カメラマンさんのトークイベントメモ(流しほぼ無関係です!w)
あまり流しとは関係ないのですが、
今日行ってきたカメラマンさんのトークイベントがとても勉強になったので、自分の備忘を兼ねたメモを載せたいと思います!!
行ったのは、
写真家【笠井爾示さん】とモデルの【階戸瑠李さん】の写真集発売記念トークイベント。
一流のカメラマンさんとそのモデルさんとのトークは本当に勉強になることが沢山ありました。モデレーターをしていた編集の池谷さんは、笠井さんと25年の付き合いのようで、話を引き出すのがうまくて、それがすごく良かったです!!
ちょっと無理やりかもしれませんが、音楽との共通性を見出すと、
アートなのかビジネスなのか、それぞれに対する向き合い方などが聞けて、すごくヒントになりました。
では!!本当にただただ、今日のメモです!!(よ)は僕が思ったことです。めっちゃメモったのですが、オフレコぽいのは載せないようにしました。笑
◆新作『トーキョーダイアリー』について
・前作の『東京の恋人』以降の2年間で撮ったものが主な内容。
・今回出ているモデルさんは50人。10枚以上あるのは3人だけ。そのうちの1人が階戸瑠李さん。
◆笠井さんと階戸さんの出会い
・とある雑誌の撮り下ろしで出会った。スタッフが多くてあまりうまくいかなかった。階戸さんは出来るだけ人数が少ない方が好き。カメラマンとふたりきりが理想。
・最後のカットだけ2人で撮ったが、最初の30分は撮らずに話だけをした。それで壁が取っ払えた感じでよかった。
・その撮影以来会ってなかったが、『東京の恋人』の写真展をやったときに階戸さんが見に来てくれて、再び繋がった。
・笠井さんは事務所に所属している人を作品として撮影する場合は、ちゃんと事務所を通す。
(よ)ちゃんとしてる!!やっぱトップを走る人はちゃんとしてるんだな!!
◆撮影について
・撮影場所はホテルが多い。理由は、ハウススタジオだとハウススタジオぼい写真になってしまう。理想は被写体の自宅だが、無理なことが多いので、あいだを取ってホテルになる。
・ホテルの利点は、時間が限られているから撮影に集中できる。
・デメリットは、自然光が入らない場所が多いこと。笠井さんは渋谷のホテルはどこが自然光入るか知り尽くしている。
◆笠井さんの印象
・池谷さん「一抹のしっとり感がある。翳り、湿り気がある。」
・階戸さん「心の距離が近い。みんなと付き合ってるんじゃないか、と思うくらい。」
・階戸さんの思う笠井さんは「今撮れる現状の中で、いいものを撮る人」
(よ)今できることで最大限のものを作る、という姿勢めっちゃ勉強になる。
・笠井さんの撮影のスタンス
「自分の中にある答えあわせをしたくない」
「目の前にある最大限を撮れればいい。その最大限が、大したものじゃないかもしれないけど、それならそれを撮ればいい」
「引き出すよりも、見つけたい。この人の魅力はこうだ!ではなく」
「具体的なことで言うと、ポージングをしない」
◆笠井さんの写真論
・写真は自分の身体表現。身体で動いた蓄積が、写真として現れる。
(よ)一流の人って、こうやって自分のしていることをちゃんと定義できているよな・・・。
・1枚も撮らないという日が、この20年で1日もない。
・自分にとって、写真は日記。だから『トーキョーダイアリー』は、自分が本来、常にやっていることを出せている作品。
◆階戸瑠李さんのトーキョーダイアリーの感想
・セレクトされた写真を見て、自分だとわからないなぁと思った。この写真かー。これなんだー、みたいのもある。
・笠井さん以外だと、ホクロ消されることが多い。
◆笠井さんの写真論
・基本的に修正はしない。肌も、ホクロも。
→「だから、生ぽい写真になるんだね」と池谷さん。
(よ)目的によるんだろうけど、修正をすることである面での完成度はあがるが、その分失うなにかもあるんだろうな。それは音楽にも言えそう。
・もちろん、仕事やグラビアでは修正する。
◆笠井さんのライティング
・作品の時は、自然光かクリップオンのフラッシュ。
・被写体によっていい光が違う。渡辺万美さんはフラッシュがいいし、階戸瑠李さんは自然光がいい。
(よ)この人にはこれが合う、という感覚を持てるのが本当にうらやましい!
◆撮影こぼれ話
・渡辺万美さんの自宅で階戸瑠李さんと撮影した時に、万美ちゃんが使っていいよと下着を出してきて、それを借りた。いつもは階戸さんの自前の衣装だけど、また違ったものが撮れてよかった。
◆階戸さんと息が合ってきたなと感じた時
・階戸さんは3回目くらいの時かな?と。
・笠井さんは、毎回大体満足する。
目標値を高く設定しないし、日記だから、会って撮影するだけでもうOKだと思ってる。
(よ)仕事と作品は違うんだな。目標値を高く設定しない、というのは真似したいけど、既に良い作品を撮る腕を持っているから出来ることな気もする。
◆表紙とタイトルについて
・前作の『東京の恋人』はつなまよさんの表紙がすごい話題になった。今回同じような感じにするのは違うなと思い、あえて暗い雰囲気のものを選んだ。
・笠井さんは”ナン・ゴールディン”というカメラマンが好きで、
自分が撮った写真を見ていたら、ものすごい影響を受けていることにあらためて気付いた。だから表紙は、ナン・ゴールディンぽいのを選んだ。
※ナン・ゴールディン・・・N.Y.の女性カメラマン。巨匠。
(よ)つまり、撮ってる時はナン・ゴールディングのことは意識していないけど、結果的にナン・ゴールディングぽさが出てきてしまうんだな。
・タイトルの『トーキョーダイアリー』というのは、すごいアラーキーさんぽいけど、使っていなかったから使った。
・今回の作品は自分を出すというよりも、影響を受けたこの2人のことが現れている作品かも。
◆笠井さんの写真の印象について
・池谷さん「女性も見たくなるようなやさしい写真という印象」
・階戸さん「実際やさしいし、受け皿は深いと思う」
◆カメラマンとして笠井さんが気をつけてること
・笠井さんは基本的に撮影したら、すぐ帰る。食事とかはいかない。決まりではないが、基本的にしない。「笠井さんと撮影ということは、また飲みまで行かないとかぁ」と思われるのも嫌だし、そうすることで次に繋がることが多い。それに、撮影は日記だから、撮るだけで完結している。食事とかは必要ない。
・写真を撮ってると勘違いしやすい。自分に惚れてるんじゃないか、とか。
・ちょっとしたひと言や行為で相手を傷つけてしまうことがあるから、気をつけている。
◆階戸さん写真集発売!
・7/31に階戸瑠李さんの写真集発売!(玄光社より)
・トーキョーダイアリーが決まる前から撮っていて、担当編集さんが階戸瑠李さんで一冊作りませんか、と提案してくれた。
・グラビア写真集ではなく、30歳になった階戸瑠李さんの今が全部つまってる。
◆質疑応答
(四元は、こういうイベントの時、必ず質問をするようにしているのですが、Q1は僕が質問しました!)
Q1.あまり正解を用意しないと言っていたが、意図的になることはあるのか?
A.笠井さん「仕事で撮る時はものすごく意図的。だから、作品の時は意図的にならないよう、ありのままを撮りたいという反動もあるのかも。」
(よ)なるほど、意識的か無意識かはわからないけど、意図を持ってやる時とそうでない時を使い分けしてるんだな
Q2.写真集のページの順番はどうやって決めてる?
A.こう感じて欲しい、みたいのはなく、見る人が想像して欲しい。
Q3.事前に準備することはあるか?それが失敗することはあるか?
A.失敗することはない。なぜなら、いつも同じ機材、同じ設定だから。プライベートでは2台のカメラしかなく、どちらも35mmの単焦点レンズ。モードも変えない。Photoshopとかのソフトも使わないで、明るさとコントラストを多少いじるくらい(ちょっと専門的なことがわかりません泣)
Q4.階戸瑠李さん以外で、今回の作品で注目のモデルさんは?
A.誰ということではなく、前作『東京の恋人』も一緒にじっくり見てもらえるとわかることが沢山ある。実は仕掛けをしていたりする。例えば、前回も今回も同じ場所で撮ってる人がいたり。前回はメイクして、今回はすっぴんだったり。探して欲しい。
イベントメモは以上!!
終始、3人が自然体で話していたので、本当に面白い話が沢山聞けました。
何より、今回お話を聞いて思ったのは、
「仕事がどんなに忙しかろうが、作品は常につくり続けなきゃダメだな!!作ろう!!」
でした。
いやぁ、本当に行ってよかった。
読んでみて少しでも「いいな」とか「会ってみたいな」と思ったらぜひ会いに来てください!!