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【起業】株式会社クリエイティブキャンプができるまで。①

前回お伝えしましたが、このたび2023年4月3日に『株式会社クリエイティブキャンプ(英字:Creative Camp Inc.)』を創業しました。
※4月1日創業にしたかったけど土曜で法務局がお休みだったので残念。

もともとは約20年勤めていた前々職の退職時(2022年3月末)に起ち上げる予定だったのですが、準備不足が否めずに一旦見送りとなりました。一年空いてしまったことで、当初計画していた絵姿とは異なってしまいましたが、その間の新たな取組みやご縁のおかげで当初予定よりも良い状況でスタートできることになりました。

「起業に興味があるけどやり方がよくわからなくて不安」といって立ち止まっている方もいらっしゃると思うので、今回は備忘録も兼ねて株式会社の起ち上げをどのようにやったか弊社を事例に共有できればと思います。
※あくまで弊社のやり方なので参考程度にご確認ください。


■会社設立前の条件として:

まず、会社を設立する前に(当たり前ですが)「設立後にしっかりやっていけるのか?」ということが重要ですよね。要は「毎月しっかり稼げるの?」ということです。

どれくらい稼がなければいけないのかはオーナー企業であれば自分で決めればいいと思いますが、少なくとも自分たちの生活費は稼げる目途が立っていないと単なる無謀な挑戦でしかないです。前回見送りとなったのもここが課題でした。ありがたいことにこの一年間の活動により、ある程度の目途が立ったので今回の決断に至りました。

また、会社の開設にはお金がかかるのでそこも支払えるようにしておかないといけない。開設手続きだけでも20万程度はかかりますし、それ以外にPCの購入、業務に利用するソフトウェアの契約などにもお金はかかります。また、初月は取引におけるキャッシュが入ってこないのである程度の余裕が手元にないと心もとないですよね。どれくらい事前に用意するかは各々の裁量に委ねられるでしょうが、今回の僕らでいうと自分たち以外にも前職のウィルメディアから出資いただいたおかげで多少余裕をもって開始できました。

そして最後は自分に起業の覚悟ができているか、家族がいる方は家族の理解を得られるかが大事です。サラリーマン的な『雇われ』の考えではダメでしょうし、僕は『雇われ社長』の経験もありますが、やはり自身が出資をしてすべての責任をもって創るのとは全然違います。過剰に気負う必要はないでしょうが、自分たちですべてやりきるという覚悟は必要かなと思います。

■事前の条件がクリアできたら:

どこまで事前に準備するかは人それぞれではありますが、心配はどこまでいっても尽きないので『開設準備+若干の余裕資金』『毎月の収益&今後の展望』『起業に対する覚悟(家族からの理解)』の3点がそろったら次のステップに進めます。

事前に数冊本を買って勉強はしたのですが、最近は会社開設を簡単に行えるサービスもあるのでそこにすべて頼りながら進めようと思いました。
・・ということで有名な『freee』で会社開設を進めることに決めました。

『freee』は経営に必要なソフトウェア(人事労務/会計/オンライン契約/クレジットカード等)が全部そろっているのでそれらを簡単に連携できるし、初心者にも優しいインターフェイスと少人数規模の会社用のプランなどもあるので、ベストかなと思いました。

実際に利用してみると本当に簡単。サイト内に丁寧な説明文もあり、必要な書類や物品(印鑑とか)などもフォームに入力するだけで手配が済むのであっという間に『定款』が作成できました。まったく無知識でも全然いけるのですが、できれば1冊くらいは本を読んでから取り組んだ方がなお良いかもしれないです。なぜこういう設定にした方がいいのか、自分で判断できるようになります。僕の場合は前々職で代表の経験があったこともあり、その知見を使って自動で作成された定款に若干修正を入れました。

この時点(定款作成/申請準備)で多少注意する点は下記です。
■出資者の情報を印鑑証明書に記載の情報と一緒にする:
一番の注意点は住所の入力です。印鑑証明には「1丁目11番地11号」と記載があるのを「1-11-11」などと省略するのはアウトです(苦笑)。マンション名のある/なしなどにも気を付けましょう。
■決算期をいつにするか?:
創業してから2年度は消費税が免除されます。このため、創業日と決算月を上手く考えないとフルにその恩恵に預かれなくなります。一般的に決算は9月・12月・3月にすることが多いと思いますが、その場合はその翌月に会社が新設できた方がいいわけです。
※2月に会社を創って、3月決算とかにすると1ヶ月後にはもう1回目の決算になってしまいます・・。
■出資者によって必要な資料が変わる:
クリエイティブキャンプは個人出資者以外に企業の出資も入るため、必要な資料が追加されます。個人の場合は印鑑証明書くらいですが、企業の場合は謄本(履歴事項含む)や株主名簿の写し、代表の身分証なども必要になるので事前にお願いしておく必要があります。
※上場、非上場でも必要な書類は変わります。

『freee会社設立』では上記の入力を行い、公証役場(本社所在地の近所)をどこにするか決めて申請をすれば定款のチェックに入っていただけます。
※『freee会計』も同時に契約すると手数料の5,000円が必要なくなるのでオススメです。

■『定款』チェックの間にやること:

定款チェックには1週間ほどかかるとのことなのでその間に(その前からとりかかっていてもOK)やれることをやります。いわゆる業務に必要なソフトウェアの洗い出しとか契約とかですね。契約すると費用が発生するため会社設立後でももちろんいいのですが、クリエイティブキャンプは前職のクライアント業務を引き続き行うため、空白期間があってはいけないので設立前から準備を整えました。
※設立にあたって購入&契約したものはあとで経費精算できるので領収書はしっかり保管しておきましょう。

Slack、Google Workspace、その他業務に利用するソフト、ウイルス対策ソフトなど必要なツール&ソフトの選定と契約等々・・。
※会社の登記簿謄本がないと契約できないものについては後回し。
一緒に参加する仲間のひとりがテクニカルディレクターで、以前社内情シスのようなこともやっていた経験からほぼ全部丸任せ(笑)。意外とあるものですが、理想の環境を自分たちでつくれるのでなかなか楽しいです。
※PCの購入はキャッシュの負担が大きいので、無理に新たに購入しなくてもリースという方法もあります。

ちなみにクリエイティブキャンプはフルリモートの体制なので、デスク・椅子等の購入費、オフィスの賃料などの販管費はほぼかかりません。参加メンバーも旧知のメンバーなので極力コストをかけないでもやっていける状態からスモールスタートさせています。

あとは今後のために新しい会社で利用する『案件管理表』『ケイパビリティ資料』『様々な目的用途のメーリングリスト』『事務作業等の業務フロー』『貸与物の一覧表』『取引契約書の雛形』『人事労務規定』『評価制度』『セキュリティに関するガイドライン』なども作成しておくと良いかと思います。過剰に用意する必要はないですが「あった方が便利」なものは早めに用意しておいた方が後がラクになります。

なお、ドメインは法人登記前に仮登録できる『ムームードメイン』で『freee
会社設立』入力よりも前に手続きしています。

■『定款』チェック完了 ⇒ 公証役場へ!⇒口座入金:

定款のチェックが終了するまで(出し戻しがなければ)約1週間くらい。
※僕はその間に設立後に必要になる「労働保険保険関係成立届」を労基署にとりに行ったりもしていました。
チェック完了の連絡がきたら申請に必要な資料(製本した定款、発起人たちの印鑑証明、定款認証代金など)を揃えて公証役場に行きます。
※公証役場に行くには事前の予約が必要です。
公証役場に必要書類を提出すると問題なければ20分くらいで認証完了となります。

ようやく定款の認証までたどり着いたら、次は出資金の入金。当然ですがこの時点では法人としての口座はないので個人口座を利用します。自分の個人口座に今回出資いただく方たちから入金をしてもらいます。ここでの注意点は例え自分の出資額がすでに貯金として入っていたとしても、改めて入金をしないと出資金として認められないこと。面倒ではありますが、一旦引き出して再入金するか、別の口座から入金するなどをしましょう。また、入金後2週間以内に登記書類を法務局に提出する必要があるため、逆引きで入金スケジュールを立てた方が良いでしょう。

■『登記書類』を用意して法務局へ ⇒ 会社設立!

出資金を全員が入金ができたらネットバンクの明細もしくは通帳の振込記録をコピー。その他の登記書類も用意してまとめます。
※『freee会社設立』では登記書類の内容やまとめ方も説明されています。

(4月1日・2日が土日なので)4月3日を会社設立日にする(法務局に登記書類を提出した日が会社設立日)のは初めから決めていましたが、その日は僕は行けないので法務局に行くのは別の発起人にお願いしました。出資者でない方が行く場合は委任状が必要になりますが、発起人が行くのであれば代表でなくてもかまいません。

ちなみに登記簿謄本が取れるようになるまで銀行口座の開設はできません。法人番号が付与されるまで1~2週間、そこから銀行口座開設まで2~3週間かかると言われているので最悪の場合、取引や給与支払いに間に合わない可能性があります。freeeでは『GMOあおぞらネット銀行』で短期間で口座開設ができるとのことだったので念のためこちらの申請をしておきました。

‥と思ったら、なんとわずか3日程度で法人番号が付与されました(苦笑)。連絡はこなかったけどfreeeで調べてみたらまさかの早期付番。
これにて【会社設立完了】です!


会社の設立は初めは大変そうと思っていたけど、実際にやってみると意外と簡単でした(実際に複雑&大変だったのはこのあとでしたが・・・)。雇用する社員もいなく、自分も平日身軽に動けるようであれば、(法人番号の付番は抜きにすれば)2週間くらいでできるかと思います。

一度きりの人生なので一回は起業の経験をしてみたい、と以前から漠然と思ってはいましたが、まさか本当にすることになるとは思いませんでした(苦笑)。実際に自分の会社を創ってみると、やはり他人から与えられたものではなく、自分たちですべて考えて創ったものなのでちょっと感慨深いものがありますね。

今回は会社開設までの流れになりますが、次回は会社設立(法務局に登記資料提出)後にやることを共有させていただきたいと思います。


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