PolkadotのParachain、Composable Financeについて知ろう
こんにちは、you425です。
今回はParachain紹介シリーズ第十二回、Composable Financeについて書きたいと思います。
Polkadotって何?という方はこちらをどうぞ。
※個人の解釈や感想が強めに出ますのでお気をつけください。
1.Composable Financeとはどんなプロジェクトか?
まず基本情報です。
Polkadotでの名称:Composable Finance($LAYR)
Kusamaでの名称:Picaso($PICA)
Composable Finance(以下Composable)は、クロスチェーンインフラストラクチャ&パレットプラットフォームです。
Polkadotだけではなく、様々なL1やL2に相互運用性をもたらすことを目標としています。
中堅~大手まで、幅広く出資を受けています。
W3FからのGrantは受けていません。
チームにはVCのメンバーや、Parityの元コアチーム、Cosmos、Ethereum、NEO、Substrateなど、幅広い経験がある開発者や、Fintech・e-commerceの業界で働いてきた人材などがいます。
特徴としては、Composable Labsという開発・インキュベーション部門を設立していることです。
パレットを開発しPicasoやComposableで実装(後述)しようとするプロジェクトの開発支援や助成金プログラムを実施しています。
2.Composable Cross-Chain Virtual Machine(XCVM)
Composableの中核をなすのがConposable XCVMです。
クロスチェーンで相互運用性をもたらすための仕組み、という解釈で良いかと思います。
様々なチェーンを繋いでUXの向上を図ります。
上の図はComposacle XCVMを用いた例で、PicasoのレンディングDAppのAngularで借りてSushiSwapの流動性プールに投資しています。
このようにクロスチェーンやクロスレイヤーでの取引が可能になります。
これを実現するためのコンポーネントがいくつかあります。
Ⅰ.IAL(Innovation Availability Layer)
日本語にすると…技術革新可能層…?
雰囲気だけ伝わればいいかと思いますが、日本語にするのは困難です。
考えるな、感じろ…!
異なるL1やL2同士でクロスチェーンで通信やアクションを行うためのインターフェイスです。
チェーン間でコミュニケーションをとるための通信網として機能します。
Ⅱ.The Routing Layer
クロスチェーンで資産を動かす場合に、ルートをアグリゲートして最適なものを選択する機能です。
Ⅲ.Mosaic(流動性インフラストラクチャレイヤー)
端的にいうとクロスチェーンブリッジです。
既にプロダクトは動いていて、現在はArbitrum・Avalanche C-Chain・Polygon・Fantom・Moonriverでブリッジ機能を使うことが可能です。
通常のトークンだけでなくNFTのブリッジも実装されています。
Mosaic SDKをマルチチェーンDEXなどに組み込むことで、Mosaicの機能を利用してクロスチェーンで動かすことが可能になります。
将来的にはクロスチェーンでのトランザクションも可能になる予定です。
Ⅳ.Piccaso Parachain & Composable Parachain
クロスチェーンでコミュニケーションを行う際、PolkadotやKusamaでの仲介を行います。
3.パレットプラットフォーム
現在、DAppsを作るとしたらスマートコントラクトプラットフォーム(EVM等)にデプロイして動かすのが基本です。
これに対し、Composableではパレット(Substrateのモジュール)としてDAppsをデプロイすることが出来ます。
これはブロックチェーンの一部として組み込まれることになります。
分かりやすく例えると
・スマートコントラクトプラットフォーム(EVM等)にデプロイ=Windows(OS)にアプリをインストール
・パレットとしてデプロイ=Windows(OS)自体の機能として追加
こんなイメージになります。
これにより、パフォーマンスの向上やより柔軟なアプリケーションの開発が可能になります。
またパレットとして開発してComposableで実際に動かした後、自前でSubstrateにパレットを組み込んでParachainとして独立する、なんていうことも出来ます。
ParachainになるにはPLOで勝ち抜く必要がありますし、Parathreadになるにしてもランニングコストがかかります。
この場合スタートアップでまだ力がないプロジェクトにとってはかなりのハードルになりますが、先にComposableでパレットを展開して動かすことでテスト運転やコミュニティの力を集めることが出来るのは大きな利点です。
ブロックチェーンの一部として機能する以上パーミッションレスとは行きませんが、Polkadotが発展していく上でかなり重要なポイントになる可能性があります。
ComposableとPicasoのすみわけとして、先にPicasoにパレットをデプロイして投票で許可が出ればComposableにもデプロイ出来る、というような仕組みが導入されます。
4.自己開発パレット(プロダクト)
Composableでは自前でもパレットを作ってDAppsを展開しています。
Ⅰ.Apollo(オラクル)
最初にリリースされたパレットです。
オラクルはDeFiにおいて重要なインフラであるため最優先で開発されました。
Ⅱ.Cubic(ボールト)
よくある自動複利のボールトとは全く別物です。
Cubicに流動性を集め、ガバナンス投票で戦略を決めて各DAppsに流動性を振り分けます。
Composable XCVMを用いることでクロスチェーンで動かすことが出来ます。
類似したDAppとしてはEthereumのTokemakがあり、DeFi2.0といわれています。
Ⅲ.Angular Finance(レンディング)
こちらはHydraDXと共同開発のレンディングプロトコルです。
貸付ペアのプールを分離することでリスクを分散します。
清算時にはPicasoならBasilisk、ComposableならHydraDXのプールを利用します。
Ⅳ.Whirlpool Cash(プライバシー)
ざっくり言うと、Tornado Cashの改良版です。
Tornado Cashの場合、利用時にしばらく待ち時間が発生しますが、Whilrpool Cashの場合は待ち時間中にファーミングを行うことで機会損失をなくせます。
また、CosmosエコシステムのSecret Networkや現在Composableが開発しているCentauri(IBCブリッジ)を用いることでプライバシーを守りながらブリッジを行えます。
5.クラウドローンの情報
総供給:1億LAYR
クラウドローンアロケーション:12%~16%
基本報酬:貢献量に応じで山分け
貢献上限:25,000,000DOT
ボーナス:
・最初の24時間に貢献で+5%
・Picasoのクラウドローン参加アドレスで参加で+5%
・最初の3日間に参加で+10%
・リファーラルで1000DOTを紹介すると+20%
・総貢献量が400万DOT以上で基本報酬に総供給量に+2%、500万DOT以上で更に+2%
配布:
TGEで25%、残り75%を2年かけて配布
参加ページ:リファ付き
公式ページ(PolkadotのDOT)
公式ページ(Ethereumのステーブル)
Composableはトークンセールは行っていませんが、EthereumでのDAppリリース時に行っているPolka Vault Strategyでトークンの配布が5%あります。
こちらは50%がTGE時にロック解除され、6か月かけてロック解除されます。
またComposableの特徴として、DOTだけでなくEthereumからUSDT、USDC、DAIでも参加できます。
この参加の仕方をした場合
・1%の利用料金
・ステーブルでDOTを購入して自動でクラウドローンに参加
・勝利or敗北時、DOTかステーブルで受け取る方を選べる
となります。
ステーブルでの受け取りを選択した場合、多分時価でステーブルに戻して返ってくるので、DOTで参加できるなら手数料がかからないのとガス代が安いのでそちらの方がおすすめです。
6.まとめ
というわけで今回はComposable Financeのお話でした。
久しぶりに結構な長文になりましたね。
内容的に難しいのでなかなか理解しづらいところがありますが
・相互運用性の促進(流動性・アクション)
・柔軟性の高いDAppをパレットで展開(新しい形式のプラットフォーム)
・Polkadotエコシステム拡大(Parachain候補の育成)
ここら辺がポイントだと思います。
開発スピードが速いうえにインキュベーション(プロジェクトの養成)までしてくるスーパーお仕事集団なので、ごりごりエコシステムを広げてくるのではないかと期待しています。
次回はBit.Countryについて書きたいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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