ブロックチェーン世代間戦争!勝つのは誰だ!? ~第二世代編①Ethereum~
こんにちは、you425です。
今回はBitcoinとともに2大暗号資産の一つであるEthereumについて触れていきたいと思います。
特にこれから大きなアップデートが控えていますので、ご存じでない方は今のうちに頭に入れていきましょう。
いつもの前提記事
※個人の解釈や感想が強めに出ますのでお気をつけください。
1.第二世代 代表①Ethereum($ETH)
Bitcoinに続き、革新的なものとして現れたのがこのEthereumです。
それまでの暗号資産には、価値としての役割しかありませんでした。
基本的に送金や決済などにしか使えなかったのですね。
それゆえに、最初は日本では「仮想通貨」と呼ばれていました。
ところが、Ethereumの出現により取り巻く環境が大きく変わります。
それは、ブロックチェーンの技術を使ったアプリケーションを実行するプラットフォームが誕生したからです。
それがEthereumです。
Ethereumネットワークのネイティブトークンである$ETHは、それまでの暗号資産と違い送金や決済だけでなく、プラットフォーム内での手数料等にも使われるようになりました。
利用ケースが多目的になったことにより、$BTCのデジタルゴールドに対し$ETHはデジタルオイルと呼ばれることもあります。
こうして通貨以外での価値を持ったことと、世界的にはCrypto Assetと呼ばれていたことから日本でも正式には「暗号資産」と呼ばれるようになっています。
2.EVM(Ethereum Virtual Machine)
プラットフォーム型のブロックチェーンとして動作するために必要なのが、スマートコントラクトを実行するための仮想マシン(Virtual Machine)です。
これをEthereum用に用意したのが、EVMです。
EVMを使うことで、スマートコントラクトを実行することができます。
主にSolidityというEthereum用に開発された言語を使って記述されます。
Ethereumが登場するまでは、ブロックチェーンのアプリケーションを作ろうとすると
1.ブロックチェーンのプログラムを作る
2.ノードを用意する
3.アプリケーションを作って公開する
という手順が必要で非常に大変でした。
アプリケーションを作成するためのコストが多かったのですね。
ところがEVMの登場により、この手順の3だけでよくなりました。
1と2をEthereum側が準備してくれてるため、ブロックチェーンのアプリケーションを用意するだけで済みます。
分かりやすく例えると、EVMはOSのようなものです。
Windowsとか、iOSとか、Androidとかですね。
プレステとか、Swichとかで考えてもいいです。
要は、アプリケーションを動かすためのプラットフォームを準備してくれるお陰で開発が楽になったということが大事なところです。
これにより、ブロックチェーンのアプリケーション(Decentralized Applications=Dappsと呼ばれる)が爆発的に増えてDeFi(Decentralized Finance)が発展していきます。
3.スケーラビリティ問題
そんなEthereumですが、利用者が増えすぎてスケーラビリティ(拡張性)に問題が起きています。
例にすると電車(ブロック)に乗る人(トランザクション)が多すぎて溢れてしまい、行列になっている状態です。
そして、乗車賃(ガス代)を積めば優先して乗れるためにコストが上がってしまっているという二重苦になっています。
更にEthereumでは、1ブロック当たりのトランザクション量はgas limitの合計となっています。
現在では1500万まで上がっていますが、3年前は670万でした。
トランザクションを通すためにガス代とリミットを上げるほど、どんどんトランザクションが通る量が減ってしまいます。
とはいえ、この問題を放っておくということはなくアップデートすることで対応していきます。
4.Ethereum1.xからEthereum2.0へ
冒頭でも書きましたが、この先Ethereumは重要なアップデートを控えています。
①Frontier(フロンティア)済
②Homestead(ホームステッド)済
③Metropolis(メトロポリス)済
④Serenity(セレ二ティ)
現在④のSerenityを進めており、これが2.0への移行です。
また、Serenityにも段階があります。
・Phase 0(2020年12月)
Beacon Chain(後述)の実装とテスト。
ETH2.0に参加するためにETH1.xから転送することができるが戻せない。
・Phase 1(2021年~)
64個のシャード(後述)を実装とテスト。
・Phase 1.5(2021年~)
ETH1.xをETH2.0に統合。ETH1.xをシャードの1つとして稼働。
・Phase 2(2022年~)
より多くのシャードを追加。
気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、アップデートと言ってもEthereum2.0は現行のEthereum1.xとは別のブロックチェーンで、2.0のシャードチェーンの1つとして稼働させます。
これに関しては後述します。
この先では、現在の状態からどう変わっていくかを書いていきます。
5.EVMからeWASMへ
2.でEVMの話をしましたが、2.0では新たにeWASMという仮想マシンが出ます。
EVMでは主にSolidityを使ってプログラムを記述していますが、eWASMではより多くのプログラミング言語を使えるうえに、動作が軽量なため高速でスマートコントラクトを走らせることが出来ます。
対応プログラミング言語が増えることは特に重要で、C・C++・JAVA・Rust等、多くの開発者がスマートコントラクトを書くことができるようになります。
現在はEVM系が主流ですが、先々ではWASM系が主流になるとされています。
6.PoWからPoSへ
現在EthereumはコンセンサスアルゴリズムにPoWを使っていますが、2.0ではPoS(Proof of Stake)に変わります。
PoSはPoWに比べて環境負荷(電気や機材的なコスト)が低い上に、処理が早くなるという利点があります。
そのため、スケーラビリティ問題の解決策への一つとなります。
PoWではマイニングマシンたちに計算をさせ、一番早かったマイナーがブロックを生成し、トランザクションが通るシステムでした。
PoSでは計算をさせるのではなく、ネイティブトークンをステーキングさせます。
このステーキングした量に応じてブロック生成の機会が割り振られていきます。
PoSには様々な種類がありますが、Ethereum2.0では1つのノードにつき固定で32ETHをステーキングすることでバリデーター(PoWでいうマイナー)としてネットワークに参加できます。
一つのノード毎のETHの量が固定なので、機会としては均等に振られますがより多くのノードを用意した人が最もブロック生成の機会が多くなります。
すごく資本主義的で富の集中を懸念されることが多いPoSですが、PoWも高性能のマイニングマシンを大量に用意した人がマイニングの機会を多く得られるので、その部分に関してはあまり変わらないように思えます。
それだったら処理速度が速いうえに無駄にエネルギーや機材を使わないPoSの方がいいよね、と個人的には思っています。
7.シャーディングの実装
Ethereum2.0ではシャーディングというチェーン構造を用いることで処理できるトランザクション量を大幅に増やすことができます。
シャードは破片という意味です。
ブロックチェーンを細かく分けて、それぞれでトランザクションを処理させてまとめることでトランザクション量を増やせるとされています。
現在理論上では、64個のシャードをフル稼働させることで秒間10万トランザクション処理できるといわれていて、現行の1.xが15TPSですからとんでもない速度になります。
What you can do for Ethereum2.0 a.k.a. shading より引用
・ステーキングはメインチェーンへ
・ビーコンチェーンが各シャードチェーンの取り纏めとバリデーターを振り分け
・シャードチェーンでトランザクションを処理
というような割り振りになっています。
シャードチェーンはメインチェーンの子チェーンとなっていて、全て個別のブロックチェーンとして動いていますが仕様は同じです。
問題点として、図のB1とB2等ではそれぞれ別のチェーンとして存在しているため、Dappsはそれぞれに存在することになります。
それでは資産移動などが面倒なので、ビーコンチェーンが取りまとめることでクロスシャードトランザクションすることが出来るようになっています。
また、上でも述べた通りすべてのシャードは同じ仕様になっていますが、今後の開発次第ではシャードごとに仕様を変えることで、用途に特化させるという案もあるようです。
今のEthereumではDeFiやNFT、ゲーム等同じところで処理されているためそれぞれに合わせた仕様にすることが出来ませんが、シャードに分けて仕様を変えることで最適化することが出来ます。
8.超重要ロンドンハードフォーク
Ethereumでは2.0以降とは別に、随時アップデートがあります。
そのうちの一つで、ものすごく重要なのが現在2021年8月4日に予定されているロンドンハードフォークです。
ここで重要なのは料金体系に大きな変更が加わります。
今まで通り、より高いガス代を積んだ方が早くトランザクションが通るのは変わりませんが、ベースフィーというブロック単位で調整される基本料金が設定されます。
そして、ガス代を上げるとそれにプラスでチップという形で支払われます。
ベースフィーとチップの2つに別れたことが重要で、このうちのベースフィーはバーンされ、チップはマイナーに渡されます。
今まではガス代は全てマイナーに報酬として渡されていました。
さらに、マイナーへのブロック生成報酬の$ETHも減ります。
これにより、$ETHの流通量が減ります。
現在はインフレ通貨ですが、バーンの量によってはデフレ通貨に代わります。
Ethereumが利用されればされるほど$ETHの価格が上がる仕組みとなる可能性がありますね。
9.おまけ Ethereum Classic($ETC)について
実は元祖EthereumはEthereum Classicです。
2016年6月17日に起きたThe DAO事件という大事件をきっかけに、2つに別れることとなりました。
これについてはまた長くなるので、以下の記事をお読みいただけると良いかと思います。
この事件の対応として、ハードフォークしてチェーンに手を加えたのが現在のEthereum、それに反対して残り続けたのがEthereum Classicです。
Ethereumはプラットフォーム型のブロックチェーンですから、Dappsがないと価値が出ません。
残念ながらEthereum ClassicにはDappsが見当たらない上に、マイナーの減少により2020年に51%攻撃を2回も受けるなど、投資先としては不適格と言わざるを得ません。
ボラティリティはあるので相場を見極める自信がある方はトレードしても良いと思いますが、投資に関してはお勧めできません。
10.まとめ
というわけで、今回は皆さんご存知のEthereumに関して書きました。
Bitcoinと並ぶ暗号資産界の重鎮である理由がお判りいただけたら幸いです。
基本的に、この業界は第一人者が大きなアドバンテージを持ちます。
通常の企業と違い個人投資家が簡単に出資しやすいという環境のため、革新的なプロジェクトに資金が集まりやすいんですね。
時価総額が高いプロジェクトは、そのカテゴリーに置いての先駆者であることが多いと思います。
ここら辺に関しては、また別の記事にまとめようかと思っていますので気を長くしてお待ちください。
話を戻しますが、Ethereumはまだまだ将来性があり、Bitcoinと並ぶ、ともすれば抜くのではないかと言われています。
資金に余裕のある方は32ETH持っておいて、バリデーターとして参加できるようにしておけば楽しいことになりそうですね!
それでは長文にお付き合いいただきありがとうございました。
またお会いしましょう!
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