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ポメラ日記 2020年2月17日 許されるとおもうのも責められるとおもうのも、わたしが勝手に感じることだ


月曜日だー! ぱんださんが保育園に行くぞ!!
と、送り出した。
ぱんださんはとてもかわいくて賢くて魅力的だが、それはそれとして保育園にいってくれるととても助かる。24時間密着して生きることはすごくしんどい、どんなに大事な子でも。
ひさしぶりによんださんに集中してかまい、赤ちゃん絵本を読み聞かせる。
よんださんは起きている時間が多くなって、朝寝をしなくなった(日記が遅れている理由である)。
寝返りもころころするようになって、おしりのかわいさを見せつけている。
今しかないんだよなぁ、と思う。
この家にこのおしりの完全なかわいさがころころしている時間は、今しかない。
よんださんの保育園が、ぱんださんと同園に決まった。


お昼を食べて、散歩に行けば、いつのまにかもうお迎えの時間だ。園で遊びが盛り上がっているところにお迎えに行ったので、ぱんださんからちょっと帰りたくなさそうな空気を出された。よんださんもきっと、すぐこんなになるのだよな。
でも帰りたくなくなるくらい楽しいほうがいい、許される気がする。わたしがつきっきりで世話をするより園にいった方がぱんださんのためになると、どんなに確信していても、それでもどこかにある後ろめたさが、救われる気がする。
君は元気で、にこにこしていることで、わたしのエゴに付き合わせることの重さを、すこし楽にし続けてくれる。思春期あたりに恨み節を聞かされることがあるかもしれないけども。
ありがとう。

夜、寝かしつけの時間に、ぱんださんがしないでほしいとお願いしたことをやって寝ないので、ささださんと寝かしつけ役を交代して隣室へと移動する。よんださんを寝かせ、急いでルビィのぼうけんAI編の校正にとりかかる。
明日の正午が第三校(最終校)、マジのマジの校了日なのだ。
時間が出来てラッキーくらいの気持ちで、ささださんに寝かしつけられるぱんださんの泣き声を隣室で聞きながら、粛々と作業を進める。いつのまにか寝室からの声は静かになっていた。
作業を終わらせ、よんださんを抱えつつ暗い寝室に忍び込む。
よんださんも無事に暗い眠りの世界になじんだな、と肩から力を抜いた瞬間、ぱんださんがバッと飛び起きた。
暗闇に稲妻が走ったような錯覚があった。深い深い嘆きをこめた震えるような大声で、ぱんださんが暗闇に向かって叫ぶ。
おかあさん、いかないで。
おかあさん、どこ?
いっしょにねよう、どこ?
ぱんださんはわたしに背を向けて、暗闇に必死に両手を伸ばし、抱き上げられることを求める。
背中から抱きしめて、ここだよ、と言い聞かせる。おかあさんここにいるよ。
ぱんださんは抱きついてぴったりと体と体の隙間をなくし、しばらく荒い息をして、やがてことりと寝入った。

わたしはこれからも、仕事があったり、ぱんださんが度を超したルール違反をしたら、今日のように寝かしつけを交代してぱんださんのそばを離れる。
けれど、ぱんださんとその小さな世界にとってのそのことの大きさは、軽くは思わないようにしようと思う。
その大きさを分かった上で、やっぱりルールを教えたり、気持ちを切り離すためにぱんださんと一緒に寝ないことは選ぶけれども。
「たったそれだけのこと」ではないんだ、とは分かっていようと思った。

しばらく眠れずに横になっていたが、やがてわたしも眠りについた。

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やきとりい
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