【断片小説】東京の術師たちの物語⑨
俺が係長の言いつけを守らず、しかも四戸に正式に依頼されたわけでもない。いや、お願いされたが断った。その後何故か俺の車に四戸が乗っていて、いつの間にか一緒にスカイツリーまで来てしまった。完全にやらかした。経緯が有耶無耶すぎる。言い逃れができないと思うと俺は何も言えなくなった。俺は何を言うのが正解なのか考えようと重い思考回路を起動させていると四戸が沈黙を破る。
「石留警部、申し訳ありませんでした。私が丹糸警巡査部長に無理を言ってお願いしたのです。本人からは断られましたが、丹糸