限界背景ヤーの時短技~窓の外どうする問題~
今回は少し趣が変わり、スケッチアップの話はしません。スケッチアップで作った素材をクリップスタジオの原稿に貼ったその後の話です。
この記事は、こちらのマシュマロへの回答も兼ねています。
この記事を読んでも、さっぱり画力は上がりません。姑息な時短技が身につくだけであることを、最初に申し伝えさせていただきます。
さあ、素敵な背景だ!これをクリスタに貼って調整したら、このコマは完成!
そんな時に、窓の外についての処理を考えていなかったことに気づきます。……どうしますか?
例えば、こんな感じのコマです。真っ白というのも、ちょっと味気ないかなー、でも特に情報を入れたいわけでもないから、無難なものを入れたいなーと思う時です。
ここでご紹介する小技は、あくまで「背景メインではない」コマの時短に使えます。背景メインのコマや決めゴマにリソースを割くために、メインではないコマをササっと終わらせるための小技です。
窓の外におすすめのクリスタ素材
ファンタジー編
ファンタジー(特にロマファン系)は、お屋敷からの眺めが多く、空と木でいい感じになります。
■公園2
各時間帯そろっていて無料。助かる。クオリティも高い。空と木のバランスよし。クリスタ公式というのも、なんか安心。
1Fか2Fか、このお屋敷がどんなロケーションか、よく分からないけれどなんとなくいい感じになります。
■山林
木多めが良いときはこちら。
かなり木が近く多いので、林の中の秘密の別荘といった感じ。
■海(砂浜)
海といいつつ、ほぼ空しか使っていません。ごめんね。木は要らん、空だけ欲しいんじゃというときはこちら。山のふもとは、現代っぽい街並みなので、画面に入らないように注意。
空!これだけ見ると、かなり上層階のお屋敷か、近くに何もないのかなという感じ。
上記3種類のクリスタ画像を、多用しています。この3つは色調も同じなので、統一感も出て嬉しい。各時間帯そろっているのも、大変に助かります。
■みにくるさんの平原
有料素材。たまに使用。空→遠景の山脈→中景の森→近景の草原 と、「ザ・自然風景」が欲しい場合に使う。クリスタの公式とは空の色味がだいぶ違うので、共存はできない。
バランスはかなりいい感じです。クリスタ公式の「公園」と同じように、空と遠くの木という感じ無難。
街並みなどがチラ見えしたほうが良いなら、こちらの素材も良さそうです(今ふと見つけたため、持っていないので貼れませんが、次の機会に買おうと思います。多分、結構使いやすい予感)
■ウェブトゥーン用っぽいの
最近は、「ウェブトゥーン用」って感じのクリスタ素材も増えてきました。
雰囲気がピタッと合えば使うのがこのあたり。
ダウンロードしてみたものの、月や太陽、効果などがすでに入っているので、使いどころを選ぶ素材。お気に入りのクリスタ公式のをさすがに使いすぎたか…と思ったときに、気分転換に使うことがあります。
ファンタジーの次は、現代ものです。
現代もの編
現代ものに、ファンタジーの鉄板である「公園」を貼ると、ちょっと違和感があります。森の中の別荘になってしまうのです。ですので、ファンタジーと分けて考えたほうが良さそうです。
現代ものだと、これをペタッと貼るだけで鉄板!というのはなかなか難しいです。というのも、ロケーション(住宅街、ビル街、港区、繁華街、田舎など)がかなり多岐にわたるためです。
読者さんにとっても身近なため、少し違うだけで、大きな違和感につながります。
また、人工物が多くなるのでパースのごまかしがききづらくなる上、1F~タワマン最上階まで、アイレベルの幅がファンタジーより広くなります。タワマン最上階まで行ってもらえれば、空と遠くのビル群でいいのでむしろ楽なんですが、中途半端な階層のオフィスやマンション、一戸建てだと困りものです。
素材を選ぶポイントは、
・建物の上が途中で切れておらず、空まで入っている
・パースはかなり緩めでフラットめのもの(望遠レンズ)
あたりかなと。
そのなかで、アイレベルがうまくそろえば使えそうかなーといったのはこのあたり。みにくるさんは有料ですが、全体的に質も高く使いやすいです。
よく見てしまうとアイレベルがそろっていないのですが、このくらいならごまかせているかな…?このお部屋は、住宅街の1Fくらいにあるんだろうなーという雰囲気が出せます。
繁華街の雑居ビルかなーという感じを出せます。
奥のほうを使うと、観光地のホテルっぽいような。手前を使うと、オフィスビル1Fかなといった感じ。割といろいろ使える素材です。
数枚入っていて、お得感があります。サイズがちょっと小さいことと、空がなぜか半透明なので下地をひく必要があるのが難点ですが、わりと使いやすいです。
ビル街っぽくなってきました。オフィスビルの窓からの景色に使えそうです。
彩度高めなので、ちょっとソフトにすると使いやすいです。
さてここまでざっくりと、おすすめ素材をご紹介してきました。これでなんとかなる場合もありますが、なんともならない場合もあります。悲しい。
そんな時は、謎発光です。
困ったときは謎発光
ガラスは発光しない。そんな先入観は今すぐ捨てるべきです。体は子供で頭脳は大人なあの名探偵の眼鏡だって光るのです。
身近なところでいうと、朝ドラのセットなど、スタジオ内のセットのガラスも、発光でごまかしています。ガラスは発光します!!
よく見るとめちゃくちゃ発光しているんですが、見ていても意外と気にならないものです。ということで、朝ドラセットにも使っている技法、外の情報を入れたくないときは、「謎発光」です。
窓で選択範囲をとって、白~水色くらいの色に塗って、それをぼかしたりなんなりいい感じにしてみましょう。私は、こんな感じのレイヤー構成でやっています。
斜めの光も入れるとそれっぽくなります。
斜めの光は、こちらのブラシを使っています。ガラスや鏡の反射から差し込む光まで、使いやすいブラシです。
窓は発光します。外がまぶしいんです。そりゃ、発光もします。
夕方にも使えます。
あまりギラギラ発光させると、無駄にエモくなってしまい、背景がうるさくなるので、控えめにしておきましょう(夕方パターンはちょっとやりすぎた気がしています)。
描くしかない!そんなとき
どの素材も使えない、外の情報が必要なので謎発光もできない、そんな時は諦めて、描くしかありません。
しかし、時短&時短&時短です。タイムリソース&メンタルリソースはキメゴマに割くべきで、サラッと流し読みをするコマの、チラっと見えるところには使う必要はないのです。
空の色
空の色は、ずばり一番お気に入りのクリスタ公式素材(前半でご紹介した「公園2」や「海(砂浜)」の各時間帯から、一番明るい色と暗い色をとって、パレットに保存してあります。
そうしておけば、素材が使える状況(アングルなど)になったとき、違和感なくなじみます。もし他にお気に入りの素材があれば、その素材の色をパレットに保存しておきましょう。
それをエアブラシでふわーっとなじませたら、空完成です。グラデツールを使うとなんだか不自然になるので(うまく使いこなせていないだけ…)、エアブラシで塗ってしまいます。このほうが直感的に塗れますし。
はめ込むとこんな感じ。空は空ですが、やはり雲など他にもないとちょっと寂しいですよね。次は雲です。
雲素材
超有名素材なので、おそらくすでにお持ちだとは思いますが、私はこちらをよく使います。
この中に、すでに影がついている雲があるので、何も考えなくても「具合の良い雲」ができます。
メインカラーを空の一番明るい色よりさらに明るい色、サブカラー白で、ささーっとなでるだけで、いい感じのあっさり影付き雲が量産できます!
空だけより、より「空っぽい!」感じが出て良かった良かった。
あとは、近景として木がチラ見えしていると、さらにいい感じになりそうです。
木素材
木や枝、葉っぱの素材はクリスタアセットにめちゃくちゃ大量にありますよね。絵柄とマッチするかどうかもあるので、迷うところです。
おすすめは、カラー素材で、すでに色が決まっている(自分で選ばなくていい)ものです。物語の中で矛盾がないようにカラーを統一したりするコストが省けるからです。色選びで迷う必要もなくなりますし。
その中でも私がよく使う、使いやすいブラシです。
超近景に使いやすいです。遠景にするには、ちょっと情報量が多すぎるかも。
手前に使うのもおすすめです。
情報量も色もちょうどいい木。使いやすい。
彩度が高めで、爽やかな色遣い。私は好き。大好き。超使いまくっています。
木を足すと、さわやかさが増していい感じです。
この、「空+雲+木」の背景は、ブラシでぽんぽんするだけなので、慣れれば1分以内にできます。脳みそ空っぽ状態でも大丈夫。本当に、素材はありがたい…。
街、ビル素材
街並みは、特に現代ものの場合欲しくなります。選ぶポイントは「最初からカラー素材」であることです。クリスタのアセットは、どちらかというと白黒の印刷用素材のほうが充実しているため、カラー素材は珍しく、とてもありがたい存在です。
おうちやビルを、ハンコのような感じでポンポン押せるブラシ。フラット目なパース&正面アングル素材で使いやすいです。ちょっと圧が強いので、白のスクリーンレイヤーを当ててなじませるといい感じになります。
簡単に、住宅街の一室の雰囲気にできます。
ビルもセットになっていて嬉しい!
こちらも、フラットめの正面から見た住宅です。ブラシではなく、大きな画像素材です。
窓の外にお向かいさんが見えるシチュエーションで使えます。こちらも、ちょっとスクリーンレイヤーを当てたほうがなじみます。
ビルが欲しければ、このあたりも使えます。
一見白黒素材ですが、こちらのグラデーションマップを当てると、いい感じになります。
こちらは、数少ないファンタジー風(外国風)の建物遠景。助かる。こちらも、ゾウノセグラデーションマップを乗せるといい感じになります。
最後に、なんでも使える天才素材です。
なんだかよく分かんないけれど、構造物っぽくなる天才ブラシです。
しゅるっと塗れば、こんな感じ。遠景なら、何の問題もありません。
私はこのブラシが大好きで、三角屋根を入れるカスタマイズをしています。
また雰囲気が変わって良い!
ここまで、時短技をざっとご紹介してきました。素材をバンバン使うことに抵抗がない方は、使ってみてください。また、私は時短技が大好きなので、大大募集中です。ぜひ、教えてください。
それでは、今回はこのあたりで。
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