大阪〜博多600km徒歩の旅(2)兵庫県神戸市〜明石市
大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅
第2ステージ
兵庫県神戸市〜兵庫県明石市(34km)
6時45分に目が覚めた。寝ぼけていて、あまりの身体の痛さに一瞬、
(何か事件にでも巻き込まれたのか!?)
と状況を飲み込めずにいた。そして家のベッドではないことに気付き、「そうだ、ぼくは旅に出ているんだった」と思い出した。膝や足首は、フルマラソンの翌日みたいに痛かった。
ただ、前日のような頭痛はなかったし、睡眠時間は短かったけど睡眠の質は悪くなかったようで、気分はスッキリとしていた。昨夜は深夜0時過ぎにすべての更新作業が終わり、それから風呂に入って、寝たのは1時だった。
7時過ぎに、ホテルの朝食。3種類からチョイスできて、オムカレーを食べた。ビジネスホテルらしからぬクオリティの高さ。おいしかった。副菜も手が込んでいた。
朝8時半に出発。今日は神戸市から、兵庫県明石市へ向かう。
神戸ポートタワーを眺め、JR神戸駅からは神戸線の線路に沿って進む。神戸は何も観光できなかったけど、数日滞在しても飽きなそうな街だと感じた。また今度ゆっくり訪ねたい。
途中に「柳原蛭子神社」があり、たくさんの屋台で賑わっていた。案の定、ここでも昨日の西宮神社と同じように、規模は小さいながらも「十日えびす」をやっていた。
商売繁盛を祈願する行事で、関西の人は「えべっさん」と呼んでいる。隣の大黒天福海寺も「大黒祭」とやらで賑わっていたので、そちらとセットで参拝。そしたらどちらにも、福娘がいた。福娘には、基本的には大学生がなる。高い倍率を潜り抜けた子たちだと知って、昨日よりもありがたみが増している。
ところで、大阪の今宮戎神社の福娘も有名だそうで、ネットで見ていたらまるで「ミス○○」のように綺麗な女性が多い。実際、ここの福娘はアナウンサーへの登竜門として機能しているようだ。暗黙の構造がおもしろい。
10時頃、新長田駅を通り過ぎた。新長田は、『鉄人28号』や『三国志』などで知られる漫画家・横山光輝さんが生まれた町。駅近くの若松公園には、阪神・淡路大震災の復興のシンボルとして組み立てられた「鉄人28号」の原寸大モニュメントがある。
その場所に、ライターの二宮香織さんが応援に駆けつけてくれた。彼女は、今ぼくが履いているOnのシューズをプレゼントしてくれた高井さん&藍田さんのご友人で、1年半ほど前にはマルタ共和国で語学留学中だった彼女からご依頼を受け、オンラインでお仕事の相談に乗った。彼女もまた40カ国を旅した猛者で、ユニークな方。
長田発祥のお菓子「鶯ボール」をいただいた。初めて見たけど、関西では定番のお菓子らしい。ひとつ食べたら、とてもおいしかった。
香織さんと別れ、商店街へ入ると、三国志に登場する「関羽」の像があった。横山光輝さんの関係だろう。周辺には他にも三国志のキャラクターが点在しているらしい。
しばらく歩くと須磨海浜公園に着き、海を眺めながら公園内の道を歩いた。気持ち良かった。
しかし、この辺りから雨が降ってきた。フードだけ被り、1時間ほど雨に濡れながら必死に歩いた。
12時過ぎに、垂水駅に到着。「たるみ」と読む。午前中だけで17km歩いた。痛みはあるけど、少し身体が慣れてきた。
この垂水で、神戸在住のライター、らくさんとランチした。NewsPicksなどでも執筆されている方で、一流のライターさんだ。
初対面だが、今回の旅にご支援してくださった方。以前にはご丁寧に、垂水・明石エリアのおすすめ情報とともに、手書きの地図まで送ってくれた。
人気店の「わたつみ」で、おいしい定食と穴子寿司をご馳走してくださった。とてもおいしかった。らくさん、本当にありがとうございました!
午後は、明石駅を目指して歩く。垂水から2kmほど歩くと、明石海峡大橋が目の前に広がった。橋の向こうは、淡路島。雄大な景色で、素晴らしかった。
らくさんがお勧めしてくれたスターバックスの「神戸西舞子店」では、2階テラス席から明石海峡大橋を一望できた。最高の景色だったので、ここでコーヒーを飲みながら、少し原稿を書き進めた。
再び出発し、明石駅に着いたのは、16時半頃。泉房穂・前市長で注目された明石市の中心地である。
明石駅の少し手前には、「東経135度子午線」を示す看板があった。社会の授業で習ったとおり、日本の標準時の基準となる子午線(南北の線を意味する。中国では古来、方位を十二支で表わし、真北が「子」、真南が「午」である)は、東経135度。明石市は、このライン上にある。近くには、「ハイツ子午線」というアパートと「一三五堂」という学習塾もあった。
さて、今夜の宿は、明石駅のレミントンホテルである。しかし、明日のゴール地である姫路までは、ここから40km弱あるため、一気に行くのはかなりキツい。
なので、少しでも今日のうちに距離を稼ぐため、一度チェックインして宿に荷物を置き、身軽な格好で8.5km先の江井ヶ島駅までランニングすることにした。
3kmほど進んだところで、「明石焼き」の名店だという「薩摩屋」に入った。明石焼きは、たこ焼きと似ているが、似て非なるものである。生地は卵の割合が多いため、地元の人は「玉子焼き」と呼んでいる。具材はたこだけで、紅生姜などは入っていない。薬味として三つ葉を入れた出汁に浸けて食べる。実においしかった。
残り5.5kmを走った。もう真っ暗だけど、気持ちはハイになっている。
18時40分、ゴールの江井ヶ島駅に到着。今日もしんどかったけど、気持ち良くて、楽しかった。昨日は36km、今日は34km歩いた。
江井ヶ島駅からは山陽電車に乗って、明石駅まで帰ってきた。
そして夜は駅前のスタバで原稿。歩いて、書く。歩いて、書く。ひたすらこの繰り返し。でも好きなことをやっているから、キツいけど苦ではない。
昨夜は、「明日歩けるかな」とリアルに懸念していたけど、意外と大丈夫だった。やっぱりぼくは、旅をしている方が、それもちょっと過酷な旅をしている方が、元気になってくる。おそらく好奇心がたくさん刺激されることで、発信欲が絶大に高まり、それがバイタリティーの増大につながっている。
今日も生きたね。明日も頑張ろう。
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