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大阪〜博多600km徒歩の旅(18)山口県岩国市(岩国駅〜周防高森駅)

大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅
第18ステージ
山口県岩国市(岩国駅)〜山口県岩国市(周防高森駅)(25km)

疲れが溜まっていたので、今朝は7時半に起きた。8時半まで更新作業をし、1階で朝食を取った。

再び部屋で作業をして、10時過ぎに宿を出る。今日も岩国に泊まるので、エコバッグに最低限の荷物だけを入れて出発した。

まず5km歩き、岩国の名所「錦帯橋」を訪れた。学生時代に既に訪れている場所だったが、当時感動したのでまた来たかった。

ローマ時代の水道橋も素晴らしいけど、岩国が誇る錦帯橋も負けてはいない。1673年に建てられた、世界に類を見ない5連の木組みアーチ構造。江戸時代初期の土木技術の結晶である。とにかく姿が美しい。

創建から350年、市は「錦帯橋を世界遺産に」と活動を続けている。登録されることを願う。

310円を払って、橋を渡る。ものすごい傾斜なため、橋なのに階段状になっている。

渡った先に何やら施設や古い建物がいろいろありそうだったので、少し散策してみることにした。橋のすぐ近くにあるソフトクリーム屋さんは、やけに種類が多くてすごいなと思った程度で素通りしてしまったけど、あとでXで、日本一種類の多いソフトクリーム屋として有名なのだと教えてもらった。調べてみると、190種類以上の味が販売されているらしい。

「岩国徴古館」という資料館が無料で見学できたので、入ってみた。そこでは錦帯橋に関するビデオが流されていて、2001年から3年かけて行われた約50年ぶりという橋の架け替えの様子が映し出されていた。CGを用いての橋の構造もわかりやすく、よくできているなあと思うばかりだった。

大学時代、「構造力学」という必修科目があった。好きな科目ではなかったけれど、「爪楊枝のみで強度の高い橋を作る」という印象深い課題もあった。通学時に満員電車で潰されてしまい、落ち込んでいた学生もいた。その科目の担当教員だった依田教授が、錦帯橋研究の第一人者である。2011年に、このようなニュース記事があった。

「錦帯橋はアーチ構造」、早大の依田教授が初めて証明

早稲田大学創造理工学部の依田照彦教授は8月3日と4日、模型を使った実験によって錦帯橋が力学的にアーチ構造であることを証明した。これまで片持ち梁構造かアーチ構造かをめぐって議論があった。依田教授は「実験で構造を証明したのは初めて。これで錦帯橋が世界に例のない木造のアーチ橋だと分かった。今後、詳細に分析し論文として発表する予定だ」と話す。

引用元はこちら

依田先生、すごい方だったんだなと今さらながら思う。

錦帯橋で随分時間を使ってしまった。12時40分、再出発した。

美観地区だからか、セブンイレブンやドラッグストアの看板の上には、瓦屋根が付いていた。ここまでやる必要あるのか?とも思ったが。

玖珂(くが)までは峠道で、しばらく登りが続いた。今日は身軽だったため、ランニングも織り交ぜた。

厄介だったのは、何度かあったトンネルである。とくに1km以上も続いた「欽明路トンネル」は、歩道が細いうえに、大型トラックがバンバン通る。外にはみ出ないよう慎重に、しかし急ぎ足で歩いた。

異変に気づいたのは、2つ目のトンネルが見えてきたときのことだった。

前を行く車が次々とUターンしている。さらには大型トラックまでもが、ありえない位置でUターンを始めるではないか。これは何かあったな、と思った。

トンネルの入り口で、答えがわかった。トラックと自家用車が衝突した直後だったのだ。幸い、両方のドライバーに怪我はなさそうだったが、自家用車はフロント右側がメチャクチャになっている。トラックの方も、いろんな破片を周囲に撒き散らしていた。

衝突したのはほんの2〜3分前くらいだったのだろう。警察の到着にはまだ時間がかかりそうで、交通に混乱が生じていた。反対車線はトンネル内だからUターンもできず、ものすごい大渋滞になった。

峠を下り、向こうに町が見えた。欽明路駅、そして玖珂駅を通過した。ようやく歩道のある道に復帰できた。

それにしても、日本中、どこに行ってもたくさんの家がある。

学生時代に青春18切符で紀伊半島を旅したことがある。確か尾鷲から熊野古道の峠越えをして、「三木里」という町に着いたときだったと思うが、

「こんな田舎にもたくさんの家があって、それぞれの家にはそれぞれの家族が暮らしていて、その一人ひとりに異なる人生のストーリーがあるんだ」

という当たり前の事実に、深く感じ入るものがあった。地方を旅しているといつも、あのとき三木里から鉄道に乗って、車窓から眺めた家々の風景を思い出す。

やがて25km歩いて周防高森駅にゴール。

この周辺にはホテルがないため、JR岩徳線で岩国まで戻る。できればあと2つ先の高水駅まで歩いて距離を稼ぎたかったが、1〜2時間に1本しかない鉄道のため、断念する。でも、当初の計画通りの場所までは来れた。夕暮れの空が美しい。

電車を待つ間に飲んだ、コンビニで買った缶コーヒーが小さな幸せだった。地元の高校生たちとともに16時29分発の電車に乗り込み、17時5分に岩国に戻ってきた。

夕食は「岩国駅前三丁目食堂 風家」にて、あじ南蛮定食。おいしかった。

そして今夜も「IWAKUNI COFFEE」で、閉店時間まで原稿を書いていた。明日は早起きして、8時9分発の電車で周防高森駅に戻る。その電車を逃したらなんと次は11時26分発なので、絶対に逃せない。

<今日の費用>
アクエリアス 179円
錦帯橋 310円
おにぎり 135円
あんまん 140円
缶コーヒー 132円
電車代 420円
夕食 880円
カフェ 420円
ホテル 6100円

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