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ポメラ日記 2020年5月14日(木) わたしの体を好きな歌

ぱんださんが、あいまいな朝の光の中で、よんださんの腕を取って歌って遊んでいる。
とても平和な光景だが、ぱんださんは興が乗るとすぐ力加減を忘れ、よんださんをわちゃわちゃにしてしまうので油断がならない。
今日も油断できない一日の始まりだ。

午前中によんださんを抱え、ぱんださんを外に連れ出す。
お寺の前の広いスペースで、ぱんださんが存分にストライダーを走らせる。
日差しが強く、樹の影が濃い。
あの樹の影からこちらの樹の影へ、こちらの樹の影からその先の樹の影へ、と競争したり、一人で走っては戻ってきたりする。
アスファルトの上に、複雑な模様を描く枝の影を迷路に見立てて、光を踏まないようにあちこちを回り歩く。風が吹くと、迷路が揺れる。

そのように遊んでいたら、70代くらいの男性に話しかけられる。
よんださんをみて、
「やーかわいいねー、一歳なってない? 八ヶ月? そうかーかわいいねー」
話し始めは距離を保ってくれていたのだが、じりじりとその距離を詰めてくる。
「いいね、きみ、10万円もらえるよ」
ぎゃっ。
抱っこひもで宙にぶらぶらしているよんださんの足を触られそうになる。よんださんが絶妙なタイミングで人見知りを発揮してくれて、ふえぇと泣き出したので、すいませんねぇみたいな顔をしてよんださんを遠ざけることに成功した。
感染がどうとか以前の問題だ。人の体に無断で触ってはいけません。
なぜその基本が、赤子相手だと思い出せない人が多いのか。
いや分かる、赤子というのはむやみに触りたくなるものだ、だが可愛くてふにゃふにゃしてて言葉がしゃべれなくても人間なのだ。尊重してほしい。
その男性は、次にぱんださんの方を向き
「10万円もらえるんだよ、お父さんお母さんに何買ってもらう?」
ご覧くださいこれが典型的な余計なお世話の見本です。
男性からは悪意は感じず、むしろ子ども好きオーラが出ており、ただ単にコミュニケーションの方法が迷惑なだけの人だと思われる。
ぱんださんは、知らない人に話しかけられてもじもじしながら、
「……あいすくりーむ」
と答えた。
あんまり可愛かったのでアイスクリームを買って帰った。

台所に置いてあるぱんださん用の踏み台が不安定なのと、ステップがなくて登りづらそうなので、ステップがある形の踏み台を先日買った。
それをよんださんがつかまり立ちにとても活用している。
下のステップに手をつき、えいやと上半身を上げて上のステップに掴まり、こちらを誇らしげな笑顔で見てくる。
そのたびに、すごい、すごいと笑顔で褒めそやす。
褒めそやしていると、ぱんださんが「ぱんちゃんは、もーっとすごいことできるよ!」とトランポリンで跳ねはじめる。
うむ、どっちもすごい。

ぱんださんが、英語の子ども向けの歌のコンテンツを見るようになった。
映像がついているので英語でも楽しいらしい。
一緒に見ていると、子どもに体の部位を覚えさせるための歌がすごく良かった。
"Eyes ears elbows neck & nose, Feet knees hands ..."
と体の各部位の名前を並べながら、
"I love my body the way it is"
と短いセンテンスではっきり肯定する。
そして、
「わたしはわたしの目がお気に入り、本を読むときが好き」
「わたしはわたしの髪がお気に入り、ぴょんぴょん跳ねる時が好き」
と肯定を重ねていく。
こういう、自分の体にポジティブな歌、あんまり日本では聴かないなーというか、知らないなーと思った。
今の子ども向けにならあるのかも、日本語でも。
まぁこういうのが異文化に触れる醍醐味だなぁ、と思いつつ、ぱんださんに、おかーさんはこの歌が好きだよと伝えた。

寝かしつけの本は
『せかい ちず絵本』
『タンタンタンゴはパパふたり』
でした。

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やきとりい
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