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博多〜鹿児島 徒歩の旅(6)玉名〜熊本 前半戦ゴール!

博多〜鹿児島 徒歩の旅
第6ステージ
熊本県玉名市〜熊本県熊本市
30km

疲労困憊もいいところだ。全身が痛いし、とくに肩の痛みは事故にでも遭ったのではないかと思うくらい。昨日の朝から急激に疲労度が増した。腰痛も出てきた。昨夜は2〜3行書くたびに眠気で意識を失っていた。結局0時半になり、文章が進まなくて諦めて寝た。一瞬で眠りにつけた。

朝食のあと、露天風呂の打たせ湯をひたすら肩に当てて、少し元気になった。とにかく今日は熊本へ行かなくてはいけない。30km近くあるけど。今日頑張れば、明日は休める。

前日分の原稿を終わらせて、10時に玉名温泉を出発。

快晴で、雲仙岳がハッキリと見えた。

トイレを借りた農村プラザで、天草産の不知火(しらぬい)を購入した。138円。歩きながら食べる。瑞々しくて、甘くて、メチャクチャおいしい! 不知火ってあまり馴染みがないかと思いきや、JAで販売されると「デコポン」という名になるらしい。なるほど、それならよく聞く名前だ。

でも普段フルーツを食べる機会が少ないから、どのみちデコポンもほとんど食べたことがない。おいしいなあと感激した。またこうした売り場があったら買ってみよう。

やがて、田原坂の近くを通り過ぎた。田原坂というのは、西南戦争で激闘の舞台となった場所だという。ぼくは今日初めて知った。おそらく司馬遼太郎が詳しく書いているだろうと思い調べてみると、歴史長編『翔ぶが如く』の第9巻に登場するらしい。この作品は全10巻あり、以前から「いつか読もう」と思いながら時間が経ってしまった。この辺りの景色を思い返しながら読めば、臨場感が増してより楽しめるだろう。

今日は起伏が多かった。でも丘を登ると、東側に連山がよく見えた。阿蘇の外輪山だと思われる。

お昼は「讃岐うどん みしま」にて。コロッケと、卵と茄子の天ぷらを追加。おいしかった。

熊本まで残り13km。バッハの「羊は安らかに草を食み」を聴きながら歩いていたら、本当に羊が現れた! 草は食んでいなかったが、ずっと口をムシャムシャ動かしていた。安らかそうだった。

コンビニを目指してたら熊本保健科学大学キャンパス内のローソンに着いた。学生たちは試験終わりのようで、テンション高くはしゃいでいる学生が多かった。これから春休みなのかな。元気をもらえた。辺鄙なところにあるから車で通う学生が大半らしく、キャンパスの駐車場にはたくさんの車が並んでいた。よく見ると初心者マークのついた車だらけ。それがなんとも微笑ましかった。

しかし、迂闊なことにこのキャンパスの入り口で靴紐を締め直した際、手袋を置き忘れてきてしまった。1kほど歩いたところで「なんか手が冷えるな」と思い気がついた。しかしもう戻る気力はなかった。1km戻れば往復で2km余計に歩くことになる。徒歩の旅の2kmは大きい。熊本で安い手袋を買おう。大事なものじゃなくてまだ良かった。

今はこんな田舎の風景が広がっているのに、本当にあと7,8キロで熊本に着くのだろうか?と思った。しかし、いつの間にか交通量が増えてきて、次第に街の中にいる自分に気付いた。道は非連続ではなく連続的に繋がっている。街と街の間がどうなっているのか、その過程を見るのがおもしろい。

上熊本駅のあたりで大量のくまモンが描かれた熊本電鉄の車両を見て、いよいよ熊本に来たという実感が湧いた。博多以来の大きな都市である。

熊本城の石垣が見えたときも感動した。お堀に沈む夕日も美しい。

今日のゴールの写真は巨大な「くまモン像」の前で撮ろうと決めていた。そしてそれは、2019年に誕生した市内の大型複合施設「サクラマチクマモト」に屋上庭園にあった。

居合わせた台湾人観光客に写真を撮ってもらった。

博多から約140kmを歩き、熊本に着いた!前半戦をなんとか乗り切った!

その後、今回の旅にご支援してくださったクリエイティブディレクター佐藤かつあきさんの事務所を訪問し、少しだけお話した。かわいいワンちゃんにも歓迎された。

夜はホテル横の「宝来軒」でちゃんぽんを食べ、スタバで原稿を書いた。

熊本では連泊するので、少し休養できる。しかし原稿や宿の手配など、やることは多い。熊本城くらいは見に行きたい。

コンビニで買った「きき湯」を浴槽に入れた。効いてほしい!

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目標まで、あと141,600円(現在60%)

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中村洋太
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