ポメラ日記 2020年5月8日(金) わたしはきみのハワイだから
生協の来る日だ。
レモン果汁瓶を発注していたので、心待ちにしていた。
ぱんださんと、絵本に出てきたいちごプリンを作る計画をしていて、その材料だったのだ。
昨日ぱんださんがいちごプリンが作りたいと言い出して、材料を調べて、明日レモン果汁来る予定だよ、来たら作ろうね、と話していた。
だが、最近の巣ごもり需要で生協は欠品が相次いでおり、レモン果汁も届かなかった。
ぱんださんと一緒にしょんぼりした。
気を取り直してお昼のピクニック、メニューはホットサンドだ。
まず人参をスライスしてレンチンしておく。
と、ぱんださんが型抜きをやりたがるので、型抜きしてもらう。うさぎ・くるま・いぬ。
ぱんださんは、型抜きをちょっと特別なものだと思っているので、
「きょうは、おとうさんのたんじょうびなんだよね」
と設定を追加していた。
ぱんださんと、スパムポークとチーズと茄子と人参をパンに挟んで、わたしがホットサンド用の器具に入れてコンロで炙る。
人参は隠れてしまって型抜きの意味はないが、そこはぱんださん的には問題ないらしい。
ピクニックではホットサンドの味は好評で、
「どうしてなすなのにおいしいのー?」
とぱんださんに聞かれたので、
「茄子はチーズと一緒に焼くと美味しくなる。そういう魔法がある」
と答えておいた。
すごーい、と目を輝かせてくれて、なんでも感心してくれる年頃というのはいいものだ。
午後、ささださんが浅草に雷門に行くという。
子乗せ自転車にぱんださんを乗せて、よんださんを抱えて、しゅーと行ってしゅーと帰る。接触はしない。
あんまり長い間街を見せてないので、ちょっと見せとこうと言う気持ちだ。
その間わたしは休憩時間をもらった。
その出がけに、ささださんがお財布を忘れたというので、ささださんの鞄にお財布を入れて渡す。大きいのと小さいの、二種類。ぱんださんとよんださんの飲み物も。
しばらくして、雷門の下のぱんださんの写真が送られてきた。楽しそうだ。
テキストメッセージで、「大きい方の財布は要らなかったね、小銭入れが壊れてるから鞄の中に小銭が散っちゃった」と来る。
その後連絡が絶えて、ちょっと帰りが遅いなと心配し始めた頃、
「iPhoneを落として交番に行っていました、帰ります」
とのこと。
連絡が来たと言うことはiPhone、見つかったのだな。
帰ってきたささださんは
「大きい方の財布がいらなかったといったな、あれは嘘だ。交番で免許証が必要になって、あってよかった」
と言っていた。
どんなうっかりが功を奏すかわからない。
とりあえず「さすがわたしだね!」と誇っておいた。
おみやげに人形焼きをもらった。
ホットケーキミックスが開封状態で100グラム余っていて、粉ものは長く置くと怖いのでバナナケーキをぱんださんと作る。
焼きたてをぱんださんはお気に召したようで、たくさん食べていた。
リングフィットアドベンチャーも三日目だ。
ぱんださんは、わたしがやっている横で画面を眺めているのが楽しいようで、応援してくれる。
しかし昼寝をしていなかったこともあり、途中で寝てしまった。
おやおや、と思いながら今日の分のアドベンチャーを終える。
クールダウンまでして、水を飲んでいると、ぱんださんが起きてくる。
もう終わっちゃったよ、というと、
「えーやだー、つづきしてー、もっとやってー」
と厳しく要求が来た。
結局、想定の二倍のアドベンチャーをすることになった。
ささださんとよんださんのお風呂上がり、よんださんを拭いて保湿して着替えさせる時間、ぱんださんは一人で別の階で遊んでいる。
そのため、その時間にぱんださんの情報交換をささださんとすることが多い。
「雷門からの帰り、眠くてぐずぐずしてたぱんちゃん、『おかーさんがいいー』って言ってたよ」
『おかーさんがいいー』は、気が弱ったり機嫌が斜めになったぱんださんの常套句で、なんとわたしがそこにいて、わたしがぱんださんの機嫌を損ねた場合にさえ使われる。
わたしが、
「”おかーさん”はぱんちゃんのなんなの」
と言うと、ささださんが
「ハワイだよ。しんどくなったときに『ハワイにいきたいな』とか、あと雪さんが家にいても『家に帰りたい』とか言うのと同じ」
と教えてくれる。
あーなるほどねー、と納得した。
わたしも、人のハワイになれるとは、出世したものだ。
お風呂から上がると、よんださんが暗い寝室でもう寝ていた。
寝室で電気をつけて絵本を読むとよんださんが起きる可能性が高い。だがぱんださんは寝室で絵本を読みたがる。
よんだちゃんを起こすかもしれないけどお布団の部屋を明るくするのと、隣の部屋で読むのと、どっちがいい? とぱんださんに聞いてみる。
初めは混乱したようだったが、何回かやりとりをして修正を試みると、条件と選択を理解してくれた。隣の部屋で読むことにした。
隣の部屋で二冊目まで読んだところで、よんださんが起きた。
寝かしつけの本は
『たっちゃんのながぐつ』
『やぶかのはなし』
『きりみ』
でした。