2つもつ意味がほぼないです。

Coinlistのセールでのトークン配布は遅らせられましたし…僕はOP1で購入したのですが、トークン既に発行されているのに配られるのが遅くなるのは何だか納得できませんね(私怨)。

とこんなかんじで、ポイントポイントで気になる部分があるので今後どのように進めていくのか、僕は生暖かい目で見ていこうと思います。

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。
次回はCrustについて紹介したいと思います。

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