ポメラ日記 2020年3月19日(木) どこででも得意そうにしててくれ
朝食のパンが少なく、ぱんださんが物足りなそうにしているので、急遽バームクーヘンを供出する。
ぱんださんは、半分までバームクーヘンを食べると、残りをお口にあてて「にっこりのおかお」「おひげ」などと遊んでいた。
バームクーヘンの構成が不思議そうだったので、うすい皮を何層も重ねて作るのだと解説する。伝わった気がしない。
よんださんを抱え、上野公園まで歩く。桜がちらほらと咲き初めていた。
毎年のことなら、青いビニールシートで花見の準備がされている場所に、ビニールロープで立ち入りが制限され、アスファルトには一定間隔で「宴席禁止」の張り紙がある。
上野駅で朝食のパンを買って、戻る。
帰り道で、ぱんださんの昔の保育園の先生たちと、園児たちの群れに遭遇した。
わたしは大して顔を見せてなかった保育園なのだが、先生たちはしっかり覚えていてくださってすごい。
よんださんを見て、「ぱんちゃんに似てますね-」とやはり言われる。
親としては、ぱんださんとよんださんの似ていないところはたくさん挙げられるのだが、まあ外から見るとだいたい似ているのだろう。
前の保育園は、一年ごとの契約で、次の学年まで在籍できるかどうかは空きと運次第、というシビアな条件であった。
今の保育園(認可で六歳まで続けて在籍可能)なところへの入園が可能になるまでの、来年仕事は続けられるのだろうか……という不安をふと思い出す。
それから、転園が決まってからの、「あたらしいほいくえんに、いくんだよ」と楽しみにしていたぱんださん、転園してから、「どうして、いつものほいくえんに、いけないの。いきたい」と言ったぱんださん、三ヶ月くらい今の保育園を「あたらしいほいくえん」と呼んでいたぱんださん、のすべてを急に思い出した。
今では園に馴染みまくって我がもの顔のぱんださんだが、そうなったのは、優しくて誠実な園の人々のおかげだ。親はただ自分と状況のままならなさを全部ぱんださんに押しつけて、ぱんださんが乗り越えられるまで祈っていただけだった。
なんて無力で勝手なんだろうな、親とか言うやつは。
雪柳がどこの場所でも満開だった。
園にお迎えに行き、来週から進級準備で教室が変わるので、昼寝用の布団を別の部屋に移動するよう指示がある。
「どこにいくか、ぱんちゃんが、おしえてあげるよ」
と胸を張るぱんださんはやっぱり我がもの顔だった。
きみがそういうふうでいてくれて、とても助かる。