クリームソーダと僕
サブカルチャー好きがカッコいいと思ってYouTubeで『アストラルアブノーマル鈴木さん』をみた。内容についてはそんなに覚えていないしはっきり言って何か心が動かされたとかもない。けれども何かこうサブカルチャーなものをインプットしたという事実だけは自分の脳に刺激を与えただろう。
そんな動画の関連一覧に出てきたのが『放課後ソーダ日和』サブカルチャーを好きになるということからこの動画も閲覧することになったわけだがアストラルアブノーマル鈴木さんとは訳が違った。全てを見終わった後とにかくクリームソーダを飲まなくてはならないという使命感に駆られた。クリームソーダを飲むことが青春の定番のようにすら感じたのだ。すかさずソーダ日和の本編である『少女邂逅』という映画に出てくるクリームソーダのある喫茶店gionについて調べた。阿佐ヶ谷にあるそのお店はどうやら有名な店らしくお洒落なお姉さんとかが多く来店するようだった。そのような店は僕1人で行くには敷居が高く無理矢理友人を誘い、放課後とは言わないまでも休日に出向いてみた。
店内の雰囲気に圧倒され次にウェイトレスの制服にも圧倒され圧倒され尽くしたところでテーブルにクリームソーダが届けられた。僕の頼んだクリームソーダは青く少し大きめのグラスには砕かれた氷と少し黄色がかったアイスクリームが浮かんでいた。何がどうとか詳しいことは理解に苦しむが僕の心はクリームソーダというものに奪われた。そして喫茶店という場所にも。
それから1年が経った。あの時の感動とは裏腹に僕のクリームソーダ戦闘力は上がっていなかった。にわかクリームソーダ好きとしてフラフラしていたのだった。1人で飲みに行くのがまだ抵抗感に負けていたのだ。それからも友人と喫茶店などに入るタイミングがあれば注文してみるものの自ら喫茶店に出向くことはなかった。
そんな僕にも転機が訪れた。1人の女性と出会ったのだ。その人もクリームソーダが好きだったのだ。にわかであることが恥ずかしくなるくらい僕の知識量は足りていなかった。それでも僕と彼女はクリームソーダデートをした。させてもらった。
あの時クリームソーダがなかったら僕と彼女の距離が縮まっただろうか?なくても縮むくらいの愛があるに越したことはないしそうであって欲しいと願ってはいるが僕が彼女がこの愛に気がつくきっかけをくれたのは間違いなくクリームソーダであると思っている。
ああ感謝神様仏様クリームソーダ様!緑や青黄色いソーダに浮かんだアイスクリームと僅かな赤みを添えるチェリー。この年の夏の色は間違いなくクリームソーダが色つけた。そーだクリームソーダ飲みにいこう。それだけで僕を強く、そして幸せにしてくれた。
早く僕らがクリームソーダを一つの思い出として1つ上のステップに進めることを祈っています。神様仏様クリームソーダ様!この僕の愛と彼女の愛が途切れませんように!2人の永遠の愛をクリームソーダに誓おう。そんなことを考えながらアイスの溶けた甘ったるいクリームソーダを口の中に満たした。
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