【207】生成AIとボランティア活動(7) スマホ講座参加者の会話型AIデビューにPerplexity AIを推す理由
1.情報検索エンジンの一種と誤解されるChatGPT
会話型AIと情報検索エンジンは、どちらも入力ボックス形式が似ており、質問を投げかけて回答を得るという直感的な使い方から、同じ種類のツールに見えることがあります。そのため、生成AI初心者の中には、会話型AIと情報検索エンジンが同じ機能を持つと誤解するケースが少なくありません。
こうした状況を踏まえ、スマホ入門講座で会話型AIの実習を行う際、「高尾山の明日の天気」や「今週の野菜の価格」といった、情報検索エンジンと同じ形式の質問を投げかけても、期待通りの回答が得られないことがあります。その結果、生成AIに対する不信感が生じる場面がしばしば見受けられます。
2.情報検索エンジン、文章生成AI、生成AI搭載型情報検索の違い
2024年夏のこと会話型AIには、「ChatGPT」で代表される文章生成AIに加えて、「Perplexity」で代表される生成AI搭載型情報検索が相次いで公開されました。
以下は、「情報検索エンジン」「文章生成AI」「生成AI搭載型情報検索」の違いを整理したものです。
(1) 情報検索エンジン
役割: インターネット上の膨大な情報から、関連するウェブページを探してリンクを提示する。
仕組み: 検索クエリ(キーワード)に基づき、データベースから一致する結果をリスト化。
例: Google、Yahoo、Bing。
特徴:
情報の出所(ウェブサイトのリンク)が明確。
ユーザー自身がリンクをクリックして詳細を調べる必要がある。
具体的な事実や既存情報を素早く探すのに適している。
(2) 文章生成AI
役割: 質問や要求に対して、自然な言葉で文章を生成するAI。
仕組み: 大量の学習データを基に、文脈を理解して新しい文章を「推論」して作成。
例: ChatGPT、Bard。
特徴:
専門的な説明やアイデア生成、会話形式での応答が得意。
必ずしも事実に基づいていないことがあり、確認が必要。
出所が明確でない(自動生成のため、リンクや原典が表示されないことが多い)。
(3) 生成AI搭載型情報検索
役割: 情報検索エンジンの機能(リンク提供)と文章生成AIの機能(解説や要約)を融合したもの。
仕組み: 検索エンジンが収集した情報をもとに、文章生成AIが回答を生成。
例: Perplexity、Bing AI、Google Bard。
特徴:
検索結果を要約して自然な言葉で提示(例: 長い記事を簡潔にまとめる)。
必要に応じて情報源(リンク)を表示。
対話型で検索結果に対する追加の質問が可能。
情報収集のスピードと、理解しやすさが両立している。
初心者向けのポイント
情報検索エンジンは「図書館の目録」みたいなもので、自分で本を探して読む必要がある。
文章生成AIは「知識を持った先生」のような存在で、直接答えを話してくれる。ただし、時々勘違いもする。
生成AI搭載型情報検索は「図書館の目録+先生」のようなハイブリッドで、情報の出所を示しながら分かりやすく説明してくれる。
3.会話型AI初心者にPerplexityを勧める理由
スマホ入門講座の参加者が初めて体験する会話型AIに、Perplexityを推すのは次の理由からです。
初心者でも使いやすい: Perplexityは、検索エンジンのようなシンプルなデザインで、初心者でも使いやすい。
馴染みのある検索手順: 既存の情報検索の流れを踏襲しているため、ユーザーは抵抗なく自然に使い始めることができる。
最新の情報提供: 質問に対して迅速に回答を提供し、必要な最新の情報をすぐに得ることができる。
多様な情報源の統合: Perplexityは、複数の情報源からデータを集約し、信頼性の高い情報を提供する。
対話形式のサポート: 質問を重ねることで、より深い理解を得ることができ、対話を通じて学習が進む。
無料で使える:無料版でも、十分な機能が提供されている
4.スマホ初心者の会話型AIデビューにPerplexityを選ぶ理由
スマホ入門講座の参加者が初めて会話型AIを体験するとき、ChatGPTなど文章生成AIと、GoogleやYahooなどの情報検索エンジンの違いを説明しても、なかなかに理解してもらえません。
その点、情報検索エンジンの機能と文章生成AIの機能を融合した「生成AI搭載型情報検索」は、次のような特徴を持っています。
簡単な始め方:アプリをインストールするだけで、すぐに使い始められる。
直感的な使いやすさ:シンプルなインターフェースで、初心者でも操作が簡単。
迅速な応答:質問を入力すると短時間で回答が得られ、ストレスフリー。
無料で十分な機能:基本機能は無料で利用でき、気軽に試せる。
信頼性の高い情報提供:回答にソースが表示され、ファクトチェックが容易。
幅広い知識への対応:日常的な質問から専門的な内容まで、多様なトピックに対応。
スマホ初心者が会話型AIを初めて利用する際、Perplexityであれば、これまで親しんだ情報検索エンジンと同じ感覚で使用できます。従来の使い方の延長線上で、安心して日常の身近な話題について情報収集できるのが特長です。
会話型AIのデビューは初心者にとってハードルが高いとされがちですが、Perplexityを活用することでスムーズなスタートが可能です。まずは日常的な情報収集を通じてAI利用に慣れていただき、その後、斬新な企画提案や精緻な分析報告、さらには画像・映像・音声を組み合わせたコンテンツ制作など、より創造的な取り組みに移行するステップを案内すると良いでしょう。