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恋って子

かのん「どう? 恋って子の弱点、見つかった?」

スーパースター!! 第 2 話ではこのカットが結構好きです。かのんちゃんの言い方、良いですよね。

恋ちゃんは友人ではないけれど、顔見知り以上の関係にある同級生。かのんちゃんが呼ぶのは「葉月さん」のはずです。すぐ後の会話では確かにそう呼んでいたので、ここだけ変わっているんですよね。本人は無意識なのかも。でも違いには意味があると思います。

ここは、邪魔立てをする恋ちゃんをなんとか切り崩そうと画策する場面です。でも例に出していた、弱点を使って攻めるのは正攻法ではありませんね。搦手とも呼びづらい、卑怯な手段です。

かのんちゃん自身がそのことをわかってるんですよね。後ろめたさがあるように思えます。それは彼女が隠れる位置に立っている構図からも見て取れます。壁の向こう、植物の向こう、テーブルや椅子の向こうで小さく、遠い奥の位置から話しかけているのって、主張が弱い証左です。

そして「恋って子の弱点」という言及のしかた。これが「葉月さんの~」になると感じが違ってきます。「葉月さん」は彼女の中で具体的なイメージをともなう人物です。その弱点を攻めるとは言いづらい。「知っている人」相手に卑怯な手段をとるのは……やっぱり気が引けますよね。

だから呼び方を変えて、ずっと遠い位置に対象を置くんです。名前くらいは聞いたことがあるレベルの、よく知らない人にすることで罪悪感を減らす。

姑息だと見ることもできましょう。しかし私は逆に、この弱点云々の手段にまだ忌避感が残る彼女に好感を覚えました。心根が真っ直ぐだなあって。

いずれにしても実行には移さなかったでしょうね。ちょっとした呼び方の違いが、そう思わせてくれるのです。

※ヘッダ画像は、アニメ「ラブライブ!スーパースター!!」第 2 話より

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