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バリアシオンのソロ曲を聴いたので感情を吐き出す

「うちのウインバリアシオンが歌手デビューした」

...??????
と、今年1月ごろの自分は反応してたと思います。これは現在バリアシオンを種牡馬として所有している、スプリングファーム佐々木代表のツイートです。パワーワードすぎる。

ついにウマ娘になって約8ヶ月、ウインバリアシオンさんのソロ曲が登場しました!!!

...というテンションでウキウキしながら聴く曲では無いんですよねこれが。曲名が判明してから恐ろしかったです。「ど...どんな曲なの...???」と。その曲名は「どこまで走れば」という物なんですが、このタイトルからして心が何かキュッと締め付けられるような。

競馬を見るようになってはや3年半が経って、1勝の重みを物凄く感じるようになっています。その中で、G1まであとひとつ手が届かなかった馬も沢山見てきました。すごい応援したくなるんですよね。バリアシオンの存在を知ったのは割りかし競馬ファンなりたての頃。ウマ娘で知ったナイスネイチャと、競馬の歴史を漁る中で知ったオルフェーヴルから。

現状、あと一つビッグタイトルに届かないディープボンドや、中央ではあと一歩勝ち切れなかったハルオーブへ特に大きな声援を送るような自分。この傾向、恐らく10年前から競馬を見ていてもバリを応援してたと思う。

「どこまで走れば」というタイトルからして「G1......」とか「オルフェ......」と、色々と想起しますが、気付くと普段は聴かない試聴動画を開いてました。楽曲は初見フル試聴派なんですが、なぜか試聴してたらしい。

試聴の時点で「やばい歌だ」ってのを、曲調と歌詞とバリの声優を務められる月城日花さんの歌唱力から感じ取ってました。これはやばい。フルは一体どうなってるんだ。

そして試聴動画から1週間。秋華賞は悔いの無いボロ負けをして、いよいよ菊花賞の当週になる訳です。CDリリースの週。

この週は色々とあります。WINNING LIVE 22リリースの水曜日。土日はバリと月城さんが出走するウマ娘クルクル幕張。また、同じく日曜日はウインバリアシオン産駒のハヤテノフクノスケが菊花賞へ出走。山盛りですね。そのひとくち目、CDリリースが水曜日だったんですが。

...

フル尺を聴いた

朝にコーヒーを飲みながら目から何か溢れてました。この週は睡眠を改善しよう!ってことで、あまり夜ふかしをしない生活を送っていたので、初めてフルを聴いたのは毎朝立ち寄るカフェです。

順番に聴くわけですが、ヴィルシーナのソロ曲は「ヴィクトリアマイル................」、ヴィブロスは「ヴィブロスヴィブロス」と、大魔神の姉妹がらしい曲で繋いできた中、ラストがバリアシオン。ヴィブロスから温度差が激しい。気付いたら泣いてました。

自分はメロディーや歌い方から初めに曲を理解する人なので、まずビックリしたのは曲調と表現力。シュヴァルグランのソロ曲「僕が憧れた青」に似た曲調。ハーツクライ産駒の傾向が掴めたので、サリオスやドウデュースも同傾向の曲調になるかもしれません。

曲調は僕が憧れた青にそっくりなんですが、歌詞は明るめなメロディーに反しています。

ウインバリアシオンをなぞって

歌詞について、まだウマ娘では露出が少ない方のバリアシオンですが、史実を知っていると何故このような歌詞になっているのか解釈できるようになっています。

簡潔にまとめると、あるウマ娘への劣等感と、それを踏み越えて行く様子が描かれている歌詞です。あるウマ娘って誰...?それが2011年の三冠馬オルフェーヴルかと思われます。

ダービートライアルの青葉賞を勝ち、日本ダービーへ駒を進めたウインバリアシオンは府中でG1レースだと初めてオルフェーヴルと対峙。後続へ付けた差は7馬身。完全にバリアシオンが勝っていた展開でしたが、更にその先でゴールインしたのがオルフェーヴル。今後、この2頭は神戸新聞杯、菊花賞、天皇賞春、宝塚記念と対峙する事になりますが...。

戦うごとに着差は開いて行き、バリアシオンが先着したのはオルフェが調教再審査もあり大敗した天皇賞春だけ(バリ3着、オルフェ11着)。先着したと言いつつも、次走の宝塚記念では三冠馬が復活。

このレース後、夏を越えて京都大賞典へ向けた調整中に故障を発生し1年以上の療養を強いられる事に。一方、オルフェは日本最強馬の地位を確立していました。

翌2013年、凱旋門賞で前年に続いて2着。そのレース後、オルフェーヴルは有馬記念をもって引退するとの報が。この引退に合わせるかのように故障から復帰したのが、ウインバリアシオン。復帰戦の金鯱賞(当時は12月開催)で3着。ここでひと叩きしたバリアシオンは状態が上向き、オルフェーヴルと最後の戦いへ...。

と、言うのがこの楽曲で描かれているであろう史実の範囲。バリは故障あれど7歳まで走ったので息の長い競走馬でしたが、やはり「対オルフェーヴル」というのがポイントかなと思います。

史実的に見れば有馬記念までをなぞった歌詞になっているなと思いましたが、じゃあウマ娘的にはどうなのか。

ウマ娘の姿になったバリアシオンはスポ根という表現が合っているでしょうか...。現在登場している会話をいくつか眺めても、オルフェに対する対抗心をむき出しにしています。(当方、バリがよく出てくるサウンズオブアースのシナリオを読んでないのでここだけ分かってません。時系列的にはオルフェ引退後の話)

ただ、先述した通りの史実を踏まえたり、知っていると結構辛いよなというキャラ設定。結局、オルフェーヴルに勝つこと、G1を勝つ事は達成出来ませんでした。だからこそ「勝たせる」という目標が生まれてくるのがウマ娘の良い点です。

似た境遇のウマ娘としてナイスネイチャが居ます。ネイチャもG1タイトルを獲得するべく、表では控えめですが裏に強い闘争心を抱いて走っていますよね。一方、バリはネイチャが持つ闘争心を表面にまで剥き出したようなキャラクターという違いが。

この2人は史実において主戦騎手、調教師がそれぞれ松永昌博氏という繋がりがあります。調教師時代にバリを管理していますが、「オルフェーヴルに勝つ」という意志がインタビューからよく垣間見えました。ウマ娘になったウインバリアシオンは、この陣営の意志を反映したからこそ表立ってまで闘争心が溢れるキャラクターになったのかなと思います。

めちゃくちゃ響いたソロ楽曲

自分がウマ娘になったウインバリアシオンに抱いているイメージは以上の通りです。これを踏まえて、響いたのがソロ曲。

感想は「リピートできない」です。もちろん良い意味で。
めっちゃ良い楽曲なんですが、リピート出来ない。辛いからなのかなぁ。

「投げ出せば楽になる なんてよぎるもう何回目」

サビ前の1フレーズなんですが、何か目標を持つ上で達成が困難だなんて思うと誰しも考える事ですよね。相手へ表立って「絶対倒す」というオーラを出している子がこんな事を言い出すとそりゃ辛い。なんとかしてあげたいよね。

ただ、「何回目」のフレーズの通り、何度もチャレンジして諦めてないって事なんだろうなと思います。意志が強い。

この後からサビまで、心から叫ぶような歌声。ウインバリアシオンの父ハーツクライは曲名から命名された馬ですが、その曲名に「心の叫び」という意訳があります。

歌の技術についてはあまり詳しくないんですが...それでもここまで感情を込めつつ綺麗な旋律を刻むのが難しい事は誰でも分かるので、月城さん凄い...。って改めて思いました。

歌詞の話に戻ると、本心を叫ぶように歌ってると思うんですよ...!辛い...。なんとかしてあげたい。

キーはあまり詳しくないんですが、多分長調?だと思います。なので明るめなメロディーなんですが、それに反した歌詞に見えて、悔しさをぶつけているような。

サビのラストで「届かないとわかってても 止まれないのはまだ信じていたいから」ってフレーズが出てきます。恐らく何に届かないかと言えばオルフェーヴルを指してるのかなと思いましたが、それでも勝つと決めた自分を信じる姿。良い子だよ......。

と、良いんだけど語源化するのって難しいな。と思いながら書き続けてます。改めて歌を書ける人って凄いなぁって。

最後のサビで再び前を向いて走り出す決意を顕にしますが、そこに至る2番の歌詞でまたギューッと心が締め付けられました。

「ずっとずっと隠してきた...」からの歌詞。この曲の中で一番弱音を吐いている所かなって思います。強い意志を持ってる子が弱音を吐いてるとやっぱり辛い...。なんとかしてあげたいですよね。

そして、ここで一度諦めかけるんです。そこから落ちサビで「諦めることこんなにも怖かった...」と繋がって行って、また走り続ける決意。「育った劣等感を力に変えて」というフレーズがありますが、バリが持ってる芯の強さなんだろうなぁって。

芯が強くて闘争心も溢れてる子だと解釈してますが、だからこそ「あんた倒す」「絶対勝つ」という部分が少なくて「どうして...?」「なぜ...」と言った部分が多い歌詞が刺さったのかなって思います。強い子が本音を叫ぶようにさらけ出している姿、泣く。史実を踏まえると尚更。なんとかしてあげたいよね。

そして!!!1番のサビとラスサビで歌い方がガラッと変わってるんですよ。1番のサビは本当に悔しさが全面に出ているように聴こえて、ラスサビは清々しく歌ってるというか。本当に表現力がすごくて、気付くと更に泣いてました。

勝たせてあげたい

バリはG1タイトル、オルフェに勝つ夢を産駒に託す側になりました。本人(本馬...?)はもう挑戦できる側ではない。ただ、ウマ娘ならどうだ...?ウマ娘ならなんとかなる。文中になんとかしてあげたいって書きましたが、マジで勝たせてあげたいです。そんな事を聴いてて思いました。

聴いてる最中も「お、、、重い...!」とか「辛い...!」だなんて思ってましたが、聴き終わると「絶対に勝たせる」って変わるんですよね。まるで曲の移り変わりと同じ様に。

とはいえ、自分自身ほかの競馬ゲームもやるんですが「ウイポで山ほど勝ってるやん!」とも思います。ただウマ娘となると意気込みが変わってくるというか。その理由は、やっぱりこういうキャラ付けとか、歌で補完されるのもあるかな。という。

とにかく、なんとかしてあげたいですよね。勝たせてやるんだ。と思いました。

...何も伝わってない文章な気がするし、感想と言うより語りな気がした。とにかく脳を焼かれた勢いの文章です。素敵な楽曲でした。絶対に勝たせます。

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