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ポメラ日記 2020年1月27日 君の名前を並べて書こう

昨日ぱんださんが「パンをかたぬきしたい」と言っていたのを、「今はパン食べないからダメだよ、あしたね」と宥めた。その約束を、朝一番に果たす。
幼児用お料理用具セットにある小さいクッキー型で、朝の食パンを型抜いてもらい、ジャムをつけて食べさせた。
約束はできるだけ守りたい、まぁできるだけ。

ささださんは朝から日帰りで仙台にお出かけだ。
雪の予報が出ているので帰りは気をつけて、と声をかけると、
「新幹線の帰路に雪で何を気をつけろと」
と聞かれたので、新幹線が途中で止まることを考えて飲み物を持ち込んだ方がいい、あとはちょっと口に入れるものを、と答えた。
なるほど、とささださんは出発していった。

午前中、よんださんに赤ちゃん用絵本を読む。東君平さんの『みかづきちゃん うまれたよ』や、まついのりこさんの『じゃあじゃあ びりびり』。
よんださんを抱え込んで一緒にページをのぞきこみ、「いぬ わんわんわん」と発声したところで、よんださんがびっくりしてこちらを見上げた。アテレコするなら「いきなりほえはじめたけど、このひとだいじょうぶ??」という感じだ。
大丈夫だ。ちょっと迫真の演技なだけだよ。

そんな風に時間を過ごしていたが、午後になるとよんださんが新しい刺激を欲してうなりはじめたので、散歩に出る。曇りで寒い。
大きな公園に行くと、曇り空が広いのでよけいに寒々しい感じが強まる。だが、よんださんを抱えたあたりは暖かかった。ちょっと重いが最高の防寒具だ。防寒具が寒くないようにも気を遣う。
公園で暖かい飲み物を飲みながらぼんやり座っていると、寝ていたよんださんがいきなり目を覚まし、あたりをきょろきょろと見る。声をかけて、この寒いのに咲いているよう手入れされたチューリップやパンジーなどを一緒に見た。チューリップのはっきりとした黄色が、灰色の風景に浮いて見える。
曇り空高くを白い大きな鳥が飛んでいる。ほらごらん、としたかったけれど、よんださんの目では、速く飛ぶ、灰色の空の白い鳥は捉えきれないようだった。


帰りに、とても観察しやすい位置に冬芽のある枝を見つけて、ぱんださんにも見せてあげようと写真を撮る。ちいさな かがくのともで「冬芽」という言葉を覚えてから、ぱんださんは冬芽が好きだ。わたしも、冬芽という視点で冬の枯れ木立を見たことがなかったので、世界の解像度が少し上がった。
そんな風に一緒に「見えるようになったもの」がたくさんある。
空を飛ぶヘリコプターがけっこう多いことは、ぱんださんのほうが詳しい。

保育園から帰ってきて早々にごはんを食べて、ささださんがいない状況でよんださんとぱんださんをお風呂に入れる。初挑戦だ。
予想通りその作業は困難を極め、しばらくやりたくないと痛切に思った。常にワンオペのひとはどうしてんだこれ。
ささださんはお風呂に入れるところから手伝ってくれるつもりだったらしく、新幹線に飛び乗って早めに帰ってきてくれた。申し訳ない。
でもきゅんとした。お土産に冷麺とじゃじゃ麺と温麺をもらった。

まついのりこさんのあかちゃん絵本の初めのページには、「このえほんは(  )ちゃんのえほんです」と名前を書く欄がある。
『じゃあじゃあ びりびり』には「ぱんだちゃんの」と名前を入れているが、『ばいばい』の方は空欄だった。
あかちゃん絵本なので、色鮮やかで言葉は単純で、ほんとうにゼロ歳あたりから読む本だ。寝かしつけの時に、ぱんださんの希望でその二冊をよんださんと一緒に読んだ。
『ばいばい』に名前を入れ忘れていることに気づいて、ぱんださんに「なんてお名前書こうか」と相談した。
ぱんださんは迷いなく、
「ぱんだちゃんの、ってかく」
と言う。それから少し考えて、
「でも、『よんだちゃんも、いっしょに、よみますよ』ってかかなきゃねぇ。こっちのごほん(記名済みの『じゃあじゃあ びりびり』)にも、『よんだちゃんも、いっしょに、よみますよ』ってかかなきゃねぇ」
と続けた。
わたしはこの子のことがとても好きだ。

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やきとりい
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