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会社・組織に無関心な人が増えると緩やかに衰退していく。

終身雇用が崩壊して転職が当たり前になった現在では、「自分はこの会社で定年まで勤めあげる」といった昭和気質が薄れて自身が所属する会社や組織に対して愛着や帰属意識をもつ人が少なくなっています。これは良い/悪いの問題ではなく、時代の流れなので仕方のないこと。
・・とはいえ、会社・組織側としては優秀な人材には長く働き続けてもらいたいと願うものですから、『人』に対する経営努力は今後ますます必要になっていくことでしょう。


会社・組織に対して無関心な人が増えていくと会社はどうなるのか?
自らが所属する組織に対して期待することや良くしていこうという意欲が薄いわけですから、目の前の仕事だけに集中することになって組織としての成長や進化は鈍化していくのだと思います。
※そもそもこのような状態だと会社である意味もあまりないですが。

「自分の仕事」と「所属している組織」がリンクしていないので、会社・組織で起きていることに興味がなく、自分にとって不都合・不満なことがあればすぐに環境を変えればいい(転職)という発想になっていきます。「いまの自分の居場所(会社)をもっと良くしたい!」と思える動機が発生しないのですから、これでは会社・組織としての成熟は望めるわけもありません。

このような状態になってしまうのは社員側の問題ではなく、経営/マネージャー層の問題です。社員に対してもっと会社・組織に興味をもってもらう施策を行うこと、ともに組織を創りあげているという実感(自分事化)をもってもらうということを怠ってきた結果である、といえるのではないでしょうか。


会社・組織に愛着・帰属意識をもってもらうにはどうすればいいか?
それは会社・組織の取り組みに多くかかわってもらうこと、ではないかなと思います。社内の施策に関わってもらうことでも良いし、会社の行事に関わってもらうことでも良い。会社と自分との関わりが増えて互いの距離が縮まり、自らが会社を創る一員になっているという実感をもってもらうことが大事なのではないかな、と。そうなれば自分事化ができるようになって、さらに良い環境にしたいと思う動機にもなるのではないかと思います。

そのためには経営/マネージャー層は社員を巻き込む力が必要。
ただ、「巻き込む」といっても単純に「●●をやってくれ」などと上から押し付けるやり方では逆効果になりかねません。本人が自分からやりたいと思うように、せめて一緒にやろうと思えるようになってもらわなければ会社と社員との距離は縮まることはないでしょう。

最近注目を浴びている「パーパス」や「ミッション・ビジョン・バリュー」もこの巻き込み施策のひとつですね。会社の考え方や方針に共感して集まっている人たちであれば、自然と会社に対して愛着や帰属意識が高まりやすいもの。ともに会社を創っていく一員になりやすい環境をつくるためにも設定する必要があると思います。リーダーやマネージャーも自身の考えや想いを積極的に社員に伝えることで「巻き込み」をさらに加速することができることでしょう。

会社の情報を極力オープンにしていく、という施策も有効かと思います。
自らが所属している会社が今後どこに向かって進もうとしているのか?今の動きがどうなっているのか?・・といった情報がオープンになるほど自分と会社の動きがリンクしていきます。自分の知らないところで会社が勝手に動いていると「自分とは関係ないこと」という考えが根付いてしまい、結果として無関心になっていってしまう。そうならないためにも社内であっても情報発信はしっかりやっていくべきでしょう。

他にもいろいろな施策があるでしょうが、今回は一旦ここまでで。
少子高齢化が進み、働く人材の母数が減っていく今後を考えると会社と個人との結びつきの重要性がさらに増していくものと思えます。経営側は社内に向けた施策にも力を入れていかなければ、離職者対応や採用活動の稼働過多に悩まされることになるはずです。社員に対する取り組みも事業成長戦略のひとつなので手を抜かずにしっかりとやっていきたいものです。

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