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ポメラ日記 2020年2月24日(月) 春みたいな歌みたいな


昨日ぱんださんは、「はやくあしたになるといいねぇ」と言って寝た。
朝起きてぱんださんは、「はやいねー、すーぐに、あさになっちゃったねぇ。よかったねぇ」と言った。
きみの眠りが健やかで、毎日がうれしさとともに始まって、わたしはうれしい。


それはそれとして、まだ休日がある。
子どもが保育園に行くようになって、一番変わったことの一つは、「長い休暇が嬉しくない」である。これはわたしのついったー調べによると、同年代の子を持つ親にかなり共通した見解といえる。
子どもが好きとかキライとかではない。三日間ガチで子どもと付き合おうとすると、純粋に体力が持たないのである。

しかしともかくも三歳児の活動意欲をどこかに発散しなければならない。
ささださんと相談して、数駅先の大きな遊具のある公園に行こうと言うことになった。初めての街だ。
電車に乗って、ついた先でお昼ごはんだ。ジョリーパスタがあり、思わず行きたいと希望を述べてしまう。ジョリーパスタは福岡にやたらとあるため、郷愁を誘う店である、ということが東京で初めてジョリーパスタに遭遇して判明した。
下手すると二十年ぶりくらいのジョリーパスタは、メニューが懐かしいとかそういう記憶はすべて失われていたが、「焼きカマンベールパスタ」を頼むと焼いた丸いカマンベールチーズがごろっと乗っていて、この迫力はなんとなくジョリーパスタだな、という手応えはあった。
ぱんださんがドリンクバーでレモンジュースを選び、
「すっぱいよ~」
としょげた顔をしていてとてもかわいい。
親としての自分は、ちょっと悪趣味なところがある。
しかし酸っぱくて飲めないことを見越して甘いブドウジュースを自分のグラスとして取ってきており、交換してあげたので、ささやかな悪趣味は見逃してほしい。

公園までの道のりで、大きな橋を渡る。
川面に鳥がたくさん浮かんでいて、「しろいとりと、くろいとりがいるよ、おかおが、くろいとりもいるよ」とぱんださんが見たものを一生懸命報告してくれる。
鳥たちにバイバイと手を振ってから、ぱんださんは「とりのおともだちができたよ!」と嬉しそうに言っていた。
鳥の意見も聞きたいところだが、そうやって世界に親しみを持ってくれて、わたしもうれしい。


公園にはもう桜が咲いていた。
「桜が咲いている!」とささださんに報告すると、「まさか。まだでしょ」と言われる。
でも桜だ、どうみても。
桜の咲いた公園には、たくさんの個人用テントが張られ、たくさんの家族が走り回っていた。ぱんださんに付き合って、アスレチックを上り下りする。興奮した頬がきらきら光っている。
とちゅうでささださんと交代すると、よんださんもご機嫌だった。
たくさん声を出し、髪の毛はふわふわで、にこにことして春の光そのものみたいだ。
抱え上げて桜を見せる。
よんださんは桜にも似ていた。

ぱんださんは木の枝を拾って持って帰るという。
大きな橋を渡ってもどる。「とりさん、いないねぇ。かえっちゃたのかなぁ」と残念そうにしていたぱんださんは、二、三羽の鳥が舞い降りて水面に止まるのをみて、よろこんでいた。


寝かしつけの本は『11匹のネコ』と『11匹のネコとあほうどり』でした。

ぱんださんは「ねこ、はだかで、さむくないのかなぁ」って言ってた。

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やきとりい
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