ポメラ日記 2020年1月19日 電子機器の妖精のような
休日の朝がテレビ(動画サービス)をみたいおねだりから始まる。
いつもにもましてぱんださんがべったりで、よんださんを授乳していても膝に乗り、肩に乗り、よんださんを置くと膝の中央に陣取り、なんというか自分の体が混み合っている、渋滞している。あるいは満員電車の電車のほう、イナバの乗られた物置がわたしだ。
昨日ぱんださんを叱りすぎたか、という反応がぱんださんにあって、夫婦で反省する。
どんな理由があっても、こどもに残るのは強く叱られたというショックだけだ。難しい。
お昼ごはんを食べて、天気がいいので公園に行こうか、と話していたらぱんださんが寝た。
起きるのを待っていたら夕方になったが、せっかくなので公園には行く。ついでの買い出しもある。
よんださんを抱えながら、ささださんとぱんださんが遊ぶのをぼんやり見たり、公園を眺めたりする。
夕方の公園は幼い子から先に帰っていって、小学校の中学年くらいの子が多い。集団として強く、かつ興奮していて周りへの注意がおろそかなため、跳ねとばされそうな小さい子の親はちょっとハラハラする。
ぱんださんはそれでも、空いているジャングルジムのてっぺんに登って手を振ってくれた。
日が落ち、公園の街灯が緑がかって光りはじめる。
感傷的になれ、と言われてるような夕暮れで、でも感傷的な思いはあまり湧かずにぼんやりしていた。
寝る段になってささださんが寝落ちし、理由不明に泣き叫ぶよんださんを抱いて揺らしていると、なんとしてもおかーさんに寝かしつけてほしいぱんださんが足下にタックルしてくる。よんださんを落ち着かせようと抱っこスクワットしているとその足の下に待ち構える。
こりゃいかんと、隣室のリビングに逃げてバランスボールの上でよんださんをさらに揺らす。と、ぱんださんが追ってきて、バランスボールの上にさらに乗ってくる。
同乗をお断り申し上げると、しばらくトランポリンで跳ねて、棚のおもちゃを物色し始めた。消灯後の暗闇の中だ。カーテンの開いている窓の外からのほのかな光と、家電の小さなランプだけが光源だ。その中で遊び回る子どもはなにか、電子機器の妖精みたいなこの世のものでなさがある。
よんださんもじっと家電のランプの点滅を見ている。
とうとうぱんださんが、踏み台を持ってきて、カーテンの向こう側にもぐって外を眺めはじめた。
「がいとう、みつけたよ」
「たてものが、ひかってる」
「ぱんちゃん、まだ、がいとうみてるから」
ずっとしゃべっているその声を聞いて、ふと思い出した。ぱんださんがまだハイハイや転がって移動していた頃、とうぜん言葉も持たない頃。引っ越す前の家の和室、寝てほしくて暗くした部屋で、ぱんださんはよく転がってカーテンの外へ行っていた。そうしてベランダへと続く掃き出し窓の外の、街灯や、流れる車の光をじっと見ていた。
同じ後頭部だ。
この子が自分一人の世界で遊ぶようになるのは、それほど遠くない日のことなのだろう。