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上毛かるた軍団のエース・アサマノイタズラを振り返る

アサマノイタズラ、屈腱炎で引退...。
もともと1年以上も脚部不安で姿を表さない時期があっただけに、復帰後も脚は大丈夫かなーと毎レース見てましたが、まさかこのような最後になってしまうとは。

自分は2021年から競馬を見始めていますが、沢山いる好きな馬の中でもアサマノイタズラは最初期から追っかけていた一頭。まず、名前が頭に残ると思いますが、馬名の由来は「浅間のいたずら」。これは群馬文化協会が発行している郷土かるたで、群馬の歴史などの要素が詰め込まれたもの。その「浅間のいたずら鬼の押出し」という札が馬名の由来になっています。

出典:以下記事より

馬主の星野壽市氏は2013年の桜花賞を勝ち、産駒では22年の朝日杯FSを制すドルチェモアを輩出したアユサン、重賞2勝で昨年に初年度産駒がデビューしたヤングマンパワーなどを所有していますが、その所有馬の中でも上毛かるたから馬名が付けられた馬が複数。アサマノイタズラの他には、テンカノギジン、エンギダルマ、ココロノトウダイ、ヘイワノツカイ、ライトカラカゼ、ツルマウカタチといったメンバー。1世代1頭ずつ、この上毛かるた由来の馬名を付けているそうです。

その上毛かるた軍団の中でも重賞を制覇したのが21年クラシック世代のアサマノイタズラです。

馬券にいたずら?

デビューから3戦全ては中山競馬場でのレース。2戦目で勝ち上がると1番人気に推された1勝クラスでは惨敗。その次走、G2スプリングステークスでは7番人気と、あまり人気は高くありませんでした。しかし、終わってみれば持ち前の鋭い末脚で短い直線を追い込み2着に。3番人気→7番人気→1番人気で決まる、少し波乱の結果になりました。

続く皐月賞では鞍上の嶋田純次騎手がG1初騎乗。しかし、しんがり負けの大敗を喫し、夏のラジオNIKKEI賞も奮わず。

秋初戦のセントライト記念ではオッズ42.7倍の9番人気に。そしてこのレースには、タイトルホルダー、ソーヴァリアント、オーソクレースと言った、もはや説明不要の実績馬が名を連ねました。結果と言うと...。

なんと、アサマノイタズラが勝利。
断然1番人気のタイトルホルダーは馬群に沈み、もちろん馬券は大荒れ。鞍上の田辺騎手も「びっくり」とコメントする激走っぷりでした。まさにイタズラ...?

道中団子状態→直線で差し切るという持ち前の末脚を活かしたレースで菊花賞への出走権を獲得。一躍、台風の目に...。

ライバルはタイトルホルダー?

菊花賞、セントライト記念を勝ったアサマノイタズラは1枠2番、タイトルホルダーは2枠3番になりました。が、このレースでは前走の敗因を糧にタイトルホルダーが思い切った逃げを打ち圧勝。アサマノイタズラは後方から馬群に突っ込み追い込むも、9着に敗戦。

続く有馬記念へも、菊花賞からアサマノイタズラとタイトルホルダー、ステラヴェローチェが駒を進めます。アサマ7枠14番、タイトル8枠16番。タイトルは5着に健闘しますが、アサマは気管支炎を発症し力を出しきれずしんがり負け。

AJCCは鋭い末脚で4着と力を見せた中山巧者アサマノイタズラ、日経賞でタイトルホルダーと再び激突。アサマ7枠12番、タイトル6枠11番

...仲良しなの?

対決の結果はと言うとタイトルの逃げ切り勝ちで、アサマは着外。これ以降、しばらく直接対決は無くタイトルはいつの間にか現役最強馬に。アサマは目黒記念で初の府中に挑むも結果は出ず、中山開催なら...と秋を待ちわびてましたが...。

帰ってこない!

タイトルホルダーは凱旋門賞への挑戦を表明。アサマノイタズラはオールカマーかな...?と思ってましたが、放牧からなかなか帰ってこない。目黒記念から続報が全くありません。その同時期、ドバイSCを走ったステラヴェローチェ、日経新春杯を勝ったヨーホーレイクも同じく春から続報がなく、この3頭を探していますなんてよく言われてました。

時は流れ2023年の夏。同世代のエフフォーリアは心房細動で競走中止からの引退、タイトルホルダーは天皇賞春で跛行による競走中止。21年世代に良いニュースが無い中でとあるニュースが。なんとアサマノイタズラが帰ってきた。

どうも、球節に不安を抱えていたようで、実に1年ぶりの帰厩でした。ちなみに、復帰レース後に帰ってきたアサマと嶋田騎手のコラムがあります。ここでイタズラでは無くアサマノワガママだったことが判明。(好き)

復帰戦の関越ステークスは無事に完走して、秋のオールカマーへ...。

あの馬と再激突

オールカマーではアサマノイタズラ久しくの重賞挑戦。2枠3番に入ったアサマノイタズラですが、お隣の2枠4番にはタイトルホルダーが復帰戦を迎えてました。皐月賞も隣だったので、これで4回目の隣同士です。仲良しかお前ら

結局、アサマノイタズラは後方冴えず14着、タイトルホルダーは2着に粘り込み、その後は予定通りにジャパンカップ、有馬記念を走って引退。

アサマノイタズラは、次走のアルゼンチン共和国杯で柴田善臣騎手が騎乗。先行策に出る新スタイルを試み、見せ場はあったものの2桁着順。中1週で嶋田騎手と京都遠征、12月は中山に帰還。翌年は小倉大賞典に出走など、管理する手塚先生ももう一つタイトルを取らせてやりたいと意気込んでいましたが、勝ちには恵まれず。

2024年7月、七夕賞へ向けて調整を行ってたものの、左前浅屈腱炎を発症し、引退が発表されました。引退後は中山競馬場で誘導馬を目指すそうです。

お疲れさまでした

自分が競馬を見始めてずっと追ってきてた馬なので、やっぱり寂しいですが、これから誘導馬になってくれれば中山競馬場で会えると思うので、まずはセカンドキャリアが幸せな物になってほしいなーって強く思いました。

耳に残るその名前と、短い直線で噴火する末脚。
まずは怪我をしっかり治して誘導馬になれるよう頑張ってほしいです。お疲れさまでした🐎

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